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城郭情報
城名 | 岩根城 |
所在地 | 愛知県安城市小川町岩根地内 |
築城年 | 鎌倉期 |
築城主 | 加藤正成? |
城形式 | 平城 |
遺構 | 無 |
規模 | 東西七十間、南北七十間 |
備考 |
訪問日:2020年5月25日
由緒・沿革
鎌倉期にこの地にきた「加藤正成」が築いた居館跡とされている「岩根城址」になります。規模としたは東西、南北共に七十間(127m)程のほぼ正方形に近い形であったとされ、周囲を土塁さらにその外側に堀で囲んでいました。城跡というより、領主の館跡と言った方がしっくりくるかもしれません。
碧海郡桜井村史によると、加藤正成の子孫に賤ケ岳七本槍の一人に数えられる「加藤嘉明」に通じると書かれていますが、江戸時代の加藤家の系図「寛政重修諸家譜」では加藤嘉明の父は「某」となっており、加藤正成の名はその系図では登場してこない為、この辺りの真偽は不明ですね。まぁ、戦国時代から江戸時代にかけて武功をあげて出世した武将の中には先祖がハッキリしない物も多数いて、官位を得る為に家系図を書き換える事は暗黙の了解のもと行われていましたので、幕府に提出した系図と地元の伝承との相違が出てくるケースが多々あったりしますね。
浄土真宗本願寺門徒だった加藤嘉明の父「教明」は一向一揆側に与し、一揆終結後も家康の家臣に戻ることなく三河国を離れています。この時「嘉明」は生まれて間もなく、教明に連れられ流浪の旅に出ています。そして、教明は近江国にて羽柴秀吉に仕える様になり、その中で、嘉明は秀吉の家臣であった加藤景泰に見出され、秀吉により加藤景泰の養子とされこの時から「加藤性」を名乗る様になったという説もあるようです。元々は「岸」と称していたとも言われています。
加藤景泰とは全く出自が異なるのですが、嘉明が幕府に提出した系図では藤原系とする加藤家の系図と繋がる様になっているそうです。
岩根城を居城していた加藤氏は、「桜井城/紹介記事」の小浦氏、「小川志茂城/紹介記事」の石川氏と共に、安祥城主「松平親忠」に臣従しています。この時、岩根城から松平家の所領の中に移動したとも言われています。そして、その子孫の中で幡豆郡永良郷に所領を得た者がいたのかもしれません。「加藤嘉明」は現在の西尾市上永良町の「神明社」周辺で生誕したと言われています。
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碧海郡桜井村史に記載されている系図
藤原利仁‥(省略)‥久成┳正成━祐正━(省略)━正嘉━嘉明
┗祐久
正成の弟「祐久」は親鸞の門弟となり、合歓木にある正願寺の中興開基となり浄土真宗の寺院に改宗したと言われています。
寛政重修諸家譜に記載されている系図
某━嘉明
某・・加藤孫次郎教明と称し、先祖の代より永良の地に住してたが、ゆえあり(三河一向一揆において一揆側に与する)、三河国を去ったという。
歴史探訪
真偽はともかく、加藤嘉明に通じるとされる加藤家が居していたという「岩根城」址を訪れてみます。残念ながら城跡となる場所は宅地化されており、遺構はほぼ残っておりません。
桜井町の色々な史跡を巡っていく中、一覧みたいな記事を書こうかなと思って勝手に「桜井町誌」を作成してみました。「綾姫伝説」についてもまとめていく予定ですので、是非ご覧ください。
もし、嘉明の父「教明」が三河一向一揆終結後、家康の家臣に戻っていたら、加藤嘉明は家康の家臣となっていたはずなのですが、家康の家臣だったとしたら大名迄出世できたのかといえば、中々厳しいのではないかなと思いますね。そう思うと、嘉明にとっては、父親が松平家に戻らなかった事が吉と出たと言えますね。
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訪問記
岩根城址は、現在安城市小川町の岩根公民館が立っている周辺にあったといいます。この岩根公民館に岩根城址の案内板が設置されていました。
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この案内板を見ると、公民館を中心とした岩根地区の集落がほぼ岩根城の中に立っている事がわかります。そう考えると、中々大きな居館だったんですね。宅地化されてしまっている為、中々発掘などの調査を進める事は難しいかと思いますが、こうしてほぼ遺構が残っていない場所でもこうして案内看板が設置している安城市教育委員会に敬意を払いたいです。
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また公民館隣には秋葉山常夜燈が据えらえていて、岩根地区の伏火を見守っています。こうした常夜燈が設置されている事からも岩根地区の中心であることがわかります。因みに、常夜燈は明治三十年に建立された物ですね。
地図で所在地を確認
城郭名 | 岩根城 |
所在地 | 愛知県安城市小川町岩根地内 |
最寄駅 | あんくるバス2号桜井線「岩根バス停」徒歩3分 |