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補陀落山 大善院(愛知県常滑市奥条) 知多四国霊場六十三番札所

2019年10月7日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

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寺院情報

寺院名 補陀落山 大善院
所在地 愛知県常滑市奥条5-20
御本尊 十一面観世音菩薩
宗 派 真言宗豊山派
創 建 白鳳十二年(684年)
札 所 知多四国霊場 六十三番札所
知多西国観音 十四番札所
常滑郷大師霊場 一番札所
御朱印
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参拝日:2018年11月14日

知多四国霊場札所一覧

沿革・由緒

大善院は白鳳十二年(684年)御嶽山三百坊が滅亡の時、御本尊の十一面観音と不動明王、毘沙門天と三尊をここに移して奉安したそうです。当時は六坊あり、ここ大善院は本坊であり常滑城の鬼門に当たる場所になります。大善院と隣り合う鎮守の牛頭天王は城主水野家の氏神として代々崇敬されて二百石が寄進されています。

「知多四国めぐり」より

白鳳十二年(684年)に建立されたという知多半島最大の規模を誇ったという「御嶽山光照院」ですが、時が建つにつれ衰退していき、栄華を誇った光照院の衰退した姿を見てときの僧・養春上人が、南坊本尊十一面観音を観音浄土に相応しい現在の地に移したのが始まりと言われています。文明元年(1469年)、常滑城初代城主水野監物忠綱は領内安全を願い、常滑城の鬼門にあたる補陀落山観蓮寺に六坊を再建。本坊大善院に十一面観音菩薩を新たに造立、中興開山第一世興覚法印が入寺し復興の基盤がつくられています。

常滑城の北東に位置する場所に大善院があるようですね。

Googleマップでみるとよくわかりますが、見事に常滑城の北東方面に大善院がある事がわかりますね。大善院に牛頭大王も併せて祀ることにより、常滑水野家の厄除けとしていたと思われます。これは、近いうちに常滑城に行かなくてはいけませんね。

知多四国霊場を行く

六十二番札所「御嶽山洞雲寺」から北に進んでいくとある場所にある六十三番札所「補陀落山 大善院」に納経に向かう事にします。
この大善院周辺は常滑城の城下町になるようです。

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参拝記

知多半島道路「半田IC」から県道34号線を真っ直ぐ西に進むと、知多四国霊場の札所案内看板が電信柱に付けられています。すこし道が細いですがこの路地を進むと突き当りに大善院が見えてきます。

●駐車場は大善院の境内手前に用意されています。

石柱門

右側に山号、左側に寺号が彫られた石柱門になります。
よく見ると石段を上った先にも同じく山号、寺号が彫られた石柱門が建っています。その奥側の石柱門の脇には知多四国六十三番と彫られた札所案内石柱も設けられています。

自分が参拝した平成30年には本堂の改修工事の寄附の看板が掲げられていました。檀家が少ない寺院などではこうした本堂などの改修工事の費用が捻出できず廃寺になっていくところもあると聞きます。知多四国霊場の札所になっている寺院は参拝する方が非常に多いので、札所になっていない寺院に比べると寄付などを集めやすいのかなと思っていたのですが、中々苦労されているようですね。

手水舎・水盤

木造銅葺二本柱タイプの手水舎になります。柱は皮むきされた丸太がそのまま使用されています。倒壊防止の為なのか、支え柱として境内のどこかで使われていた様な石材が用いられており、柱と石材が縄で縛られていました。倒壊防止にどれだけ役に立つのかいまいち不安を感じてしまいます・・・。

本堂

石柱門から続く石段を上った正面に建っている宝形造の本堂になります。屋根を多くブルーシートなどの劣化ぐらいから、結構な期間この姿であることを示していますね。

本堂の向拝の左右に石灯籠が据えられていますが、本堂の前に石灯籠が一対据えられている所ってあまり見かけない気がします。この辺りは由緒でも出てきますが神仏習合に"牛頭天王"を奉安していた時代の名残が現代まで残っているという事なんだと思います。個人的な推測なので、間違っていたら申し訳ないです。

大師堂

寄棟造瓦葺平入の大師堂になります。
大師堂の前には本堂の瓦葺工事の寄付を募る為に瓦が積まれています。早く集まることを祈願しております。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

中の宮

当社は往古 尾張常滑郷瀬木千代之峯の総社にて祟め鎮まり坐し玉うが
明應三年(1494年)三社に分祀
奥条へ高宮 常石神社
瀬木へ西宮 神明社
奥条中道に 中宮
中の宮は常滑城の鬼門除祈願所補陀洛山観蓮寺本坊大善院に鎮守として勧請 尊崇奉る
祭神素戔嗚尊は世間の怨敵を降伏せる荒ぶ神 神仏同体の牛頭天王と信仰され疫病を祓う
夏の土用に村民あげて祭り
御霊信仰、祇園疫神送り 親善の茅輪潜り
一念信力を結べば夏病みせず除災の利益図りがたし

と書かれています。

どういった経緯で三社に分祀されたのかは分かりませんが、ここに出てくる「常石神社」は常滑市奥条七丁目二十三に鎮座、「神明社」は常滑市栄町六丁目二〇〇に鎮座しています。

かなり段数のある石段の先に鳥居が見えています。
大善院の境内でも一番標高が高い所に中の宮が鎮座している様です。

土台部分が石造り、上部は木造の明神鳥居になっています。

中央に素戔嗚尊が祀られている社が鎮座しています。
その社の向かって左側に役行者像が祀られています。こういった感じも神仏習合を感じさせますね。

御祭神 素戔嗚尊 本地仏 牛頭天王 と書かれています。
神仏分離令から150年が経過し、中々寺院や神社で本地仏を見る機会がないのですが、ここ中の宮では現代でも神仏習合が生きているかの様です。

御朱印

参拝を終えて

大善院では本堂の裏手側に本四国霊場の御砂踏み霊場が設けられています。一番毎に踏みしめながら「南無大師遍照金剛」を唱えていくと、時間はかかりますが、気分が落ち着く気がしますよ。

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所在地を地図で確認

寺院名 補陀落山 大善院
所在地 愛知県常滑市奥条5-20
最寄駅 名古屋鉄道 常滑線「常滑駅」徒歩23分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

次の目的地は?

知多四国霊場を行く

知多四国霊場六十四番札所世昌山 宝全寺」を目指します。

ちょっと寄り道

中之宮と時同じくして分霊された奥条に鎮座する「常石神社」を参拝します。

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