(旧)三河新四国八十八ヶ所 三河新四国八十八ヶ所 三河海岸大師八十八ヶ所 西尾市

粟嶋山 太山寺(西尾市寺部町) 三河海岸大師十三番札所

2018年9月9日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名 粟嶋山 太山寺
所在地 愛知県西尾市寺部町林添63
御本尊 薬師如来
宗 派 真言宗醍醐派
創 建 霊亀年間(715-717年)
札 所 三河海岸大師 十三番札所
(旧)三河新四国 九番札所
三河新四国 六十七・六十八番札所
御朱印
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参拝日:2018年7月24日
再訪:2019年5月22日

三河新四国霊場札所一覧

沿革・由緒

霊亀年間頃に寺部の山に建立。永正十一年に小笠原摂津守が城の鬼門にあり、堂宇を建立して武運長久の祈願所とした。薬師如来は行基作と伝わらる。三河新四国札所。

「幡豆町誌」より

太山寺南西側には小笠原家が居城していた「幡豆寺部城」があります。当ブログでもこの寺部城は紹介しています。(紹介記事はこちら)この寺部城の鬼門除けとして永正十一年に建立されたのが太山寺になります。

鬼門とは?


陰陽道北東に位置する方向と「表鬼門」南西に位置する方向を「裏鬼門」と称し、、鬼が出入りする方角であるとして、万事に忌むべき方角としています。
鬼門の考えは中国から伝わったとされていますが、様々な考えが融合して日本独自の進化を辿っていると言えます。

城跡の周囲の寺院、神社を調べると由緒に鬼門除けの為に建立と書かれている事が多々あって、では具体的にどこ?って聞かれるとすぐに答えが出てこないのですが、当サイトでも何ヶ所かの鬼門除けの寺院、神社を紹介きています。

三河新四国霊場を巡る

三河海岸大師霊場十二番札所吉谷山 安泰寺」、(旧)三河新四国霊場八番札所中尾山千手院」、三河新四国霊場六十五,六十六番札所性海山妙善寺」を後にそれぞれ、十三番九番六十七,六十八番札所薬王山太山寺」を巡拝します。

ここ太山寺は、三ヶ根山頂に立つ三ヶ根観音の別当寺となっています。こちらの三ヶ根観音は三河観音霊場十九番札所になっています。三ヶ根観音には三ヶ根山スカイラインを通行する必要がある為、別途通行料が必要です。

西尾観光協会の三ヶ根観音紹介HP

参拝記

西尾市幡豆図書館と幡豆公民館とは道を挟んで反対側に位置する「粟嶋山 太山寺」になります。大きな公共機関の近くにある為、非常にアクセスしやすい寺院と言えると思います。

駐車場は境内の中に用意されています。

山門

コンクリート製の石柱門の山門になります。山号、寺号が書かれた寺号標が掲げられています。

山号が"粟嶋山"なんですが、その横に三ヶ根山という山号も載っています。こちらの山号が前述した三ヶ根山山頂にある三河三十三観音十九番札所に指定されている"三ヶ根観音"の山号になるようです。

本堂

入母屋造瓦葺平入の本堂で屋根前面に唐破風が設けられています。本堂前面には濡れ縁が設けられています。
また、火打窓が左右に設けられていて、唐破風と合わせて独特の雰囲気を持つ本堂になっていますね。

火打窓の脇に、三河新四国、六十七番・六十八番札所の案内板が掲げられています。

中央には本尊である"薬師如来像"が奉安されています。この"薬師如来像"は由緒を見ていると、僧行基作と伝えられているそうです。そうなると・・・奈良時代の仏像になりますね。
幡豆観音も行基由来でしたし、三河湾の海岸線沿いを行基は歩いたんだと思います。そういえば弘法大師もこの辺りを歩いて、この辺りから船で知多半島に渡ったと言われています。そうなるとこの海岸線沿いは昔は主要な街道沿いだったのかもしれませんね。

本尊向かって左側には弘法大師像が奉安されています。
三河新四国霊場の大師像なんでしょうか・・・。確か他の札所の記事の中でも書いたはずなのですが、三河新四国霊場の弘法大師像なんですが、札所ごとに容姿が異なっているんですよね。霊場を作る時、弘法大師像を札所になって頂いた寺院に納めていくと聞きましたし、そうなると必然的に大師像の容姿が統一されているはずなんですが・・・。
更に言えば、二体奉安されているはずの大師像が一体しか見受けられず・・・。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

役行者像

境内の隅に、役行者像とお地蔵さんが安置されていました。
ここの役行者像はなんだかふくよかな感じがしまね。

御朱印

参拝を終えて

太山寺の西側を流れる小野ヶ谷川の川沿いであるこの地に"立石"と呼ばれる岩があったそうです。

現地の説明板では、川床から道まで一枚の岩が法面になってそそり立っているので"立岩"と呼ばれるようになったんだとか。

石工が目をつける岩でしたが、だれも砕くことができず、太山寺の薬師如来の威光がかかった岩とされ、仏神三宝詣の身を清める場ともいわれていたそうです。

巨岩信仰の一つの形になるのかな?と思いますが・・・。

仏神三宝詣とは・・・仏教では三宝は「仏・法・僧」の事を指します。この三宝に帰依し、その上で授戒することで正式に仏教徒になれるんだとか。

「ぶっぽうそう」という言葉は聞いたことがある方が多いのでは。自分もあまり意味は気にしていなかったのですが、仏(さとりをひらいた人)・法(その教え)・僧(その教えを受けてさとりをめざす集団)という意味だったそうです。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
やっぱり、"るるぶ"を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名  粟嶋山 太山寺
所在地 愛知県西尾市寺部町林添63
最寄駅 名古屋鉄道 蒲郡線「西幡豆駅」徒歩9分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

次の目的地は?

三河海岸大師を遍路されている方は、十四番札所見仲山 西用院」を目指します。

(旧)三河新四国を遍路されている方は、十番札所見影山 徳林寺」を目指します。

三河新四国霊場を遍路されている方は西尾市街地にある六十九,七十番札所泰涼山 勝山寺」に向かいます。蒲郡・幡豆エリアから西尾・碧南エリアへと移動していく事になります。

 

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