常夜燈データ
種 別 | 秋葉神社灯篭型 | 建立年月 | 不明 |
設置場所 | 愛知県西尾市一色町一色伊那跨地内 | ||
形 状 | 灯篭型 | ||
竿部刻印 | なし | ||
台石刻印 | なし | ||
火袋台石刻印 | なし |
常夜燈訪問記
さて、まだ4基目の紹介だというのに、いきなり常夜燈ではないタイプが登場です。
三河地方は秋葉山に近い事もあって、秋葉山信仰がかなり浸透している場所です。自分の住んでいる地元では、毎年ある時期になると、「秋葉山のお札どうされます?」と聞かれて、お札代を集金にまわってきます。(ここはあくまでも任意です。)そして、総代など役員を代表として秋葉山に代理参拝してもらい、お札を頂いてきてもらったりしています。昔で言うところの「秋葉講」って感じですかね。
江戸時代、今の静岡県浜松市に鎮座する秋葉大権現は全国的に非常に有名で、東海道五十三次の浮世絵や絵地図には必ず登場するほどです。
その秋葉大権現に参拝しようとすると、今の時代の様に電車や車がある訳でもなく、徒歩による参拝になるわけで、その旅費たるや非常に大きいものりなります。そこで、少しでも負担を小さくしようと各村だったり格地区で秋葉権現に参拝する互助会(この互助会を秋葉講と言います。)が結成されていくようになります。この秋葉講では、交代で選出された代参者が代表として遠州秋葉山に参詣し、火防せ・安全を祈願し、時にはお札を頂いて帰郷していました。
秋葉山の麓には、秋葉山参拝者の為の旅籠屋が軒を連ねてましたが、それぞれの秋葉講には指定の旅籠が決まっていたそうです。
町の中心だったり辻角に小さな祠が鎮座する秋葉神社から、各神社に合祀されたり境内社として鎮座している秋葉神社まで、数多くの秋葉神社を目にします。これは、秋葉山に参拝できない人の為に秋葉講として地元に歓請していたからだと言われています。
三河地方では常夜燈と言えば石製なんですが、静岡県の秋葉街道沿いには木製の常夜燈もあるんだとか。いずれは拝見したい所です。
で、今回紹介する秋葉神社なんですが、一色町の中心部を通る一色悪水路沿いに鎮座しています。生活排水などが流れ込むのが悪水路って言うんですが・・・昔の名残なんですかねえ。
さらに、社の前に常夜燈が設置されているんでしょうけど、ここは常夜燈ではなく灯篭と水盤を置いてまさに神社の様になっていますね。
ストリートビューで周辺の雰囲気を感じてください。
秋葉神社横には台風十三号の記念碑が建てられています。
この辺りの神社を参拝していると、所々で目にする台風十三号なんですが、この記念碑の裏側には被害状況もしっかりと彫られています。護岸工事が進んで、台風での高潮被害もかなり小さくなってきてはいますが、いつアメリカのフロリダ州を襲うハリケーンの様な台風が来るかもしれません。
平成三年に幟立石が建立されるなど、地元に大切にされている秋葉神社のようです。
なかなか、風情のある灯篭かと思います。
常夜燈ではないんですが・・・地元の皆様の思いは火の神への祈りで同じな訳です。
このHPではこういった街角に立つ常夜燈のない(灯篭もない社のみ)秋葉神社も常夜燈紹介の中で取り扱っていくことにします。