岡崎三十六地蔵 岡崎市 岡崎西国観音

成田山貞寿寺(愛知県岡崎市能見町) 岡崎三十六地蔵十七番札所

2021年5月6日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名成田山貞寿寺
所在地愛知県岡崎市能見町二百三十二番地
御本尊不動明王
宗 派真言宗智山派
創 建延宝八年(1680年)
札 所岡崎西国観音 二十九番札所
岡崎三十六地蔵 十七番札所
御朱印
H P○ / 公式HP

参拝日:2020年11月18日

沿革・由緒

 松本観音の名で知ら「浄誓院/紹介記事」となる堂宇を松應寺の境内に建立した「佐口興左衛門元次」の子である「佐口五郎兵衛信定」が延宝八年(1680年)に庚申堂を建立します。佐口一族は松應寺の檀家だったのか、この庚申堂も松應寺によって管理されていくことになります。庚申堂の傍らには観音堂、地蔵堂、太子堂などが建てられていった様です。
 ただ、(旧)岡崎市史によると、明治維新となり徳川将軍家の庇護を失った松應寺は境内地が縮小せざるを得なくなりこの時に庚申堂は廃堂となったと記されています。この庚申堂の建っている場所に成田山新勝寺より不動明王を迎え成田山教会所を置いたのが貞寿寺の始まりになります。

 寺号となっている「貞寿」はこの地に不動明王を勧請したという「柴田きよ」の法名である「貞寿宝尼」が由来となっています。松應寺の時代は浄土宗でしたが、真言宗智山派に改宗しており、貞寿宝尼は中興開山になります。

 貞寿寺は能見町二百三十二番地に在り。境内八百十七坪六合を有す。下総国成田山新勝寺の末寺である。
 始めこの地に庚申堂あり。こは延宝八年八月四日、佐口五郎兵衛信定の創立にして傍に観音堂・地蔵堂・太子堂等があり、共に松本松應寺の所轄であったが、明治維新後廃堂となった。その頃柴田きよと云へる人あり。深く成田不動尊を進行して、明治十一年四月二十三日、この地に成田山教会所を設置し、同十五年六月十日、名古屋市清水町長栄寺の寺号を移した。長栄寺は新義真言宗智山派名古屋長久寺の末寺にして、開山を快寿と云ひ、萬治三年の創立である。明治十六年十二月十九日、きよの法名を以て貞寿寺と改めた。本尊は初め観世音菩薩の立像であったが今は木造不動明王の坐像である。現今の堂宇は本堂、客殿、庫裏、庚申堂、開山堂、学堂、水屋等があり。毎年節分会は非常に賑にして、遠くは美濃、尾張、遠州方面より参詣者軍をなすを例とする。

昭和四年発刊「(旧)岡崎市史」より

霊場をいく

 岡崎三十六地蔵霊場十六番札所「善入院/紹介記事」の油掛地蔵にしっかりとごま油を掛けて祈願して、次の札所となる十七番「成田山貞寿寺」を目指します。貞寿寺は「能見不動尊」という名で知られている寺院ですね。旧国道248号線の能見町辺りに「能見不動尊前交差点」がありますので、知らず知らずのうちに貞寿寺の前を通り抜けている方が多いのではないでしょうか。

 この記事を書いている時点でスタンプラリーに使うスタンプ台などが設置されているのかは不明ですが、現在でも「おかまいり」の公式サイトが稼働している(H3.4.29現在)ので、まだスタンプラリーは実施されているのかも?。巡ってみたいと思った方は、まだスタンプラリーがやっているかどうかを岡崎市観光協会に問い合わせる事をお勧めします。

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真言宗は紫色のスタンプ!

参拝記

 旧国道248号線(現愛知県道56号線)のT字型の「能見不動尊前交差点」の場所が境内入口となっている貞寿寺になります。車で参拝される場合はこの交差点から境内に入っていく事になります。

 貞寿寺の境内入口部分から交差点を見てみると、思ったより浄誓院への三河新四国霊場札所案内看板が非常に目立っていますね。

地蔵堂

 境内入口に並ぶ地蔵堂の向かって右側が岡崎三十六地蔵十七番札所となっている地蔵堂になります。その前にはスタンプ台が設置されています。というか、スタンプ台が無かったらまさか本堂から離れた境内入口部分に札所があるとは全く思わないと思うので、スルーして探す事になっていた気がします。

 地蔵堂にはしっかりと岡崎三十六地蔵十七番札所と書かれた板が掲げられていました。

本堂

 正面からは撮影する余地がなかったので、少し離れた場所から本堂を望みます。入母屋造銅葺平入の唐破風のある向拝が設けられた本堂になります。

 本堂正面にまわると一間分外壁が内側に入り込んでいて参拝するところが広く設けられてた造りになっています。こういった造りをどのように呼べばいいのかよく解らないのですが、参拝される方が多いであろう寺院でよく見かける気がします。

庚申堂

 入母屋造瓦部妻入りのこの御堂は庚申堂になります。元々貞寿寺が建っている場所は庚申堂が建てらた後に観音堂、地蔵堂、大師堂などが整備されていったという由緒がある事から、現在貞寿寺へと繋がるこの地の寺院の発祥といっても過言ではないかと思います。
 この庚申堂の周囲には「見ざる言わざる聞かざる」の三猿の石像も据えられています。参拝した際にはぜひ探してみて下さい。
 ちなみに、全景を撮影しわすれていましたが右側に見切れている建物には

 歳弘法が祀られています。
 この歳弘法とは、弘法大師の生誕から始まって、入定する六十二歳まで一歳ごとにその年の伝承に基づいた大師像が作られていて、それが一堂に並んでいます。おかまいりの説明によると愛知県6ヶ寺、静岡県1ヶ寺で確認されているだけとか・・・。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
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所在地を地図で確認

寺院名成田山貞寿寺
所在地愛知県岡崎市能見町二百三十二番地
最寄駅名鉄バス「能見町バス停」徒歩4分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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