寺院情報
寺院名 | 大慈山 中之院 |
所在地 | 愛知県知多郡南知多町山海土間五十三番地 |
御本尊 | 阿弥陀如来 |
宗 派 | 天台宗 |
創 建 | 不詳 |
札 所 | - |
御朱印 | - |
H P | - |
参拝日:2018年10月16日
知多新四国霊場公式ホームページのご紹介
http://chita88.jp/
沿革・由緒
持っている資料やネットでの検索を指せてただいても、詳しいことはわかりませんでした。近々再び図書館に訪れて南知多町誌などを閲覧してこようかと思います・・・。
ただ、山号と寺号の両方から考えると、知多四国霊場四十三番札所「大慈山 岩屋寺」の塔頭の一つ「中之坊」が改称した寺院なんだろうと想像できます。明治年間に書かれた知多郡誌によると「中之坊(本尊:阿弥陀如来)」「谷之坊(本尊:薬師如来)」「橋之坊(本尊:大日如来)」「杉之坊(本尊:阿弥陀如来)」の四塔頭が残っていると記載されています。現在の寺院を検索しても中之坊(中之院)以外の寺名を見かけない為、明治から平成の間に廃寺になってしまった可能性が高いかな?と思っています。
「大慈山 岩屋寺」は天台宗から独立し"尾張高野山宗"を開宗して、総本山となっているのですが、自分の想像では塔頭であると思っている「中之院」は、岩屋寺に付いていかずそのまま天台宗に残っているようです。現代では元は塔頭だったとしても独立した宗教法人となっていて独自の考えで寺院の運営を行っているんでしょうね。
知多四国霊場を行く
管理人が行く知多四国霊場巡礼の旅
参拝記
知多四国霊場四十三番「大慈山 岩屋寺」から番外札所の「岩屋寺奥の院」に向かう道中に、中之院は鎮座しています。「大慈山 中之院」と検索せずとも、中之院と寺号だけで検索するだけでかなりの中之院を取り上げているサイトがヒットするかと思います。その大半がとある物を取り上げたサイトになりますね。
元々は中之院は「たぬき寺」として地元では知られた寺院だったそうです。先代の住職がかなりタヌキ関連の物を集めていたそうなのですが、伊勢湾台風で保存していた客殿が全壊してしまい、現在境内に飾られている「たぬき像」はその天災の生き残りなんだとか。
山門
薬医門の山門になります。山門から周囲の雰囲気がなかなかツボな寺院です。
「たぬき寺」の有名という事で実は薬医門の屋根の上に、たぬき像がこっそり乗っているんですがわかります?
たぬき像
薬医門をくぐると、こんな感じでたぬき像が並んでいます。
まあ、上の写真ではカエル像のが目立つ気がするのは・・・・気のせいですよね?
本堂
パッと見では本堂にみえないのですが、こちらが本堂になります。
切妻型の方丈に入母屋破風の向拝が付いた感じといいますか・・。
寺紋が三つ葉葵になっていて、岩屋寺との関係を彷彿とさせますね。
軍人像
中之院の境内には、コンクリートで作られた軍人像が祀られています。
テレビでも取り上げられることもあり、軍人像を紹介するサイトも多数存在します。御魂の祀り方は異なれど、これも英霊を祀る施設に違いはないわけです。
昭和十二年の第二次上海事変が勃発し、上海にあった日本租界への中華民国軍の進駐とそれに伴う日本軍との衝突が起こります。日本租界内は日本海軍の陸戦隊が防衛に当たっていたのですが、日本軍の10倍近くの戦力の中華民国軍との対立となり、上海の日本租界を開放するために8月23日に日本陸軍が上海に上陸をします。当初、中華民国軍の防戦もすさまじく、橋頭保を確保するだけでも精一杯だったといいます。その後、増員された日本陸軍によって中華民国軍は上海から撤退し、日本軍による上海支配が確立し行きます。
8月23日に上海の呉淞に上陸したのは名古屋を中心とした地域の出身者で構成された第三師団になります。そう・・・この中之院の軍人像となった方達が所属していた師団になります。まさに中華民国軍の眼前に上陸した第三師団は半月で壊滅してしまいます。この辺りの悲惨な状況は三好捷三氏が著した『上海敵前上陸』を是非読んでいただきたいと思います。
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著者の三好氏も歩兵第12連隊所属の下士官として呉淞に上陸しています。この中で、名古屋第三師団の中のある連隊が上陸後200名の隊員がわずか半月で10名になってしまったと描かれています。「・・・戦争じゃないよ、虐殺だよ。・・・」
安らかにお眠りください・・・それしか言えません・・・
参拝を終えて
中之院には、軍人像の脇に写真の様な地蔵尊が寄り添って建っている場所もあります。
この地蔵尊にどんな意味合いがあるのかは自分には知る由もありませんが、軍人像と合わせて世界平和を祈らずにはいられません。
次の目的地は
「大慈山 中之院」を後にして、知多四国霊場番外札所である「大慈山 岩屋寺 奥の院」に向かいます。