大府市 知多四国八十八ヶ所

万年山常福寺(大府市半月町) 知多四国霊場 六番札所

2018年11月12日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院紹介

寺院情報

寺院名万年山常福寺
所在地愛知県大府市半月町三丁目百五十一(GoogleMap
創 建建久年間(1190-99年)
宗 派曹洞宗
御本尊千手観世音菩薩

霊場

霊 場知多四国霊場 六番札所
知多西国観音 二十八番札所
知多百観音霊場 九番札所
愛知梅花観音 九番札所

知多四国霊場

 日本三大新四国霊場の一つに数えられる愛知県の知多半島全域を霊場とする八十八ヶ所の札所を遍路する弘法大師霊場になります。

 当サイトの知多新四国霊場の紹介ページは「こちら」から

こちらを参照
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知多四国霊場

霊場情報 霊場名知多四国霊場開創年文化六年(1809年)札所数番所:88 番外:7 開山所:3 (合計:98) 霊場域名古屋市、豊明市、大府市、東浦町、半田市、阿久比町、武豊町、美浜町、南知多町、常滑 ...

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【参考】知多四国霊場 公式HPは「こちら」から

Topics

令和五年(2023年)は「弘法大師生誕千二百五十年記念」という事で知多四国霊場では令和五年一月一日~令和六年六月三十日までの期間において記念宝印を授与して頂けるようです。

 また、記念の納経帳も併せて発刊されるようです。

 是非、この期間に遍路されてみては如何でしょうか?

文化財

国 宝
国指定
県指定
市指定

参拝情報

御朱印
URL
駐車場
参拝日2018年4月25日

由緒・沿革

 寺伝によると、建久年中(1190-99年)、源平合戦において敗れた平家側の武将「平景清」がこの地に流れ着き自らが観音像を刻み草庵を結んだのが常福寺の開創であるという。

平景清とは?

 平家の有力家人である藤原忠清の子。平家の都落ちに従った事から「平景清」とも呼ばれている。

 平家が滅んだとする壇ノ浦の戦いにおいても景清は平家側で参戦していたようですが、平家が破れた後、源氏側に捕らえられ、2022年の大河ドラマ「源鎌倉殿の十三人」でも登場する「八田知家」に預けられるがそこで絶食して果てたと伝えられています。

 しかし、実在はすれど謎多き人物であったことから、「平家の落人」として全国各地に伝説が残されていたりします。正確な数は不明ですが全国三十ヶ所近い場所で「景清伝説」が残っています。

 ちなみに、ナムコによって開発発売された「源平討魔伝」の主人公が源頼朝を倒すべく黄泉の国からよみがえった平景清であることで有名ですね。

源平討魔伝のプロモーションビデオがあったので貼り付けておきます。

この常福寺のすぐ隣には生目八幡宮が鎮座しており、その境内が平景清の墓所だと伝えられています。更に、常福寺から西に200mほどの所に景清神社が鎮座しており、ここは元々景清が住んでいた屋敷跡だと言われています。この神社には、屋敷跡だった名残の"芹沢井戸"が残っています。この芹沢井戸から湧出る霊水は御神水として、眼病に不思議の霊験者有りて遠近より平癒祈願する信者多くありてその名が有名です。
平景清は晩年目を悪くし、この芹沢井戸の湧き水で目を洗ったら目が治った。と言い伝えられており、景清神社は目の神様として有名なんだそう。

同じ伝説が宮崎県にもあり、そこには生目神社が鎮座しています。さらに由緒に出てくる謡曲の人丸と景清が出会う場所が日向国(現在の宮崎)だったりします。

いつも不思議に思うのですが、何故に民話も然り、こういった伝説が似たような形で日本全国に点在するのか・・・。どこか旅先などで聞いた伝説を「おらが村にも伝説を作ろう」とか言って似たような伝説を作ってしまうのでしょうか・・・。

  • 建久年中(1190-99年):平景清が草庵を設ける
  • 時期不詳:景清な亡くなった後、冥福を祈ることから「万稔山常福寺」と称した。
  • 天文十五年(1546年):火災にあう。
  • 慶長十四年(1609年):浅羽八太夫が敷地を寄進し客殿、庫裏などを建立し、養泉元育が開山。

今を去る八百年前、源平の合戦で敗れた平景清は源頼朝の命を狙ううち、この地に隠れ草庵を結んで観音堂を建立した。深く仏道に帰依し、万念山と唱え、念仏三昧のある夜、観世音菩薩の夢のお告げにより九十六文字の観音経を写し、その「夢想口授の観音経」と称する観音経と木版が現存している。本尊は、その夢の観世音菩薩を景清が刻んだものという。この辺りの地名が「半月」というのも景清がその観音像を刻むのに半月かかったという言い伝えから。景清は建保二年(1214年)八月十五日この地に没す。
当時には位牌「水鑑景清大居士」と刻んだ御木像も安置されている。
景清没後、冥福を祈る為村人が相計り、一山として今日の山号寺号に改めた。景清の従者(世話人)に伴の姓を賜ったといい、現在も近郊に百件近い伴性がある。
なお、景清には熱田の遊女に産ませた「人丸」という娘があり、鎌倉の長に預けていたが、後熱田の神官に嫁いだという。謡曲にこの人丸と景清の再会が感動的に語られてる。

知多四国めぐり」より

御朱印帳の保管に

 数年前より非常に集める方が増えた「御朱印」ですが、皆様は御朱印帳はどうやって保管していますか?神社・仏閣を廻って御朱印を受けているとあっという間に御朱印帳の冊数が増えていきますが、そのまま棚などに置いている方が多いのでは?。せっかくお受けした御朱印ですので、日本では古くから着物を始めとして大切なものを保管する為に使われていた「桐箱」に入れて保管した方がよろしいかと思います。

 ぜひ、皆様も桐箱に御朱印帳を保管されてみたらいかがですか?

知多四国霊場を行く

 四番札所「寶龍山延命寺/紹介記事」の納経を終えた後、知多四国霊場の遍路ガイドにそって五番札所は後から参拝する事にして六番札所「万年山常福寺」に向かう事にします。

大半の方は車で巡礼しているのかな?と思うので四番札所から五番札所に向かっても問題ないと思うのですが、なにせ知多半島の方は地理感がないのでガイドブックにそって行動をしていきます。

知多四国霊場を巡るツアーなど

 最寄駅から歩いて巡礼するのが辛い方は、名古屋駅発着のバスツアーがお勧めです。これまた、人気の知多四国霊場という事もあり、多数の旅行会社から知多四国霊場巡礼バスツアーが企画されていたります。こんな中、当サイトではクラブツーリズムの巡礼ツアーをお勧めします。

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※中部東海版を選択して頂き、キーワード検索で"知多四国"で検索すると、知多四国巡礼バスツアーが出てきます。

 実際自分が巡礼している時にこのクラブツーリズムの巡礼ツアーに遭遇しまして、こっそり添乗員として説明されていた先達さんの説明を聞いていた事があります。巡礼自体はせわしないのは否定できませんが、先達さんの札所などの説明が聞けるのは貴重な経験ではないかなと思います。

参拝記

「あいち健康の森」の北側を東西に走る県道252号線を西に向かって走っていくと、こんもりと一ヶ所だけ木々が茂っている場所が見てきます。この森の西側に今回参拝する「常福寺」が建っています。駐車場はこの木々の辺りに用意されているのでこちらに車で遍路されている方は駐車して参拝する形になります。

駐車場から常福寺に向かうと、こちらの境内入口にでてくるのですが、伽藍の配置からどうもこちらは裏口の様子。そこで、常福寺脇を通る市道を歩いて山門のある表門に向かいます。

こちらも常夜燈が左右に建っている出入り口なんですが、こちらもある種裏門ってかんじですね。
この写真の左から右に向かって更に歩いていき、山門を目指します。

こちらが太鼓橋も設けられている境内入口になります。

山門

この常福寺の山門は、薬医門に袖壁が設けられています。この薬医門には鯱が設けられていますね。
さらに山号も彫られた寺号が門前に据えられています。

山門を潜り境内に入っていくと・・

これも灯篭・・・なんですかね。
ちなみに、正面に見えるのが御本尊である千手観世音菩薩が安置されている本堂になります。
札所である大師像は御本尊の向かって左側に安置されています。

こちらは一瞬本堂と思ってしまいますが、本尊が別に安置されているとなると、こちらは客殿と呼んだ方が正しいのでしょうか。本堂とは寺院の中で一番大きい建物で更に本尊が中央に安置されているんだと今まで思ってきたのですが、この常福寺や四番札所「延命寺」など本尊が別の建物で安置されている場合も、上記のような建物は本堂と呼んでいいのか、はたまた客殿と呼ぶのか。
というか何故に御本尊が別棟に安置されているのかもさっぱり解らないです・・・。

手水舎

銅葺木造四本柱タイプの手水舎になります。
水盤の脇には水かけ地蔵が安置されていますね。

綺麗な水が張られている水盤になります。
こちらも常に龍の頭から水が滴り落ちていました。

客殿?(本殿?)

寄棟造平入木造の客殿?(本殿?)になります。
高床式の建物なんですが、外階段が二段のみと比較的低床の建物になっていますね。

本殿?(観音堂?)

こちらら入母屋造平入木造の向拝が設けられた本殿になります。
中央に御本尊の千手観世音菩薩、向かって左が弘法像、右に不動尊が安置されています。

御本尊を参拝した後、弘法像の前に移動して、

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師・・・」

ふと思ったのですが、「南無大師遍照金剛」って何回唱えればいいんですかね・・・。なんとなく三回程唱えていたのですが、もしかしたら一回だけでよかったのかしら・・・。

ここの本堂も外壁が一間分中にずれていて、床なんですが土間の様なスペースができています。
この方が雨が降ってもぬれずに参拝できるので助かりますね。

狛犬?

この常福寺の裏門には

こんな狛犬と言っていいのか、はたまた獅子と言った方がいいのか解らないのですが、あれて狛犬が鎮座しています。ただ、神社にいる狛犬と違い、狛犬同士が相対するかのように横向きに鎮座しているのではなく、両側の狛犬共に境内の外側を向いて(並列に同じ方向を向いて)鎮座しています。

駐車場から常福寺に向かうこの入口に狛犬が鎮座しています。(写真にも写っているのですが、非常にわかりにくいです。)

懸魚と鬼瓦

鰭付きの猪の目魚と、鬼瓦です。卍模様が際立っていますね。

御朱印

参拝を終えて

場所的には「あいち健康の森公園」のすぐ近くに建っている寺院になります。
由緒を調べるまで、平景清伝説の地だという事を知らずにいたので、常福寺近くにある景清神社には参拝できていません・・・。景清伝説の伝承地三か所は押さえておきたい所ですので、また後日参拝に伺ってみようと思います。その時は記事をアップしますので、こうご期待?

次の目的地は?

常福寺すぐ隣に鎮座する平景清の墓地跡に鎮座しているという「生目八幡宮」に向かいます。

所在地を地図で確認

寺院名万年山常福寺
所在地愛知県大府市半月町三丁目百五十一(GoogleMap
最寄駅鉄道:
バス:大府市コミュニティバス「薬草園西バス停」徒歩5分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

 元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

-大府市, 知多四国八十八ヶ所
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