名古屋二十一大師 名古屋市熱田区 熱田八大師

花林山弥勒院(名古屋市熱田区旗屋) 名古屋二十一大師十三番札所

2020年4月6日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名花林山弥勒院
所在地名古屋市熱田区旗屋二丁目二五番一三号
御本尊弥勒菩薩
宗 派真言宗豊山派
創 建不詳
札 所名古屋二十一大師 十三番札所
熱田八大師霊場
御朱印
H P

参拝日:2020年2月5日

由緒・沿革

 江戸時代、名古屋城三の丸には「天王社」が鎮座していました。この天王社は名古屋城築城以前からこの地に鎮座していた神社で、名古屋城築城の際、その縄張りの中に鎮座していた為、同じく名古屋城縄張り内にあった他の神社と共に遷座させようと築城奉行「佐久間政実」に神籤による神意を確認した所、天王社のみ三度引いても「不遷」出会った為、遷座する事なくそのまま名古屋城三の丸に鎮座し、「名古屋城総鎮守」、「名古屋産土神」と呼ばれるようになっていきます。
 そして、「天王社」の別当として「亀尾山安養寺」が天王社の東側にあったといいます。(ちなみに、安養寺の山号である亀尾山であることから、「亀尾天王社」と呼ばれていたようです。)
 この安養寺の末寺だったのが「花林山弥勒院」になります。明治五年に安養寺が廃寺となるまでは「亀尾山安養寺弥勒院」と称していたようですが、碧海郡知立町(現在の知立市)にある「弘法山遍照院/紹介記事」の末寺に変わり、山号も現在の「花林山」に変更したようです。

 弥勒院が創建された年については、享禄五年(1532年)、兵火により焼失してしまったこともあり不詳となっていますが、焼失以前は、斯波氏の祈願所であったといいます。享禄五年とは織田信秀今川氏豊の居城「那古野城」を攻め落とした年であり、この時の兵火で弥勒院は焼失してしまったと考えられます。その後、天文七年(1538年)に再興されますが、名古屋城築城の際、一度は廃寺となったようです。しかしその後、安養寺の住職の隠居寺として寛永六年(1629年)に再興されています。この頃に安養寺の末寺となったみたいです。貞享二年(1685年)に現在地に移転しています。

 大正四年に発刊された「名古屋市史」を読むと、当時の本尊は「不動明王」なっており、以前の本尊は「阿弥陀如来像」だったと書かれています。この阿弥陀尿来像は、名古屋市中区栄に鎮座する「若宮八幡宮」の本地仏とされる仏像で、尾張徳川藩家老「志水氏」に渡り、知多郡大高村(現在の名古屋市緑区大高町)にある「鷲頭山長寿寺/紹介記事」となったとされています。長寿寺は「知多四国霊場八十七番札所」になっている寺院になります。

 それにしても、現在弥勒院の本尊は「弥勒菩薩」であり、いつ本尊が不動明王からかわったのでしょうか。

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名古屋二十一大師霊場を行くー四日目ー

 名古屋二十一大師霊場の遍路旅も四日目に突入です。日付は令和二年(2020年)二月五日になります。今回の遍路旅は、十三番札所「花林山弥勒院」から出発し、熱田周辺の寺院を巡りつつ、笠寺にある十六番札所「天林山笠覆寺(笠寺観音)」に向かうルートを想定しています。いつもの如く、寄道して時間が無くなって最後まで行けない可能性もありますが、お付き合いくださいませ。

 ここ弥勒院の境内には、また新たな霊場との出会いを予感させる石碑がありました。

熱田八大師霊場」と彫られています。ここ「花林山弥勒院」は七番札所に選定されているようです。この熱田八大師霊場についての情報なんですが、Google先生に聞いてみても返答がほぼ0(ZERO)なんですよね・・・。何時頃開創され何時頃まで活動していた霊場なのかまったく分からないのですが、なんとか札所の寺院名だけは調べたので参考にしてみてください。

熱田八大師札所一覧

番号寺院名所在地
1雲龍山喜見寺名古屋市熱田区神宮二丁目
2青松山宝持院名古屋市熱田区白鳥三丁目
3金王山等覚院名古屋市熱田区大瀬子町
4新豊山蓮花院名古屋市熱田区大瀬子町(廃寺)
5高田山福寿院名古屋市熱田区三丁目
6金法山地蔵院名古屋市熱田区白鳥三丁目
7花林山弥勒院名古屋市熱田区旗屋二丁目
8木津山不動院名古屋市熱田区高蔵町

 一番札所となっている「雲龍山喜見寺」は名古屋二十一大師霊場十四番札所になっている寺院です。また、全札所が真言宗の寺院で構成されている霊場です。

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参拝記

 名古屋市熱田区と聞くと一番に思い浮かべるのが「熱田神宮」ではないかと思います。この熱田神宮の北西側に今回納経する「花林山弥勒院」があります。
 駐車場は参道すぐ脇にあるので、安心して車でも参拝する事ができます。ただ、弥勒院の前の道路は一方通行ですので注意してください。

境内入口

 現在駐車場になっている所にも元々は建物が建っていただろうと思われる境内入口になって、本堂に向けてまっすぐ参道が伸びています。

山門

 弥勒院は別称「菖蒲池赤門寺」と呼ばれているそうです。「朱塗りの山門」と境内に「菖蒲池」があった事で付けられた別称の様ですが、確かに朱塗りの山門は目を引きます。ただ、境内にあったと思われる「菖蒲池」は見当たらなかったですね。ただ、池があったであろう場所には弁才天が鎮座しています。

日切弁財天

 安産、子授けに御利益があると崇敬が篤いという「日切弁財天」になります。この社の周囲に菖蒲池があったというか、菖蒲池の中に弁才天が鎮座していたのではないのでしょうか。

本堂

 入母屋造瓦葺妻入りの本堂になります。

 中央に本尊である「弥勒菩薩」が奉安されていて、その脇に名古屋二十一大師霊場の札所本尊である弘法大師像が奉安されています。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

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地図で所在地を確認

寺院名花林山弥勒院
所在地名古屋市熱田区旗屋二丁目二五番一三号
最寄駅名古屋市営地下鉄「名城線」四番出口徒歩3分

次の目的地は?

名古屋二一大師を行く

名古屋二一大師霊場一四番札所「雲龍山喜見寺」を納経します。この喜見寺は住職が不在の事が多いという事で、今回納経した「弥勒院」にて納経印を置いて頂けます。

名古屋二一大師を行く-寄道遍-

白鳥古墳」のすぐ隣にあり、大名古屋八十八霊場の札所でもある「白鳥山法持寺/紹介記事」を参拝します。こちらは北の海が横綱時代の三保ヶ関部屋が名古屋場所の際宿舎としていたことでも有名です。

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