常滑市 知多四国八十八ヶ所

龍王山 宝蔵寺(常滑市大野) 知多新四国六十八番札所

2018年12月25日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名 龍王山 宝蔵寺
所在地 愛知県常滑市大野町三丁目三十番地
御本尊 千手観世音菩薩
宗 派 真言宗智山派
創 建 弘仁年間(810-824年)
札 所 知多四国霊場 六十八番札所
御朱印
H P

参拝日:2018年5月16日

知多新四国霊場公式ホームページのご紹介


http://chita88.jp/

沿革・由緒

宝蔵寺は嵯峨天皇の弘仁年間(810-824年)、弘法大師が創建した宮山金蓮寺の遺跡です。文明年間(1469-1486年)佐治駿河守為隆が宮山築城の時、祈願所となったが天正十二年(1584年)宮山城が落城。その時、二世覚賢法印は本尊を奉じて宝蔵寺に安置し堂宇を整えたという。本尊の千手観音は春日定朝の作です。

「知多四国めぐり」より

ここに出てくる「金蓮寺」なんですが、開創年代には様々な説があります。
1.聖徳太子が開創したという説
2.弘法大師が開創したという説
3.大野城主によって開創したという説

一山九坊を有する巨刹だった「金蓮寺」なんですが、兵火にて灰燼に帰したと言われていますが、御本尊は場所は移動しながらも現在にそのお姿を残しているというのもロマンを感じます。

知多四国霊場を行く

六十七番「松尾山 三光院」を後に、六十八番札所「龍王山 宝蔵寺」を目指します。

名鉄常滑線「大野駅」北側を東西に走る県道267号線の突き当りに「宝蔵寺」はあります。

突き当り、看板がみえている路地が宝蔵寺への参道になります。
駐車場は、その向かって左手の広告看板がある場所に用意されています。


管理人が行く知多四国霊場巡礼の旅

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参拝記

名鉄大野駅から非常に近い場所に鎮座している「龍王山 宝蔵寺」になります。
この大野駅周辺は寺院、神社が非常に多く、昔から人々が集まっている場所、重要な拠点だったということがわかります。

境内入口

知多新四国札所案内の石柱を囲むようにトタン板の案内板がまかれています。
石柱に比べて見やすいとは思いますが、風情は感じられないですねぇ。

石柱の脇は、法蔵寺境内に伸びる参道があります。
見にくいですが、石柱門があり、「火伏大師霊場」とあります。

なんでも、弘法大師は知多半島の御順鍚の後、熱田の宮で一千日の護摩供を修法して御祈願になりました。そしてこの火伏大師尊象を祭る人は末代火難をのがれるであろうといわれました。宝蔵寺では。火伏大師の前に護摩壇を設け、修法して御大師様と信者の祈願がお互いに溶け合って諸願成就するように努めてくださるんだとか。

そして、信者によって高野山の「きえずの燈明」が宝蔵寺に治められ、「燈明講」が組織されているそうです。

手水舎

非常に特徴的な手水舎になります。
コンクリート造りなんですが、上を見ると鬼瓦が見えています。陸屋根ではなく、瓦を拭くことができる部分が設けられているんでしょう。水盤は一般的な様式の物になる為、手水舎のデザインが際立っていっていますね。

本堂

コンクリート造りの本尊である十一面観音が安置されている本堂(観音堂)になります。


知多四国霊場で何度も見かけたこの様式・・・。自分の感覚だと寺院では一番大きな建物が本堂だと思っていて、そこに本尊が中央に安置されているんだと思っていました。しかし、知多四国を巡礼していると、一番大きな建物が客殿となっていて、その脇にある観音堂に本尊が安置されている寺院を数多く拝見してきました。

なぜ、ここにこだわるのかというと、知多四国霊場の巡礼ガイド等に、納経の順番が書かれているんですよね。
そこには、

1、札所へ到着したら合掌して一礼します。
2、手を洗い、口をすすぎ、身を清めます。
3、先ず御本尊様をお参りします。
4、次にお大師様に参り、おろうそく・お賽銭を納め、納札や写経などを納お賽銭を納めます。
合掌し、心をこめてお経を唱えます。
5、納経所で御朱印を頂きます。
6、札所を出発する時は合掌して一礼します。

と書かれているんです。

で、本尊がここ宝蔵寺の様に「観音堂」に安置されている寺院の場合、大師様に参拝した後に参拝するとか、もしかしたら参拝しない方もいらっしゃるのかなと思う訳です。

当然、「そんな事も知らないのか」と思われる方もいらっしゃるかと思うのですが、実際自分も途中で気付くまで客殿を本堂だと思い込んでいまして、もしかしたら本尊様のお参りをしていなかった札所もあるかもしれないなあと。そこに気付いてから、本尊様がどこに安置されているのかをまず探してから参拝をするようにしています。

当ブログでは、御本尊が安置されている建物を本堂とさせて頂き、大師像が安置されている建物を弘法堂と統一させて頂いています。こんなことを参拝記事の連載途中に書くのもどうかと思うのですが、書く機会もなかったので、ここで書かせて頂きます。


ここ宝蔵寺は防火地域にしていされているそうで、観音堂を建て替える時木造では認可が下りず、コンクリート造りにせざるを得なかったといいます。そこで、単なる模擬様式ではなく、コンクリート造りの重厚感のある観音堂をとの思い出設計されたのが宝蔵寺の観音堂になるそうです。

弘法堂(客殿)

本殿左側(向かって左手)に建つ寄棟造瓦葺平入で唐破風が設けられた弘法堂になります。
元々はこちらが本殿だったのかはわかりませんが、中央に弘法大師像が安置されています。

弘法堂の中をご覧ください。非常に広い弘法堂です。
中右には大師像が安置されています。その前で護摩焚きをされているのでしょうか。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

御朱印

参拝を終えて

宝蔵寺の弘法堂の中では、火除札、雷除札のお札が置かれていました。何やら、「宝蔵寺の火除札、雷除札」は有名?なんだとか。ただ、自分としては火除けというと、秋葉山を思い浮かべてしまうのですが、さすが、宗派を超えて大師像が祀られている弘法大師様です。火除けや雷避けといったお力もあったんですねえ。

次の目的地は

六十八番札所「龍王山 宝蔵寺」を後にした後、地図を見ていたら六十九番札所「宝苑山 慈光寺」に向かう道が非常に細そうな感じだったので、急遽予定ルートを変更して迂回することにして、七十番札所「摩尼山 地蔵寺」を目指します。

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