神社紹介
神社名 | 神明社 |
鎮座地 | 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字平蔵脇九十五番地 |
御祭神 | 天照大御神 |
旧社格 | 無格社 |
創 建 | 不詳 |
神名帳 | ー |
境内社 | ー |
例祭日 | 四月十七日 |
御朱印 | ー |
H P | ー |
参拝日:2021年1月15日
御由緒
坂崎集落の西端に鎮座する神社が神明社になります。
由緒などは不詳となっており、その神社の歴史を知る事は出来ませんが、この地にあったという「坂崎城」の鎮守社としての側面もあったのではないかと想像しています。坂崎城主「天野氏」が歴代神職だった伝えられているあたりも、守護神として奉斎されていた説を後押している感じがします。
坂崎城が廃城となった後は、坂崎の城地区の産土神として祀られてきた神社になります。
創建は明らかでない。明治五年十月十二日据置公許となる。同二十一年火災により社殿焼失したが年内に復旧した。三河三奉行の一人「天野三郎兵衛康景」はこの地の生まれで祖先は累代神主をつとめた。昭和四十年拝殿再建。
愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」より
歴史探訪
神明社の境内地は三河三奉行に任ぜられたと言われる「天野康景」の居城「坂崎城」跡になると伝えられています。
天野氏は遠江国発祥と言われ、天野氏宗家筋は秋葉城、犬居城を居城としていましたが、桶狭間の戦いの後、急激に今川家の勢力が衰え、武田信玄、徳川家康などの遠江を巡る戦いに巻き込まれる形になり、武田氏に与する事にしますが、織田・徳川連合軍に武田氏が滅ぼされると、北条氏などを頼るが、その後は一族は離散してしまったとされます。
三河天野氏はいつ頃から坂崎の地に居していたのかは不明ですが、康景の祖父「天野遠房」が松平清康に仕え、父「天野景隆」が広忠、家康に仕えています。天野康景は家康が人質として駿府に送られる時に付き添った小姓の一人になります。
竹千代が駿府に向かう際、遂行した家臣名については諸説あって特定は難しいのですが、改正三河風土記を読むと「・・・駿府に趣き給ふ。この御供には天野三之助、平岩七之助、阿部善九郎、酒井与四郎、高力与左衛門、阿部新十郎、内容与三兵衛、榊原平七郎、渥美太郎兵衛、植村新六郎従い奉る。・・・」とあります。この随行した武将については諸説あります。確か、徳川四天王の一人「酒井忠次」や家康の宿老で秀吉の下に出奔した「石川数正」も駿府に随行しているはずなのに、名前が載ってないですね・・・。
そして、家康の勢力が大きくなり、浜松城そして駿府城へと居城を移していく中、天野康景も坂崎の地を離れ浜松城下、駿府城下へと居館を移したと考えれ、この頃坂崎城は廃城となったと思います。現在でもこの辺りに城があったんだなと思わせる地名が残っており、神明社の北東側の地名は「大字坂崎字城」となっています。
坂崎城情報
城名 | 坂崎城 |
所在地 | 愛知県額田郡幸田町坂崎字平蔵脇九十五番地 |
築城年 | 不明 |
築城主 | 天野遠房か? |
城形式 | 居館 |
遺構 | 土塁? |
規模 | 不明 |
備考 | 現在、神明社境内 |
参拝記
県道483号線(旧国道248号線)の坂崎駐在所がある辺りから西側に向かう路地を進むと、神明社が鎮座しています。神明社の西側、南側には田園が広がっていて、高台の隅に神社が鎮座している事がわかると思います。こういった立地を見ていると、確かに城館を築くには適した場所だなと思う訳です。今では田園が広がっていますが、戦国時代などは菱池からこの辺りまでもっと深い沼みたいな場所が広がっていたはずなので、天然の堀に後方を守られた居館だったんだろうと想像します。
境内入口
神明鳥居が据えられている境内入口になります。
手水舎・水盤
井戸と水盤が設けられている木造瓦葺四本柱タイプの手水舎になります。耐震性を高める為に、鉄製の筋交いと支え柱が設けられています。
この井戸はまだ現役なのかな・・・鶴瓶が設置されていて、ロープに繋がれたバケツがあります。残念ながら現役なのか確認しておりません。
狛犬
昭和八年生まれの子乗り玉乗りの狛犬一対になります。昭和初期生まれの狛犬ですね。
社殿
切妻造瓦葺平入の拝殿を有する社殿になります。ここの拝殿は側面に戸がなく前面のみ開放できる様式になっています。
天野康景邸跡之碑
神明社の境内には「天野康景邸址」の碑が据えられています。この碑からも分かる様に、坂崎城は城というより居館としての性質が強かったんじゃないでしょうか。
碑の周囲には、館跡から出土された宝篋印塔や五輪塔が据えられており、その脇には天野康景邸の説明板が設置されていました。以前は無かった天野康景の資料も展示されています。この辺りは地元の氏子さんたちのご尽力でしょうか。
地図で鎮座地を確認
神社名 | 神明社 |
鎮座地 | 愛知県額田郡幸田町大字坂崎字平蔵脇九十五番地 |
最寄駅 | JR東海 東海道本線「相見駅」徒歩14分 |
ご自宅にお札は祀られていますか?
実家には神棚はあっても、今お住いの所には神棚がない方も多いかと思います。神棚には、日本の氏神である"天照大御神"とご自身がお住いの氏神様のお札を掲げると御神徳が宿るとされています。
賃貸住宅などに住まわれて簡単に神棚を掲げられないという方もお勧めなのが、
南向き、もしくは東向きになる様に、そして目線の高さより上になる様に、棚などの上において頂くとよいかと思います。是非、皆様もご自宅に神棚をご用意いただき、御札を納めてほしいなと思います。