豊明市

鹿島社(愛知県豊明市沓掛町)延喜式内社論社

2022年4月7日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

ONE POINT

 豊明市沓掛町に鎮座する鹿島社の紹介です。一説には延喜式神名帳に記載されている山田郡川島神社であるとされる式内社論社になります。

神社情報

神社名鹿島社
鎮座地愛知県豊明市沓掛町森浦三〇番地(Googlemap
例大祭十月十日
創 建不詳
御祭神建御雷神
旧社格指定村社
神名帳延喜式神名帳:尾張国山田郡 川島神社

境内社

境内社詳細不祥の社七社あり

文化財

国 宝
国指定
県指定
市指定
町指定
村指定

参拝情報

御朱印
URL
駐車場
参拝日2022年3月9日

御由緒

 創建は不詳となります、一説には延喜式神名帳に記載されている「山田郡川島神社」なのではないかと伝えられている神社となり、平安時代に創建された古社である可能性があります。

山田郡とは?

 あまり聞きなれない「山田郡」なんですが、室町時代の戦国期以前まで存在していた「郡」で、その範囲は愛知郡と春日井郡に挟まれるような形で存在していた様なのですが、なにせ今の様な地図が存在していない時代だったり、そもそも山田郡がどの範囲なのか書かれた書物にもその広さがまちまちだったりとなかなか謎めいた郡になります。

 それでも、おおよその範囲としては、北は庄内川以南、東は美濃国と三河国との国境、そして三河国との国境である境川まで・・・問題は南側・・・愛知郡との境がどこだったのか?という問題はあるにせよ、現在の瀬戸市・尾張旭市・長久手市・日進市・名古屋市守山区・名東区は全域山田郡の郡域だったようです。

 ここで問題なのは、豊明市が山田郡の郡域に入るか否かという点になります。この愛知郡の郡境につういて先にも述べましたが色々説があるようです。山田郡に「両村」という地名があり、この両村を豊明市にある二村山周辺であるとするか否かで豊明周辺は山田郡に属していたのか、はたまた愛知郡だったのか意見が分かれる所の様です。

 鹿島社が鎮座している場所は、「宿」と呼ばれる地域であり、京と東国を結ぶ鎌倉街道に設けられた宿場であったといいます。(二村山周辺に鎌倉街道の遺構が残っています。)

鎮座の地は古来から鎌倉街道二村の駅一帯の産土神で地方に有名な古社である。「和名類聚抄・国史考」に「延喜式神名帳」の山田郡川島神社ではないかと説明有り。境内の東は県道あり。拝殿前は広く数百年を経た松・檜の大樹繁茂したが、昭和三十四年九月二十六日伊勢湾台風により大半を失う。明治十一年一月字寺池の秋葉f社・山神社・大神社並びに字源藤秋葉社を境内社として移転。

愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」

御祭神

 鹿島社の拝殿に掲げられている由緒書きによると、鹿島社は元々社号を「川島神社」と号し、御祭神を「水ノ神」を祀る神社であったとしています。しかし、現在の御祭神は、その社名からも想像できるように

  • 建御雷命

としており、茨木県に鎮座する「鹿島神宮」の御祭神と同じとなっています。

 御祭神についても拝殿に掲げられた由緒書きに書かれており、要約すると「いつ建御雷命を勧請したのかは不明だが、おなじ沓掛の本郷村には「建御名方命」を御祭神とする諏訪神社が鎮座しており、これに対抗する為に古事記の国譲りの中で登場する「建雷御命」を勧請しこちらのが強いと対抗した。」と伝えています。

・・・そんな理由で鹿島神宮より「建雷御命」を勧請って・・・現代の感覚ではありえないですが、当時の集落間の関係だとこういった事も珍しい事じゃなかった可能性もありますね。

御朱印帳の保管に

 数年前より非常に集める方が増えた「御朱印」ですが、皆様は御朱印帳はどうやって保管していますか?神社・仏閣を廻って御朱印を受けているとあっという間に御朱印帳の冊数が増えていきますが、そのまま棚などに置いている方が多いのでは?。せっかくお受けした御朱印ですので、日本では古くから着物を始めとして大切なものを保管する為に使われていた「桐箱」に入れて保管した方がよろしいかと思います。

 ぜひ、皆様も桐箱に御朱印帳を補完されてみたらいかがですか?

参拝記

 国道23号線豊明ICから名鉄、国道1号線をオーバーパスして豊明市街を抜け東郷・日進・長久手を経由して瀬戸市に抜けていく県道57号線から豊明市消防本部の所にある「豊明消防署東交差点」を豊明市街から向かうと左折して最初の交差点の所に鎮座している神社が鹿島社になります。ただ、鹿島社の境内入口はこの市道から一本奥の旧道に面しているので車で向かう場合は注意が必要です。

境内入口

 鹿島社の境内入口は間口が非常に広くとられていて開放的な印象を受けます。写真には写っていませんが社号標と石灯籠一対、石鳥居が据えれれている境内入口になります。

社号標

 旧社格の「村社」部分が綺麗に埋められた鹿島社の社号標になります。現在愛知県神社庁での登録は「鹿島社」となっているのですが、こちらの社号標は「鹿島神社」となっています。

手水舎・水盤

 鹿島社は露天の水盤が据えられています。ただほかの神社でまず見かけない施設が据えられていました。それが水盤の隣に設けられたステンレス製の手ぬぐい掛けになります。この手ぬぐいを使用される方がどれだけ見るかは不明ですが、この手ぬぐい掛けは初めて見ましたね。

祓所

 基壇が組まれた祓所になります。この横には、小さな手水舎が設けられています。この手水舎は祓所用ではなく、脇に設けらえた境内入口様に設置された物の様です。

社殿配置

 鹿島社の社殿は石段を登った先の一段高い場所に鎮座しており、扁額のある二の鳥居を潜った先に鎮座しています。

蝋燭台

 現在の神社ではまず蝋燭を使用する事はなくなっており、自分の拠点である岡崎市周辺ではまずこの蝋燭台を見かける事は0(ゼロ)とは言いませんが、その確率はかなり低くなっています。しかし、尾張国にはいると状況は一変して、この蝋燭台が据えられている神社が非常に多くなります。
 そんな尾張地方の神社を参拝した際にはこの蝋燭台にも注目していこうと思います。

狛犬

 かなり大柄な子乗り玉乗りの狛犬一対になります。全体的な印象は昭和期の狛犬の造形かと思われます。

社殿

 神明造を模した造形の拝殿と、神明造の本殿の社殿になります。

 尾張国の神社の社殿といえば尾張造なんですが、ここ鹿島社の社殿は一般的?な社殿となっています。

境内社

 境内の一角に境内社が綺麗に並んで鎮座している場所があります。全部で七社の社が鎮座しているのですが、どんな神社なのか情報がなく、唯一わかっているのは神社名鑑に「明治十一年一月字寺池の秋葉社・山神社・大神社並びに字源藤秋葉社を境内社として移転」と書かれているので、秋葉社二社、山神社。大神社が鎮座しているんだろうということくらいですか。

鎮座地を神社で確認

神社名 鹿島社
鎮座地愛知県豊明市沓掛町森浦三〇番地(Googlemap
最寄駅電車:
バス:豊明市コミュニティーバス「宿バス停」徒歩3分

ご自宅にお札は祀られていますか?

実家には神棚はあっても、今お住いの所には神棚がない方も多いかと思います。神棚には、日本の氏神である"天照大御神"とご自身がお住いの氏神様のお札を掲げると御神徳が宿るとされています。
賃貸住宅などに住まわれて簡単に神棚を掲げられないという方もお勧めなのが、

南向き、もしくは東向きになる様に、そして目線の高さより上になる様に、棚などの上において頂くとよいかと思います。是非、皆様もご自宅に神棚をご用意いただき、御札を納めてほしいなと思います。

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