蒲郡市

金海山 全保寺(蒲郡市竹谷町) 竹谷松平氏菩提寺

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名:金海山 全保寺
鎮座地:愛知県蒲郡市蒲郡町竹谷町作間三番地
本 尊:釈迦如来
宗 派:曹洞宗
創 建:永正元年(1504年)
H P:-
御朱印:-

沿革・御由緒

この寺は、永正元年二月松平左京亮源守親氏父守家菩提の為造営し龍台院と称す。天正年中全保寺と改称する。

宝飯郡誌より


竹谷松平氏五代目当主"松平清宗"の時、家康の関東移封に追随し、武蔵国八幡山に移封しています。その際、竹谷松平氏の菩提寺である龍台院も武蔵国八幡山に移設されています。残った建物は、全保寺として存続しています。ちなみに、全保とは、竹谷松平氏四代目当主"松平清善"の戒名から取られたんだとか。

参拝記

蒲郡市立塩津中学校の東側に鎮座しているのが今回紹介する全保寺になります。
竹谷松平氏の居城である竹谷城址の北西に位置しています。


竹谷城につきましては、後日訪問記をアップします。アップしたらリンクを追記させて頂きます。


水盤と、詳細は不明な鎮守社になります。

鐘突堂

鐘突堂になります。
石垣や基礎石の感じから、近年補修された感じがします。

本堂

入母屋造平入瓦葺の本堂になります。
残念ながら、本堂は施錠されていて、中を伺う事はできませんでした。

観音堂

本堂脇に鎮座する、子安観音と書かれた扁額が掲げられている観音堂になります。

地蔵堂

山号の彫られた水盤が脇に置かれている地蔵堂になります。
向かって左端には役行者像も安置されていますね。

参拝を終えて

松平宗家三代目(松平信光)の長男である松平守家が興した竹谷松平氏なんですが、長男が宗家を継ぐというのが普通になってきていただろう室町時代に長男が宗家ではなく竹谷を治めることになったのは、何か理由があったんですかね。

一説には、竹谷が面している海は犬飼湊と言われる、三河湾で有数の港を有しており、この湊を通じて三河湾の海運を握る為だと言われていますが・・・。

ちなみに、徳川家康がまだ"竹千代"と呼ばれていた時、今川氏に人質に送られる時に、この犬飼湊から航路で駿府に向かったそうです。しかし、護衛についていた戸田康光は三河湾の西に進み"竹千代"を織田氏に送り届けます。一説には千貫文とも百貫文ともいわれる金額で売り渡したとも、織田家を通じて今川家から離反したとも言われています。

結局、この事件によって、戸田康光は今川義元に居城だった田原城を攻め落とされ、嫡男である"戸田尭光"ともども討死して田原戸田氏は滅亡しています。結果論ですが、戸田氏としては非常にリスクの高い行動になってしまっていますね。

 

 

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