三河海岸大師八十八ヶ所 西尾市

岩垣山 真相院(西尾市東幡豆町大西) 三河海岸大師六番札所

2018年7月23日

寺院情報

寺院名:岩垣山 真相院
鎮座地:西尾市東幡豆町大西二十番地
本 尊:阿弥陀如来
宗 派:浄土宗西山深草派
創 建:正保年中
H P:-
御朱印:-
札 所:三河海岸大師 六番札所

沿革・由緒

承応三年(1654年)に示寂した相誉伝心和尚が開基であるとされています。

詳しい沿革、由緒は不明ながら、真相院が関係する「はずの民話」が残っています。

境内に、「はずの民話」の案内板が掲示されています。


観海さんと盆踊り

今から百年ほど前のことです。
永良村(西尾市)から、五才くらいのいたずらっ子が、もっこに乗せられて形原の真如寺へ連れてこられました。子だくさんの農家から、口減らしのためお寺へ小僧として奉公に出されたのでした。
やがてこの男の子が成長し、洲崎の真相院に新しい住職としてやって来ました。
「今度のおっさん、えらく若えが、満足なおつとめができるかのう」
「どう見ても、おっさんらしくねえもんなあ」
村の人たちは、たよりないおしょうさんのことを心配しては、うわさしていました。 いたずらっ子だった観海さんは、おしょうになっても遊び好きが直らず、村の若者を寺に集めては、飲めや歌えの毎日でした。
困った村人は、寺の世話方をしている善五郎さんの所へ相談に行きました。
「夜は若いもんとさわぎまくり、朝はいつまでもねておって、おつとめにおくれたことも二度や三度じゃあねえ。これじゃあ先が思いやられてのう」
善五郎さんも見かねていたので、さっそくお寺に行きました。
「のう、観海さん。遊ぶもいい。さわぐもいい。だが、おっさんのつとめだけは、しっかりやらにゃあいかん。村の者も心配しとるで」
善五郎さんのやさしくさとす言葉を、観海さんはだまって聞いていました。

そのころ、洲崎の村では、船付と呼ばれる岩場から、何人もの人が落ちて大けがをしたり、死んでしまうという災いが続きました。
「同じ場所で、こう何人も災難にあうのは、何かのたたりじゃあねえか」
「どうだえ。おっさんにご祈とうしてもらっちゃあ」
村人は連れ立って、真相院に行きました。
ところが、観海さんの姿はなく、夜になっても帰って来ませんでした。
腹を立てた村人は、善五郎さんの家にやって来ました。
「もう、かんべんできねえ。あんなおっさんじゃあ何の役にも立たん。新しいおっさんに来てもらったらどうだえ」
「そうともよ。おっさんはほかにいくらでもおいでるだ」
かんかんにおこった村人に、善五郎さんは頭を下げてたのみました。
「わしが話してみる。もういっぺんだけ目をつぶってくれんか」
その夜おそく、善五郎さんは、寺へと急ぎました。あいにく月がかくれて、辺りは真っ暗でした。昨日まで続いた長雨のせいで足元が悪かったために、善五郎さんは、崖から足をすべらせてしまいました。
村人たちは、寺に行ったはずの善五郎さんが、いつまでたっても帰ってこないのであちこち探し回りました。
明け方になって、冷たくなった善五郎さんが見つかり、村じゅう大さわぎになりました。遊びから帰ってこのことを聞いた観海さんは、それが自分のせいであったと知って、寺のおくにかくれておいおいと泣きました。
その日から、観海さんの遊ぶ姿を見かけなくなりました。
村境の多度山にこもって二十一日間のつらい修行を始めたのです。昼も夜も一心に唱える念仏や打ち鳴らす鐘の音は、村人の心を強く打ちました。

修行を終えた観海さんは、まるで別人のようになって寺に帰って来ました。村の若者に仏の心を教えました。お盆にはなくなった人たちへの供養として、新仏のある家を回って、夜どおし歌い踊るのでした。
「善五郎さんも、これでやっと成仏できるというもんじゃ」
「よかった。よかった」
若者たちの輪に入って踊っている観海さんを、村人は目を細めて見ていました。

*もっこ ……… なわをあみのように編んで、四すみにつなをつけ、土などを運ぶ道具
*口減らし……… 家計が苦しいので、奉公に出すなどして、養う家族の人数を減らす事


この地区の盆踊りは現在でも続いているそうですよ。

参拝記

国道247号線から名鉄蒲郡線"こどもの国駅"方面に向かい、名鉄戦をアンダーパスしてそのまま北上していくと、見えてくるのが今回紹介する真相院になります。

大師霊場のはずなのですが、この寺院に掲げられているの幟は、

四天王の一尊である"毘沙門天"です。
この毘沙門天、四天王の一角を守りし神なんですが、単独でも信仰されているという武神でもあります。有名なのは"上杉謙信"ですかねぇ~。

この真相院には山門がなく、参道である石段を上った所に、寺号標が建っています。

境内入口脇には御堂があり、役行者像が鎮座しています。
ここの役行者像のお顔は優しい顔をしています。

本堂は、入母屋造になっています。
本堂の軒下に、梵鐘が吊られていますね。

本堂前から三河湾方面を望みます。
少々電線が邪魔ですが、なかなか風光明媚な景色じゃないでしょうか。

この真相院のすぐ北側にある山全体は"愛知こどもの国"としてかなり大規模な公園として整備されています。本物のSLも走っていたり、キャンプも出来たりと子供と一日遊ぶには最適な公園かも。

 

 

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