
岡崎市東大友町、西大友町には、壬申の乱で自害した大友皇子が実は生きていて、ここ岡崎市の大友地区に逃げ落ちてきたという「大友皇子伝説」が伝えられています。大友皇子はこの地に逃げ延びた時三体の仏像をこの地に伝えられたといい、その内の一体を本尊とする寺院を建立されています。その寺院が今回紹介する「大仏山玉泉寺」になります。
寺院情報
寺院名 | 大仏山玉泉寺 |
所在地 | 愛知県岡崎市西大友町寺山四十六番地 |
御本尊 | 阿弥陀如来 |
宗 派 | 真宗大谷派 |
創 建 | 不詳 |
札 所 | ー |
御朱印 | ー |
H P | ー |
参拝日:2020年7月16日
沿革・由緒
壬申の乱において、天智天皇の弟である大海人皇子と対決した「大友皇子」は、瀬田川の戦いで大敗し、正史では大津宮近くで自決したとされています。しかし、岡崎市東大友、西大友では、大友皇子は自決せず大津宮から難波に向かい、そこから船を使い伊勢神宮に参篭した後、再び船にて三河湾から矢作川を遡上じ、現在の東大友、西大友の地に隠れ住んだという伝承が伝えられています。
この時、大友皇子は天智天皇の御製とされる三体の仏像(薬師如来像、大日如来像、阿弥陀如来像)をこの地に伝えています。大友皇子は阿弥陀如来像を本尊する寺院「白鳳山洞導寺」を建立したとされています。洞導寺は、その後天台宗に改宗しています。そして、石川右衛門八綱政が本坊の住職となった時、浄土真宗本願寺派に改宗し寺号を玉泉坊と改称し、嘉永年間に玉泉寺となったといいます。
歴史探訪
現在玉泉寺が建っている場所から西の地名が「蓮花寺」という地名が残っています。この地名から現在は和志取古墳の東に建っている「扶桑山蓮華寺」が玉泉寺の西隣くらいに建っていたと言われています。玉泉寺近くにあったとしたら大友皇子が伝えた薬師如来像を本尊としているという説も繋がりが出てくるかなと思います。
大友皇子が伝えた三体の仏像
・薬師如来像 蓮華寺本尊
・大日如来像 和志取神社大日堂にて奉安
・阿弥陀如来像 玉泉寺本尊
この中で、蓮華寺本尊として奉安されている薬師如来像は行基菩薩の作とも伝えられています。

江戸時代まで岡崎市西本郷町に鎮座する「和志取神社」の境内で奉安されていたという「大日如来像」。現在は、明治時代の神仏分離令により和志取神社の境内の東隣に遷座し、地元の方達によって奉安されています。
参拝記
岡崎市西大友町の住宅地の中に「大仏山玉泉寺」があります。玉泉寺近くの道は住宅地の中を通る細い路地になっているので、気を付けて進んでください。駐車場は玉泉寺の境内の南側にかなり広く用意されていますので、安心して車で向かう事ができます。

境内の南側が接道しているのに、本堂は真宗の寺院らしく西向きに建っています。境内の周囲を土塀や透塀などで囲んでいる寺院が非常に多い為、ここ玉泉寺の様にこうして塀が設けられていない為開放的な境内の寺院はあまり見慣れない為、なにか独特の雰囲気を感じます。
寺号標

「浄土真宗大谷派 大仏山玉泉寺」と彫られた寺号標になります。
鐘突堂

今まで色々な寺院にある鐘突堂を紹介してきましたが、ここ玉泉寺はその中でも一、二を争う耐震補強が行われている鐘突堂になるかと思います。よく見ると、柱や貫以外は新しい部材で改装工事が行われている様ですね。
本堂

入母屋造瓦葺平入の向拝が設けられ高覧のある濡れ縁がある本堂になります。向拝部分の出が他の寺院に比べて短く感じ、この辺りも本堂の大きさに対し境内が少し手狭感がある所以なのかもしれません。本堂の全体的な雰囲気は真宗の木造本堂そのものだなと感じます。
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所在地を地図で確認
寺院名 | 大仏山玉泉寺 |
所在地 | 愛知県岡崎市西大友町寺山四十六番地 |
最寄駅 | 名鉄バス「矢作循環線「大友バス停」徒歩7分 |
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