高松山養寿院(西尾市東幡豆町) 三河海岸大師 八番札所

寺院情報

寺院名高松山養寿院山口寺
所在地愛知県西尾市東幡豆町下谷二十三番地
御本尊阿弥陀如来
宗 派浄土宗西山深草派
創 建天正年間(1573-93年)
札 所三河海岸大師 八番札所
御朱印
H P

参拝日:2018年7月9日

札所の案内

前札所霊場名次札所
七番:鹿川山圓蔵院三河海岸大師九番:性海山妙善寺

沿革・由緒

 天正年間に山口村を開いた覚誉上人によってえ創立されたと伝えられている。創建当初は天台宗であったが、後に法空玄了沙門が浄土宗に改めた。

はずの民話

 西尾市の旧幡豆町地区には各地に伝わる民話をまとめて「はずの民話」としてその言い伝えが伝わる場所にサイン板を設置していました。今回紹介している養寿院の境内にもこの「はずの民話」のサイン板が設置され、養寿院にまつわる民話を現在に伝えています。

弁天さまの白いへび

弁天さまの白いへび

 山口の養寿院(ようじゅいん)の裏に小さな池があって、そのそばに、弁天さまがお祭りしてありました。一本のだもの木が、その弁天さまの社にかさをさしかけたように、枝を四方に広げてそびえていました。いつのころからか、村人の間で、この木には一ぴきの白いへびが住んでいるとうわさするようになりました。
 「白いへびは弁天さまのつかいひめじゃ。」と言って…。
 ところが、この村に一人だけ、このだもの木を大変めいわくがっている者がいました。百姓の半助です。
 半助の畑は、この木のために、一日中、日が当たらず、何を作ってもよくできません。「全く、いやになっちゃうな。こんな小せい大根ばっかりじゃ。にてもまずいし、つけてもかてえし…。」ぶつくさ言いながら、半助はいまいましそうにしげった木の枝を見上げて、ため息をつくのでした。(あの木にゃ、弁天さまの白いへびがいるそうだで、切るわけにもいくめえ。)半助は、やせた大根をぶらさげて、とぼとぼと家へ帰りました。
 しかし、どうしてもあのだもの木がしゃくにさわります。
「あの木に白いへびがおるなんて、うそだべ。おらあ、毎日畑へ行っとるが、まんだいっぺんも見たことねえや。」そうつぶやきながら、とうとう、自分の分のいいように考え始めました。そして、しばらくたったある日、半助はかまとのこぎりを持って出かけました。
 「ほんのちょっと、切らせてもらいますぜ。」
半助は木に登ると、畑の上につき出している枝を切り始めました。(へへっ。なんともねえじゃねえか。)調子にのって一本、また一本と切り落としました。ちょうど五本日の大きな枝に取りかかったときです。
 (おかしいぞ。体がぶるぶるふるえて、手に力が入らねえ。)
 「あっ、だれかきてくれ。助けてくれ!」
 大声で人を呼んだつもりでしたが、声はちっとも出ませんでした。
 「うっ、う、うー。」と、うなると、半助は木からまっさかさまにドスーンと落ちて、気を失ってしまいました。
 (何の音じゃ。へんな音がしたが…。)
 となりの畑で仕事をしていたか太郎作(たろさく)がかけつけました。
 「半助どん、どうした。しっかりせい。」
太郎作が体をゆすっても返事がありません。見てもけがはないようです。
 「水でもぶっかけりゃ、気がつくべえ。」
 どっこいしょと立ち上がり、水をくみに行こうとして、ふと上を見ました。
 「だ、だれか来てくれ!」
 まっ青になった太郎作は夢中でさけびました。そのはずです。だもの木の切り口からまっ赤な血が落ちていたのです。太郎作は、おそろしさでこしがぬけ、はうようにしてにげ帰りました。
 やがて、半助は正気を取りもどしましたが、その後、たましいをぬかれたように、つぶやいていたということです。
 「白いへび。弁天さまの白いへび。木から血がぽたり、ぽたり。白いへびがすうっと天へのぼった。」
 だもの木はいつしかかれてなくなり、弁天さまもよそへ移されました。

朱面天神

 山口に養寿院というお寺があります。
むかし、そのお寺のおしょうさんは、村の子どもたちを集めて、読み書きを教えておりました。
「さあ、手習いを始めようかのう。」
おしょうさんがやさしく言います。すると、
「おもしろい話の方がいい。」
子どもたちは、こうやり返すわんぱくばかりです。いたずらをすると、おしょうさんは口ぐせのようにいいました。
「これこれ、悪いことをすると、かけじくの天神さまが見てござるぞ。この天神さまは、字の神さまじゃ。みんな拝むといい。」
そこには天神さまのかけじくがかかっていました。それは以前、この寺にとまって絵をかいていた法眼(ほうげん)さんからいただいた大切なかけじくです。
さて、お寺に通ってくる子どもたちの中に、正吉という子がいました。素直で心のやさしい子でしたが、熱心に読み書きの練習をするのに、どうしたわけか、少しも字が覚えられないのです。
「正吉はがんばっとるのに、どだい字が書けんし、かんじょうもようできやせん。」
おしょうさんも大変心配していました。
母親の心配は、それよりいっそう大きく、時々、正吉の様子を寺へ見にくるほどでした。
「あの子は小さい時、重い病気をしたからのう。それでも、人並みにはさせたい。」
ある日、そう思いながら、見るともなしに正面の天神さまのかけじくに目をやりました。よく見ると、ほんとうにおだやかな顔で、しんけんにお願いすれば、どんな願いもかなえてくださるように見えました。
それから毎日、だんごを作ればだんごを、おはぎを作ればおはぎをお供えして、お参りしました。
ある時、ふと、お神酒のないことに気がついて、お供えものといっしょにお酒もお供えしました。
「天神さま、どうぞおめし上がりくだされ。そうして、正吉が人並みに読み書きができるように・・・・・。」
母親は、そんな願いをこめて手を合わせ、ふと顔を上げて天神さまを見ました。
「あれ!」
母親は本当にびっくりしました。それもそのはず、天神さまの顔がほんのり赤くなっています。
「おしょうさん。ちょっと、ちょっと。」
おしょうさんもかけじくの前にすわり、つくづくながめました。
「これは、信心深いおまえさんと、親思いの正吉を思って、天神さまがお供え物をめし上がったのさ。きっと願いはかなうぞな。」
おしょうさんは正吉をはげまして、熱心に字を教えました。
母親も前にもまして、酒を供えては手を合わせ、ほんのり赤くなった天神さまを見ては、一心にお願いしました。
それからしばらくして、正吉が今まで覚えられなかった字を一字、また一字と、しだいに早く覚えられるようになりました。
そればかりか、人一倍じょうずな字が書けるようにもなりました。
「正吉、おまえ、すげえなあ。」
他の子どもたちもびっくりして、まぶしそうな目で正吉を見ました。
正吉の両親はなみだを流さんばかりに喜び、お礼参りもずっと続けました。
 それから、村の人々は、天神さまがお供えのお酒をめし上がり、ほんのり赤くなられると、その願いがかなうと言い伝えました。そして、天神さまを、「朱面天神」と呼ぶようになりました。

 

参拝記

国道247号線の須田交差点から北側に入った場所に鎮座しているのが今回紹介する養寿院になります。旧幡豆町の行政区域では山口組と呼ばれる場所になります。

養寿院の境内から南方を望みます。
先に見える山部は「愛知こどもの国」になり、山の向こうには以前紹介した「真相院」が鎮座しています。

切妻平入の本堂になります。本堂と庫裏が繋がっている様式になっています。

この養寿院は非常に開放的で雰囲気で、入口には、三河海岸大師の石碑しかなく、境内も写真の通りさっぱりしています。

この養寿院の見どころは境内ではなく、その向かいにあるんですが・・・

市町村合併で西尾市の指定文化財になっている”梅田文左衛門の納経帳”が収められていた廻国塔と役行者像が安置されている御堂になります。

梅田門左衛門の納経帳ー西尾市役所

右の台座上に安置されている像が廻国塔らしく、台座部分に六十六部廻国巡礼の500件以上の札所の納経(朱印)が収められているんだとか。
役行者像には化粧装飾されている様ですね。ここには、鬼象も付随しています。


この四国西国、秩父坂東供養塔とか何でしょうね。さらに、奉納と彫られている所を見ると、養寿院に奉納された物なんでしょうか。

本堂部分に掲げられた額になります。

 ここ養寿院の本堂には、庚申像と民話ででてくる天神様が奉安されているそうなのですが、残念ながら本堂の戸は閉じられていて中を確認する事は出来ませんでした。さらに、三河海岸大師の札所本尊となる弘法大師像も奉安されていると思います。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
やっぱり、”るるぶ”を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名高松山養寿院山口寺
所在地愛知県西尾市東幡豆町下谷二十三番地
最寄駅名古屋鉄道蒲郡線「東幡豆駅」徒歩19分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある”村の鎮守の神様”と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな”知多四国霊場”を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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