西尾市

志葉都神社(西尾市吉良町津平)

2018年6月25日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

ONE POINT

 西尾市吉良町津平に鎮座する三河国神名帳にも記載されている「志葉都神社」の紹介です。ヤマトタケルの東征後、建稲種命の子「建津牧命」がこの地を治め、死後この地に祀られたのが志葉都神社の創建になるかと思います。

神社情報

神社名志葉都神社
鎮座地西尾市吉良町津平中谷三番地(Googlemap
例大祭十月二十日

御由緒

 創建は不詳なれど、三河国神名帳に「従四位下 津投明神」と記載されている古社になります。

 三河湾は古くから干拓が行われ、海岸線がどんどん沖合に移動していて中々想像しにくいのですが、志葉都神社が鎮座する「津平」はその昔は、「津」の文字が使わている事からもわかる様に「津=港」が造られた海岸線に位置していたはずです。港が造られたという事は古くから人々が住み、海路で伊勢や尾張と結ばれ、非常に反映していた場所なのではないかと思われます。

 大正二年には字前田の磯泊社と字天神の天満社が本殿に合祀されます。(現在では、同じ名前の境内社が鎮座している事から、本殿での配祀ではなく、境内社の御祭神として祀られているのかもしれません。)特に、磯泊社については、三河国神名帳に「幡豆郡 従五位下 磯泊天神」と記されている神社になるようです。

 三河国神名帳に記載されている神社が二社鎮座している所が津平地区が繁栄していたという証左になるのではないでしょうか。

  • 創建不詳
  • 時期不詳、三河国神名帳:幡豆郡従四位下 津投明神
  • 時期不詳、三河国神名帳:幡豆郡従五位下 磯泊天神
  • 明治六年(1873年)、村社に列格。
  • 明治四十年(1907年)、神饌幣帛料供進指定をうける。
  • 大正二年(1914年)、磯泊社と天満社を合祀。
創 建不詳
御祭神建津牧命
秋津比畔神
菅原道真
旧社格指定村社
神名帳三河国神名帳:幡豆郡従四位下 津投明神

創建は明らかではないが、尾張の国造稲種命の第二子建津牧命(又の名を津比良彦命)兄の建蘇美彦命と共にこの地を開拓せられた故に地名も津平という。「国内神名帳」に従四位下津平明神と記す。「神風抄」に角の平御厨とあり古くより鎮座の神社なり。明治六年九月一日、村社に列し、同四十年十月二十六日、神饌幣帛料供進指定をうけた。大正二年十月十日、字前田の磯泊社と字天神の天満社を合祀した。

愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」

御祭神

  • 主祭神
    • 建津牧命
  • 配祀神
    • 秋津比畔神
    • 菅原道真

建津牧命とは?

 尾張国造でヤマトタケル率いる東征軍の副将を務め、尾張への帰路の途中で水難事故で死亡した「建稲種命」の次男になります。東征軍が尾張国に帰還した後、建津牧命とその兄である「建蘇美命」は幡豆の地の開発を命じられたと志葉都神社の社伝では伝えています。

兄である建蘇美命は、幸田町須美地区に鎮座する蘇美神社の御祭神となっています。

境内社

境内社御鍬社、天満社、八幡社、縣社、磯泊社、津島社、八柱社、天白社

文化財

国 宝
国指定
県指定
市指定
町指定
村指定

参拝情報

御朱印
URL
駐車場
参拝日2018年6月4日
霊 場

参拝記

西尾市立津平小学校のすぐ北側に鎮座しているのが今回紹介する志葉都神社になります。元々志葉都神社が鎮座しているあたりには、松平元康が構築を命じた津平砦があったそうで、対東条城戦線の最前線の一つになります。

元々は山に砦があった感じだったそうなのですが、現在は茶畑などを開墾の為かなり山が削られて、ちょっと丘の様な感じになっていて、往時とは地形は変わっているそうです。

この志葉都神社の付近から北西を望むと・・・

小高い山の様に見えるのが東条城址になります。
この津平砦からも藤波畷の戦いの状況がよく見えたんでしょうね。

境内入口

少しわかりにくい場所にあるんですが、志葉都神社の入口になります。

社号標

昭和十一年建立の旧社格が彫られた社号標になります。

鳥居

大正七年建立の台輪がある明神鳥居になります。

鳥居をくぐり、石段を登っていくと社殿が見えてきます。

手水舎・水盤

石段を上った先の左手に四本柱タイプの瓦葺切妻の手水舎にがあります。

狛犬

昭和三年生まれの子乗り玉乗りの狛犬一対です。

社殿

切妻瓦葺、木造平入の拝殿になります。
大棟の部分の龍の飾り瓦がなかなかの迫力です。

流造の本殿に覆殿が設けられているそうです。

境内社

社殿向かって右手に鎮座する御鍬社、天満社、八幡社、縣社

向かって左手に鎮座する磯泊社、津島社、八柱社、天白社

この志葉都神社の境内社には、三河国神名帳に「従五位下磯泊天神 坐 幡豆郡」と記載されている磯泊社が鎮座しています。しかし、上記写真を見てもらってもわかりますが、磯泊天神社の赤い幟が建っているんですが、よく見ると神紋から想像するに、社殿向かって右手に鎮座している天満社の幟っぽいんですよね。

神名帳に記載されている「磯泊天神」は港、水の神として祀られていたという言い伝えも残っており、天神とついてはいますが、天神社、天満社の事ではなく、港、水の神とされる速秋津比売神が祀られている磯泊社が神名帳に記載されている「従五位下磯泊天神」になります。

懸魚・鬼瓦

鬼瓦と鰭付きの蕪懸魚になります。六葉が取れてしまっています。
六葉無いだけでイメージが変わって見えますね。

参拝を終えて

今でこそ、この津平というとかなり内陸というイメージなんですが、元々は、伊勢湾などからの船荷が陸揚げされる物流の拠点だったと言われています。
三河湾の物流を握ることができたから吉良氏は小さい所領でも長く続いたのかな?と考えてしまいますね。

鎮座地を神社で確認

神社名志葉都神社
鎮座地 西尾市吉良町津平中谷三番地(Googlemap
最寄駅電車:名古屋鉄道 西尾線「上横須賀駅」徒歩31分
バス:

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