天下峯(愛知県豊田市坂上町) 松平親氏祈願場所

天下峯とは?

 松平郷周辺にひろがる巨石信仰の最たる場所だろうと勝手に思っている場所がここ「天下峯」になります。山の稜線をみてると、天下峯と呼ばれる場所にだけその特異的な巨石が立ち並ぶ姿は、まさに信仰対象の山となっていてもなんら不思議ではないなと思わせるものを感じさせてくれます。

 松平親氏も自分と同じ神秘性をこの天下峯に感じ、この天下峯の岩上にて天下泰平を祈願したという伝承が残っている場所になります。この天下峯の麓には、親氏が岩上での祈願に際し自ら仁王像を刻み山門に安置したという安全寺があります。

 當山ヨリ北ノ方一里程ニ天下峯ト申ス高山アリ、則チ公仰セニ、此ノ處ハ六所明神の霊告ニ、予ガ子孫一天下ヲ領スベキ開運前兆の嘉名ナリトテ、寛立上人ニ命セラレ、僧宝中有縁ノ観音ノ像ヲ彫尅セシメ安置シ、尚又公自ラ二王尊ノ像ヲ彫尅在セラレ安置シテ、天下安全ノ為ニトテ一寺ヲ造営アリテ、天下山安全寺仁王院ト名ケ給ヒテ、當寺の末寺ニ附シ玉ヘリ

「三河國徳川家大祖親氏公弐代泰親公御菩提所根本松平高月院由緒」より

 天下峯の伝承に「六所明神」が登場してきます。松平郷に伝わる伝承から考えると、「塩竈六所明神」となるんだろうと想像する訳ですが、そうすると、なにやら古六所神社の由緒となにやら似た感じがしてきます。こちらは浄土宗高月院が関わる伝承で、古六所神社は曹洞宗妙昌寺が関わる伝承であることを考えると、何やら両寺院の思惑があるのでは?と勘繰りたくなってきます。

 その後、ここ天下峯に四国霊場の写し霊場が設けられ、いつしか「弘法山」とも呼ばれるようになっていきます。現在でも天下峯の中腹部分を中心に八十八ヶ所の写し札所が置かれています。天下峯に登山した時は、せっかく来たんですから八十八ヶ所の札所を遍路されてみても面白いかと思います。

訪問記

 天下峯にはどうやっていけばいいのか?この疑問を解消すべくGoogle先生に尋ねてみると、提案してくれた答えの大半は「王滝渓谷」の駐車場から徒歩で向かうトレッキングルートでした。往復で大体3時間ほどの行程のようです。・・・・登山・トレッキング経験0の自分が決断した選択は”却下”。もう一つ出てきた答えが、天下峯の麓に松平親氏が建立した「安全寺」の門前から天下峯に向かうルートでした。バイクを止める場所があるのかが問題ですが、それさえクリアできれば十分選択の余地があるルートです。
 もっと楽なルートはないのかと調べていると、フリークライミングをされる方達は天下峯中腹にある駐車場を利用しているという情報を偶然見つけました。その駐車場から簡単に弘法堂にアクセスできるようで、新四国霊場の遍路を行いながら天下峯山頂を目指せる様で、真っ直ぐ山頂に向えば10分程で到着できるという、自分にはうってつけなルートの様です。

 六所神社上宮への参拝に続き、この日は二度目の登山ルート大幅ショートカットでの山頂到達となります。少し迷いながらもなんとか中腹にある駐車場を見つけたんですが、この日はフリークライミングされている人たちはいないみたいで、駐車している車は皆無でした。山頂で写真を撮影しつつ、コーヒーを飲んでいると、何組かの登山パーティーがやってきたのですが、やはり王滝渓谷の駐車場から歩いてきた方々のようで、明かに自分だけ登山するいでだちではなく、なんか違和感を感じざるを得ませんでしたね・・・。

 この御堂が天下峯に設けられた新四国八十八ヶ所霊場の本堂といえる弘法堂になります。まずはこの弘法堂にて納経して非常に短い登山になりますが安全を祈願していく事にします。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

天下峯新四国八十八ヶ所霊場

 天下峯の中腹に点在する巨石部分を使用した札所や岩を使って作った鞘堂など見どころの覆いお遍路を堪能する事ができます。山にあるという事で上り下りがきつそうに感じますが、自分が回った感じではだれでも楽に結願する事ができると思います。

 御遍路をしている途中で山頂に向かう道と分岐するので、御遍路を中断して山頂に向かってみる事にします。六所山よりは標高が低いっぽいですが、それでも素晴らし眺望を楽しむことができます。遠くにJR名古屋駅周辺のビル群もはっきりと見る事も出来ます。この眺望を見ながら親氏は天下泰平の祈願を行ったという伝承がある訳です。

 六所山方面を望みます。山の上に小さくて醜いですが鉄塔が建っている辺りが六所山になります。山頂に「六所神社上宮/紹介記事」、写真中央の開けている場所あたりに「六所神社下宮/紹介記事」が鎮座しています。

 立っている岩から下を見ると・・・・。写真だとその恐怖感は伝わりにくいかと思いますが、中々の迫力を感じる事ができます。こんな巨石をみていると

 フリークライミングで使うであろう金具が撃ち込まれていました。この立っている鉄柱に安全帯を繋げるロープを引っ掛けてたらすのでしょうか?実際に上っている所を見てみた気もします。

 写真では見にくいですが、岩の中間に金具が撃ち込まれています。やはりここをロープ一本を頼りによじ登っていくみたいですね。動画ではなく実際に上っている所やっぱり見てみたいですね。

 ここからは、八十八番札所に向けて山を下っていく感じで、最初に紹介した弘法堂に向けて進んでいく事になります。帰りは体力的に楽ですが、岩や落ち葉は非常に滑りやすいので注意深くゆっくり降りていく必要があるっぽいです。

 途中、こうした巨岩の重なったできた隙間や、岩の割れ目なんかを進んでいく事になります。こうした風景は日常ではまず見る事や触れる事がないので是非一度足を運んでみてほしいなと思います。
 こういた巨岩を信仰する文化も発生するのも納得できてしまうかも?

 天下峯自体には、松平親氏の痕跡を確認する事はできなかったのですが、山頂から見た景色や、天下峯部分だけ巨岩がむき出しになっているなど、その神秘性などに惹かれて親氏もここに立ったのかもしれませんね。昔は空気がもっと澄んでいたわけですから、今より遠くまで見通せたんでしょうね。

地図で所在地を確認

史跡名天下峯
所在地愛知県豊田市坂上町天下峯地内
最寄駅松平ともえ号「仁王バス停」徒歩15分

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