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安祥山大乗寺(愛知県安城市安城町) 安祥城本丸跡鎮座

2020年7月4日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名安祥山大乗寺
所在地愛知県安城市安城町赤塚一番地
御本尊阿弥陀如来
宗 派浄土宗鎮西派
創 建延徳元年(1489年)
札 所
御朱印
H P

参拝日:2020年6月23日

沿革・由緒

 「安祥城/紹介記事」主である「松平親忠」が安祥城の鬼門除けとして城の北東に建立したの寺院である「了雲院」が江戸時代の寛政四年(1792年)に現在の安祥城本丸跡に移転し、「安祥山大乗寺」と寺号を称した寺院となります。
 元々は天台宗の寺院だったと伝えられられているのですが、親忠が深く帰依し「成道山大樹寺/紹介記事」の開山である「勢誉愚底上人」により浄土宗に改宗し中興開山したのが延徳元年(1489年)の事と伝えられています。

 安祥松平家四代「松平清康」が居城を安祥城から岡崎城に移し、その後安祥城周辺は対織田家の激戦地となり、了雲院も含め安祥城周囲はかなり荒廃したと言われ、詳細な寺伝は残っていないと言います。

 しかし、江戸時代になり了雲院は「安祥合戦戦没将士総菩提所」となり復興し、その後前述したように安祥城本丸跡に移転し、現在まで本丸跡に建っています。

歴史探訪

 先日、安祥松平家の本城である「安祥城/紹介記事」を紹介させて頂きました。そして、今回はその本丸部分を境内とする「安祥山大乗寺」を参拝していきます。由緒でも述べていますが、大乗寺は開基「松平親忠」開山「勢誉愚底上人」という松平家菩提寺である「成道山大樹寺」を開創した二名によって大乗寺は創建された事から、安祥松平家、安祥城の安寧を祈願した寺院であることがわかりますね。

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参拝記

 安祥城址公園の北東側、県道78号線の「歴史博物館前交差点」から見える場所に大乗寺の石碑が据えられて、その脇から大乗寺の境内に向かう事ができます。
堀跡越しに大乗寺の楼門を見るとなんとなく在りし日の安祥城の城門を想像してしまうのは自分だけかな?

楼門

 安祥城の本丸の曲輪部分に西向きに建っている大乗寺の楼門です。

 この楼門の手前に、「安祥城址」の碑が建っています。やはりこうした城跡の石碑は本丸もしくはその近くに設置するものなんでしょうね。

義民中川覚右衛門頌徳碑

 さらに、この石碑の脇には「義民中川覚右衛門頌徳碑」という者が据えられています。この石碑をみるまで中川覚右衛門という人物を存じ上げなかったのですが、安城市が出しているあ「安城歴史の散歩道ー安祥城址と古戦場巡りー」というマップあるのですが、その中に、中川氏はこの辺りの庄屋であり、不作に苦しむ農民の為に年貢の減免を領主「久松氏」に訴えるが認められず、血書を残して自決したと言います。そしてその決意を知った領主は年貢の減免を認めたとされ、中川氏を義民として賞するようになったと伝えられているそうです。

中川覚右衛門自決の地

 大乗寺の北門脇に中川覚右衛門が自決したという場所があります。丁度大乗寺北門を抜けて墓地のある場所に抜ける途中にひっそりと石碑が建っています。今でこと県道が通っていますが、それ以前はこの辺りに郷蔵が設置されていたそうで、その郷蔵の中で自決したとされています。

 中川覚右衛門所縁の史跡は他にも「明法寺に墓碑」が、「極楽寺に忠考塔」がそれぞれ建てられているそうです。ぜひ、安祥城または大乗寺参拝の折には合わせて訪れてみたい場所ですね。

 楼門に掲げられている「安祥山」と山号が書かれた扁額になります。かなり高い場所に掲げられているのであまり気になりませんが、実際はかなり大きな扁額の様です。

手水舎

 木造瓦葺四本柱タイプの手水舎なんですが、見るからに手水舎としてはあまり使われておらず、物置の様になってしまっています。

本堂

 入母屋造瓦葺平入の向拝が設けられ高覧のある濡れ縁がある本堂になります。

観音堂

 境内の一角に三十三観音が奉安されている観音堂がありました。

本多忠高墓碑

 大乗寺の北側にある墓地の一角に、徳川四天王の一人「本多忠勝」の父「本多忠高」が戦死した場所に建てられたという墓碑があります。亀の上に碑が建てられるこの様式は徳川家に特に貢献したものにしか許されないものだと言います。本多忠高の父「本多忠豊」も安祥城を巡る戦いの中で討死をしており、本多家の松平家の忠誠心を示しています。

 本田忠豊の墓碑は、安祥城址から北に300mほど住宅街を進んだ場所にひっそりと建てられています。こちらも近いうちに紹介していきます。

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所在地を地図で確認

寺院名安祥山大乗寺
所在地愛知県安城市安城町赤塚一番地
最寄駅あんくるバス1号安祥線「歴史博物館バス停」徒歩すぐ

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

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