西方四十八願所

西方四十八願所とは?

天保二年(1831年)、常滑市の正住寺の第二十三世"専阿乗誓"住職によって「阿弥陀仏」を巡拝し「本願」数を札所にする霊場として開創されました。

「四国には弘法大師の八十八ヶ所があり、観音様には西国三十三ヶ所、元祖様(法然上人)には二十五霊場がある。ところが私たちの帰依する阿弥陀仏には霊場が無いのは、どうした事なのか。」と常日頃不思議に思っていた専阿上人の所に、「京の都には新京極の誓願寺を結願所とした"洛陽四十八願所"という阿弥陀仏を霊場巡りがある。」という話を聞き、洛陽四十八願所を巡拝したそうです。

洛陽四十八願所を巡拝し結願された専阿上人は、歩いてニ、三日で廻ることができてしまう霊場では何か月もかけて山を越え谷を渡り巡拝するという霊場のありがたさが伝わりにくいという事を思い、もっと広域な阿弥陀仏霊場をつくる事を決意されました。その後十年ほどの月日が経った天保二年、長野善光寺を一番札所とし四十八番の新京極の誓願寺までの四十八ヶ所の札所を選定して「西方四十八願所」と名付けた霊場を開創します。

西方四十八願所縁起顕志禄より抜粋

本願とは?

浄土宗大辞典によると、本願とは「悟りに至る以前の修行時代(因位)にたてた誓願の意」であるとされています。

「仏が仏になる以前(の修行時代)にたてた誓願」であり、阿弥陀仏がの四十八願「阿弥陀仏が、因位であった法蔵菩薩としての修行中に、世自在王仏により二百一十億の諸仏国土を見せられ、その中からとくに勝れたものを選び取って建てた四八の誓願のこと。」が典型とされています。

常滑市正住院の総門前には、「西方六番札所絲引寺正住院」と彫られた札所案内石柱が建っています。西方四十八願所の札所石柱は正住寺を含め10ヶ所の寺院で確認できるそうです。

札所案内地図

札所一覧

札番 寺名 住所
01 善光寺 長野市元善町491
02 曼陀羅寺 江南市前飛保町寺町202
03 常念寺 一宮市大江1-11-26
04 祐福寺 東郷町春木屋敷3417
05 円福寺 名古屋市熱田区神戸町301
06 正住院 常滑市保示町1-56
07 国府弥陀 津市大門32-19
08 欣浄寺 伊勢市一之木2-6-7
09 萱堂
・円福寺
廃仏毀釈により廃寺
岡崎市岩津町檀ノ上85
10 五劫院
・浄土寺
廃仏毀釈により廃寺
三重県桑名市清水町45
11 仏眼寺 栗東市綣8-4-29
12 聖衆来迎寺 大津市比叡辻2-4-17
13 聖真寺
・長講堂
廃仏毀釈により廃寺
京都市下京区富小路通五条下る本塩竈町
14 浄土院 大津市坂本本町延暦寺内
15 勝林院 京都市左京区大原勝林院町1187
16 鞍馬寺 京都市左京区鞍馬本町1074
17 久保御堂 京都市北区大宮中林町70(西念寺)
18 真正極楽寺 京都市左京区浄土寺真如町82
19 禅林寺 京都市左京区永観堂町48
20 知恩院 京都市東山区林下町400
21 本覚寺 京都市下京区本塩竈町558
22 安養寺 京都市中京区東側町511
23 石像寺 京都市上京区花車町503
24 清涼寺 京都市右京区嵯峨釈迦堂藤ノ木町46
25 花台廟 京都市西京区大原野石作町1323(三鈷寺)
26 光明寺 長岡京市粟生西条内26-1
27 八幡本地堂
・揚谷寺
廃仏毀釈により廃寺
長岡京市浄土谷堂ノ谷2
28 阿弥陀寺 京都府宇治市宇治下居42-9
29 即成院 京都市東山区泉涌寺山内町28
30 浄瑠璃寺 木津川市加茂町西小札場40
31 安養寺 木津川市市坂久保川56
32 超勝寺
・乗願寺
廃仏毀釈により廃寺
京都府長岡京市浄土谷宮ノ谷4
33 五劫院 奈良市北御門町17
34 龍青院
・惣侍院
廃仏毀釈により廃寺
奈良県奈良市雑司町406-1東大寺勧進所阿弥陀堂
35 称名寺 奈良市菖蒲池町7
36 元興寺 奈良市中院町11
37 当麻寺 葛城市當麻1263
38 金峯山寺 吉野郡吉野町大字吉野山2498
39 浄土寺 有田郡有田川町西ケ峯1466
40 得生寺 有田市糸我町中番229
41 総持寺 和歌山市梶取86
42 引接寺
・正法寺
堺市少林寺町東
大阪府堺市堺区少林寺町東4-1-1
43 叡福寺 南河内郡太子町太子2146
44 四天王寺 大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
45 一心寺 大阪市天王寺区逢阪2-8-69
46 来迎寺 守口市佐太中町7-11-17
47 慈光寺 兵庫県高砂市時光寺町12-18
48 誓願寺 京都市中京区桜之町453