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松重閘門(名古屋市中川区)

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

POINT

昭和初期に掘削された中川運河と堀川を結ぶために建設されたのが松重閘門になります。水位が異なった中川運河と堀川と結ぶ為には水位を調節する必要があり、それが松重閘門な訳です。

施設紹介

施設名松重閘門
所在地愛知県名古屋市中川区地内(GoogleMap

沿革

 江戸時代に名古屋城築城とほぼ同時期に造られた「堀川」と昭和七年に笹島貨物駅と名古屋港を結ぶために造られた「中川運河」という名古屋市野南部をほぼ並行して流れる二本の運河はそれぞれ水位が異なっていた為、単純に運河を結ぶわけにはいかず、船を行き来させる為には水位を調整する門が必要となり、中川運河と同時に二本の運河を結ぶ松重閘門(まつしげこうもん)を建設しています。この松重閘門を使って、堀川と中川運河を船が行き来していたようです。

 ただご存知の通り、物流の主役が船からトラックに移行した事もあり、運河を使う船が減り、昭和四十三年に閉門となってしまいます。その後、取り壊しが行われる予定でしたが、地元住民の方達の保存運動もあり、名古屋市によって維持保存され、現在では周辺を含めて公園化されています。

  • 昭和五年(1930年):建設開始
  • 昭和七年(1932年):運用開始
  • 昭和四十三年(1968年):閉門
  • 昭和五十一年(1976年):公用廃止

文化財

市指定昭和六十一年(1986年):名古屋市指定有形文化財
平成五年(1993年):都市景観重要建築物

施設概要

URLhttps://www.city.nagoya.jp/nakagawa/page/0000001751.html
駐車場
訪問日2022年4月27日

訪問記

 前回紹介した「神明社/紹介記事」から北上していくと中川運河の支流部分に突き当たります。その場所から東を望むと、非常に特徴的な二本の尖塔が見えます。これが今回紹介する中川閘門になります。

 松重閘門は幅9.1m、全長90.9mの閘門であり、堀川と中川運河側にそれぞれ一対の尖塔が設けられていて塔の間にある鉄扉を上下する事で閘門を開け閉めする構造になっています、現在、二対四本の尖塔は現存していますが、閘門内部は埋め戻しが行われていて閘門の雰囲気を感じる事は出来ません。さらにこの閘門だった部分に県道107号線と名古屋高速環状線の高架が横切っており、より一層閘門全体の様子を感じ取るのが難しくなっています。

 この一対となっている尖塔こそが中川閘門の象徴なんだと思います。塔の間に架けられている部分は閘門の鉄の扉を上げ下げさせる為の昇降機になっているようです。

 表側?裏側?から尖塔を見てみます。両面とも同じデザインとなっているのがよくわかりますね。中川運河側から着た船がこの尖塔の間に設置された鉄扉を潜り閘門の中に入ると鉄門が閉められて、閘門内の水位が堀川と同じ高さにポンプ使って調節され、水位が揃うと堀川側の鉄扉が開けられて船は堀川に入る事ができるという構造の様です。以下に系統の違う運河や河川を繋げるのが難しいかというのがこの閘門を見るとよくわかりますね。

 先ほども述べていますが閘門部分時代は既に埋め戻されており、元々は鉄扉だったはずなのですがコンクリートの土留めが扉があった場所に設けられています。

 尖塔の隣には、閘門内の水位を調節していたポンプ場が残っています。建物を見るとかなり大型なポンプが設置されていたのかかなり大きな建物になっているのが特徴的です。

地図で所在地を確認

施設名松重閘門(まつしげこうもん)
所在地愛知県名古屋市中川区内(GoogleMap
最寄駅鉄道:名古屋鉄道・名古屋本線「山王駅」徒歩7分
バス:名古屋市営バス「山王橋バス停」徒歩4分

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