ONE POINT
昭和二年に行われた愛知県下新十名所選定で第二位に選ばれた「三好稲荷」の紹介です。三好稲荷は浄土宗西山深草派の東北山満福寺の境内に建てられた稲荷堂になります。
寺院紹介
寺院概要
寺院名 | 東北山満福寺 |
所在地 | 愛知県みよし市三好町蜂ヶ池五番地 |
創 建 | 萬壽二年(1025年) |
宗 派 | 浄土宗西山深草派 |
御本尊 | 阿弥陀如来 |
霊 場
霊 場 | ー |
文化財
国 宝 | ー |
国指定 | ー |
県指定 | ー |
市指定 町指定 村指定 | 三好稲荷閣夏季大祭奉納行事 |
参拝情報
御朱印 | 〇 |
URL | ー |
駐車場 | 〇 |
参拝日 | 2022年3月16日 |
御由緒
天元五年(952年)に三河守である「大江定基」の命により天台宗比叡山延暦寺の分院といえる「大乗寺」が創建された。この大乗寺の境内に万寿二年(1025年)に建立された阿弥陀堂が今日の満福寺となっていく事になります。
大江定基とは
朝廷の参議だった大江斉光の子であり、和歌に秀でた人物で三河守に任ぜられ、従五位下を叙任される。三河守に任ぜられ三河国に向かう際に元の妻と離縁して別の女性を連れていったとし、任地でこの女性が亡くなった事から出家、「寂照」とす。長保五年(1003年)、宋に渡り天台宗の修行を行い、紫衣と円通大師の号を賜るなど高僧となり日本に帰国する異なる宋国にて長元七年(1034年)に入滅。
三河守として当時国府があった現在の豊明市周辺に大江定基の遺構が数多く残っています。当サイトでも今後大江定基の遺構を紹介していきたいと思っています。
- 享禄四年(1531年)光空見桐上人によって開山し浄土宗西山流石塔山満福寺と号す。
- 寛文六年(1666年)、勅願所の綸旨を受け、山号を東北山に改称。
- 昭和十八年(1943年)、本堂を始めとする伽藍全焼。
三好稲荷
享保十七年(1732年)、三好上・大慈山・稲荷山に祀られていた稲荷尊を陣取山の山頂に合祀し「三好稲荷」とする。藩主大岡越前守の帰依を受け文久元年(1861年)に満福寺の境内に伽藍を建立し遷座した。その後、三好稲荷は失せ物探しの御霊験で評判となり参拝者が急増したという。
昭和二年の愛知県新十名所で第二位となった事を記念して大提灯が奉納されこれ以降三好稲荷夏の大祭を「大提灯祭」とも言うようになった。
東北山と号し三好村大字三好字蜂ヶ池に在る。浄土宗深草派 宝飯郡長澤宝蔵寺末で萬壽二年四月の創建である。もと天台宗で寺号を大乗寺と云つたが、僧見洞(永禄十二年八月寂)の時今の宗に改め寺号も亦改めたのである。境内に吒枳尼天を安置し毎年二月初午の日及び九月五日を大祭日毎月五日を例祭日とする。この日賽客群衆殷を極める。
愛知県西加茂郡誌より
愛知県下新十名所:三好稲荷を巡る
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御朱印帳の保管に
数年前より非常に集める方が増えた「御朱印」ですが、皆様は御朱印帳はどうやって保管していますか?神社・仏閣を廻って御朱印を受けているとあっという間に御朱印帳の冊数が増えていきますが、そのまま棚などに置いている方が多いのでは?。せっかくお受けした御朱印ですので、日本では古くから着物を始めとして大切なものを保管する為に使われていた「桐箱」に入れて保管した方がよろしいかと思います。
ぜひ、皆様も桐箱に御朱印帳を保管されてみたらいかがですか?
参拝記
みよし市役所近くを通っている県道218号線沿いに東北山満福寺(別称:三好稲荷)は鎮座しています。県道を挟んで反対側はみよし市立中部小学校になります。
元々はこの満福寺の境内地なるのかはいまいち分からないのですが、隣接するように「みよし市歴史民俗資料館」があるのでそちらを目印にしてもいいかもしれません。
境内入口
萬福寺正面の境内入口は石柱門が設けられていて、境内に向かう参道はかなり幅広く設けられ、石段が設けられています。
山門
石段を登った先には袖壁が設けられたコンクリート造りの一間一戸様式の鐘楼門の山門が設けられています。
手水舎・水盤
コンクリート造瓦葺四本柱タイプの手水舎になります。個人的には見た目のバランスなどから非常に好感の持てる造りの手水舎になります。
本堂
入母屋造瓦葺平入の唐破風が設けられた向拝と高覧のある濡れ縁が設けられた本堂になります。向拝部分の柱が四本となっている所からも大型の本堂といえるかとおもいます。
三好稲荷閣
萬福寺の本堂と並び立つ朱塗りの本堂が「三好稲荷」になります。本堂のわきに妻入りの稲荷の本堂が建っている造りは何となく豊川稲荷の伽藍配置を思い出す造りだと思ったりします。
萬福寺と三好稲荷の間は同じ境内ながらこんな感じで石柱が設けられている事から何となく境内は別になっている様な雰囲気を出しています。
三好稲荷
朱塗りの入母屋造瓦葺妻入りの唐破風が設けられた向拝と高覧のある濡れ縁が設けられた三好稲荷の本殿になります。祀られているのは豊川稲荷と同じく仏教系の稲荷神とされる「吒枳尼天」を祀っています。
本殿内は吒枳尼天と書かれた提灯が数多く掲げられていました。
三好稲荷奥之院
三好稲荷と満福寺の本堂の間を奥に歩いていくと、朱塗りの稲荷が何基も並んでいる三好稲荷の奥之院が建っています。
境内裏手の鎮守社他
また、満福寺・三好稲荷の裏手には満福寺の鎮守社が鎮座しており、その奥にはみよし市歴史民俗資料館が建っています。さらには、弘法大師堂と弘法大師八十八ヶ所像、さらには御嶽社が鎮座しています。
萬福寺と弘法大師堂、御嶽神社はどういった関係なのか・・。神仏習合時の浄土宗と御嶽教の融和性ってどれくらいあったのでしょうか。
御朱印
確認はしていませんがどうやら御朱印は頂くことができるようです。
参拝を終えて
三好稲荷の県道側の入口に「愛知県下新十名所」の石柱が据えられているのを発見しました。
この写真からも何となく感じるかと思いますが、三好稲荷は満福寺とは別の境内入口が設けられています。そんな事から境内も何となく分けられている様な雰囲気になっているのかもしれません。
グレーの鉄製のなにやら幟ポールの様なものが写っていますが、大提灯祭において提灯を吊るものみたいですね。
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所在地を地図で確認
寺院名 | 東北山満福寺【三好稲荷】 |
所在地 | 愛知県みよし市三好町蜂ヶ池五番地 |
最寄駅 | 鉄道: バス:名鉄バス「三好バス停」徒歩1分 |
寺院・霊場巡りの際のバイブルに
元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。
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