岡崎市 矢作川神社巡り紀行

榊宮神明宮(愛知県岡崎市上青野町)

2017年1月3日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

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神社情報

神社名:榊宮神明宮
鎮座地:岡崎市上青野町字中屋敷六十二番地
御祭神:天照皇大神、青橿城根命、豊受大伸、軻遇突智神(迦具土命)、菅原道真
旧社格:神饌幣帛料供進指定村社
神名帳:「参河国神名帳」正五位下 院庭天神 坐 碧海郡 ( 論社 )
創 建:大宝元年(701)、もしくは白鳳四年(675)
例祭日:四月十九日(第三日曜日)

参拝日:2016年12月22日

御由緒

社伝に青橿城根命を奉祀したのは、大宝元年(701年)か白鳳四年(675年)で、神社を院庭天神と申したが永仁二年(1194年)天照皇大神を合祀して榊宮神明宮と称す。榊宮の名の起りは永仁二年神饌の橿中に置いた榊葉に天照皇大神の文字が示現したものである。
慶長八年(1603年)幕府朱印地二石を寄進した。明治八年一月十九日、村社に列格する。同四十年十月二十六日、神饌幣帛料供進指定社となる。大正十一年三月七日、字城屋敷八番、村社秋葉社と字屋敷三七番、無格社稲前社を本社に合祀した。

愛知県神社庁 発刊
「愛知県神社名鑑」より


御祭神
青橿城根命 院庭天神
天照皇大神 伊勢神宮
豊受大神  稲前社
菅原道真公 天神社
軻遇突智神 秋葉社

当社の創立は天武天皇の白鳳三年日久良志の里開発のとき土地の安鎮と五穀の成熟を記念して川上の川場に青橿城根命を祀り院庭天神と称す。三河国神名帳記載の正五位下院庭天神は当社である。仁治二年領主青伊民部正特に崇敬篤く社殿を再建し伊勢神宮の天照皇大神を勧請合祀し是より榊宮神明宮と称す。慶安元年徳川家光より社地朱印二石を寄付され外に往古より新田十六石二斗を有した。
大正十一年屋敷鎮座の稲前社と城屋敷鎮座の秋葉社を合併す。天神社は是より先明治四十四年に稲前社に合併され。稲前社は延喜式内の稲前神社にして天正のころ岡崎城追手門前の霧降山より御遷座以後明治維新まで別当神領山本光寺が奉仕した。
明治八年村社に明治四十四年神饌幣帛料供進社に指定され。終戦後神社本庁所属の宗教法人となり愛知県神社庁より十二級社に認定され町民の崇敬する産土神氏神様である。

敬識

境内御由緒書板より

参拝記

sakakimiyajinja10旧県道78号線沿いに鎮座する榊宮神明社になります。ここから北西に進んでいくと矢作川の渡る美矢井橋があります。橋を渡ると安城市。昔からの街道だった為かこの道路沿いに鎮座する神社が多い様に思えます。

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境内入口から鳥居越しに社殿を望みます。

sakakimiyajinja2明治四十年建立の社号標です。 なかなか独特の雰囲気を持った社号標ではないでしょうか。

sakakimiyajinja3改めて鳥居越しに社殿を望みます。

手水舎・水盤

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コンクリート造りの手水舎になります。

遙拝所

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遙拝所です。忌竹がずれてしまって注連縄がたるんでしまっていますね。
注連縄、忌竹から考えると、祓所としても使用していると思われます。

狛犬

sakakimiyajinja7小乗り、玉乗りの狛犬一対になります。生れた年は・・・見忘れました。

神門

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ここの神社には、社殿前に神門があります。近年社殿を造営再建した為、社殿とのバランスが取れてない感じがしますが、見るからに歴史を感じさせる神門です。

社殿

sakakimiyajinja6神門がある為、近くでは撮れなかったので、少し引いた場所からの社殿です。
屋根の上の鰹木がすこしずれてしまっていますね。

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神明造りを模した神明風作りの社殿になります。
4間幅の拝殿で天井もかなり高く、近年造営再建した社殿としては大きい方になるのかなと思います。ただ、再建型だと拝殿、幣殿、本殿が一体型になった社殿になってしまう傾向にありますね。
sakakimiyajinja12斜め後方から社殿を望みます。

懸魚・鬼瓦

sakakimiyajinja13神明風造りの為鬼瓦、懸魚がない為、甍覆と鞭掛、千木を見て頂きます。
神明風作りも独特な屋根の装飾がありますね。

考察

御由緒に出てくる院庭天神、稲前神社については、他にも後裔とする神社が存在しています。

三河国神名帳:院庭天神 愛知県岡崎市新堀町字中野21に鎮座する「前庭天神社院庭天神社合殿」
延喜式内社 :稲前神社 愛知県岡崎市稲熊町字森下6に鎮座する「稲前神社」
実際の所、社名や祭神・鎮座地などが変更されたり、他の神社に合祀されたり、また、荒廃した後に復興されたりした場合、式内社や神名帳記載社の後裔と目される神社が複数になることは多々あります。

当社でも、社名を改称してますし、稲前社については合併していますし、上記2社の論社についても同様の事が言える為、正確に推定する事は難しいと思われます。

合併された神社跡地

大正十一年に合併された秋葉社と稲前社の旧社地が公園として残っている様でしたので尋ねてみました。

村社秋葉社跡地

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全体的には公園になっていましたが、社が建っていたであろう場所には忠霊殿が建っています。
向かって右手には社が建っていますが、祀っている神社名は不明。場所的には護国神社等っぽいですが。
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安政時代の立石が残っていました。旧秋葉社で使っていたんでしょうね。
忠霊殿が建っている場所は、元々秋葉社の社伝が建っていた石垣を利用している様にも見えますが・・。
ここが、秋葉社だった為か、秋葉花壇として今の時期は葉ボタンが植えられていました。

無格社稲前社跡地

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稲前社の跡地には、神社が建立してた時の名残はほとんど残っていません。
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鳥居だったであろう石造物とやはり稲前花壇と名付けられた花壇がありました。
両方ともGoogleMAPがなかったら見落としていました。インターネットの力はすごいですね。


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”岡崎市上青野町字中屋敷六十二番地”

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