神社紹介
神社名 | 酒井神社 |
鎮座地 | 愛知県刈谷市西境町本郷七番地一 |
御祭神 | 豊宇賀能売神、誉田別尊 |
旧社格 | 神饌幣帛料供進指定村社 |
創 建 | 不詳 |
神名帳 | ー |
境内社 | 萩ノ宮、津島社、山神社、御嶽社 |
例祭日 | 十月十日 |
御朱印 | ー |
H P | ー |
参拝日:2021年1月27日
御由緒
江戸時代の五街道の一つ「東海道」が整備されるまでの鎌倉ー京都間の主要街道である「鎌倉街道」が酒井神社の境内の北側を通り、境川を超えて三河国と尾張国を結んでいました。室町時代の頃は衣浦湾がもっと内陸に入り込んでいたはずで、この酒井神社周辺は東西を結ぶ鎌倉街道と海運の船荷を荷揚げする土場が設けられて物流の一大拠点になっていたのではないかと思われます。
また、三河国神名帳には「従五位上 酒井天神 坐 碧海郡」という神社が記載されています。まさに、酒井神社の事なのか?と思ってしまう社名だったり鎮座地だったりが一致してると思うのですが、色々調べても酒井神社が三河神名帳に記載される酒井天神と比定されるという情報が見つからないのですが、もしかしたらそういった古社になるのかもしれませんね。
鎌倉街道がいつ頃まで使用されていたのかはよくわかりませんが、江戸時代になり東海道が整備され、街道が南の富士松方面に移動すると酒井郷周辺の賑わいが衰退してしまったのかなと現在の西境町周辺を見て回るとそんなことを想像してしまいます。
創建は明らかではないが、明治維新までは一ノ御前社と称し、明治二年酒井天神と改め同五年十月、村社に列格する。同四十年十月二十六日、神饌幣帛料供進指定社となる。昭和四年十月十五日、社殿を改築する。
愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」より
歴史探訪
ここ酒井神社周辺は、松平氏/徳川氏の譜代武将である「酒井氏」の発祥の地とする伝承が伝えられています。江戸時代に編纂された歴史書では、松平氏初代「松平親氏」は、関東から三河国にやってくると、三河国酒井郷(坂井郷)に住む酒井与右衛門の娘婿として男子をもうけ、その後松平郷に移り住み松平氏を起こしたとされ、酒井与右衛門の娘との間に設けた男子が譜代酒井氏の初代「酒井広親」になるとされ、「松平親氏の庶子が酒井氏の初代である。」という酒井氏の発祥が記されていて、酒井与右衛門が住んでいたという場所が「三河国酒井郷」であるとされていて、その場所が碧海郡酒井郷(刈谷市西境町、東境町周辺)または幡豆郡坂井郷(西尾市吉良町酒井)のどちらかであろうと推測されていました。
「酒井氏は松平氏の庶家である」という伝承は、江戸時代に確立された伝承であり、実は第二次世界大戦以前に編纂された(旧)岡崎市史を始めとする各行政区の資料などでもこの伝承は当たり前の様に使われていました。しかし、戦後、新たな史料が見つかったり、研究が進んだ結果、「酒井氏は松平庶家である。」という伝承は仮冒であるとほぼ断定されてしまっています。
松平氏の庶家である譜代酒井氏は仮冒であったとしても、碧海郡酒井郷または幡豆郡坂井郷に酒井与右衛門一族が住んでいたことまでは否定されている訳ではなく、酒井氏となんらか関係のある土地である可能性は十分にあるのではないでしょうか。
当サイトでは既にもう一方の酒井氏発祥の地伝承が残る西尾市吉良町酒井を散策してその史跡などを紹介しています。こちらの伝承地には酒井一族の墓石があり、現地に設置してある案内板でも酒井氏発祥の地とはっきりと書かれています。
参拝記
酒井神社は、刈谷市から豊明市を結ぶ県道239号線の境川を渡河する橋から少し北に進んだ場所に鎮座しています。駐車場はどうやら社務所近くに用意されているみたいです。この辺りはバイクで巡っているとあまり駐車場に困らないので助かります。
参道入口
社号標、石灯篭、鳥居が据えられている境内入口になります。社号標の横にある構造物は、刈谷市教育委員会によって据えられた案内標になります。刈谷市の神社寺院を巡っていると境内入口や門前に同様の案内標が据えてあり、由緒や歴史などを知ることが出来て非常に助かります。
社号標
コンクリートで埋められていますが、旧社格「村社」が彫られた社号標になります。
鳥居
扁額が掲げられている明神鳥居になります。
ここから参道を見ると、鳥居と両脇の植木が何ともいえない雰囲気を醸し出している感じがします。
手水舎
木造瓦葺四本柱タイプの手水舎になります。水盤と井戸が並んでいる様式なので、水盤の大きさに対して手水舎がかなり大きく作られています。また、各柱に倒壊防止の支え柱が設けられています。
祓戸
基壇上に瑞垣が設けられた祓戸になります。かなり面積は広く作られている感じです。
狛犬
昭和三年生まれの子乗り玉乗りの狛犬一対になります。基壇がかなり高く設けられていて、かなり見上げる感じの狛犬になっています。
社殿
入母屋造瓦葺平入の拝殿を有する社殿になります。本殿は流造となっていて、元々は露天の祭場であったところ、拝殿と本殿の間に幣殿が増築された感じの造りになっています。
地図で鎮座地を確認
神社名 | 酒井神社 |
鎮座地 | 愛知県刈谷市西境町本郷七番地一 |
最寄駅 | 刈谷市かりまる西境線「西境住宅東バス停」徒歩5分 名鉄バス愛教大線「西境バス停」徒歩18分 |
ご自宅にお札は祀られていますか?
実家には神棚はあっても、今お住いの所には神棚がない方も多いかと思います。神棚には、日本の氏神である"天照大御神"とご自身がお住いの氏神様のお札を掲げると御神徳が宿るとされています。
賃貸住宅などに住まわれて簡単に神棚を掲げられないという方もお勧めなのが、
南向き、もしくは東向きになる様に、そして目線の高さより上になる様に、棚などの上において頂くとよいかと思います。是非、皆様もご自宅に神棚をご用意いただき、御札を納めてほしいなと思います。