城跡巡り 安城市

高木城跡(愛知県安城市高木町) 高木氏発祥之地

2020年7月23日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

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城郭情報

城名高木城
所在地愛知県安城市高木町下屋敷地内
築城年天文十二年(1543年)
築城主高木清秀
城形式平城
遺構
規模不明
備考安城市指定史跡 昭和40年10月1日

訪問日:2020年7月2日

沿革詳細

 永禄六年(1563年)秋、上宮寺を発端として「三河一向一揆」が蜂起します。家臣団が分裂し一揆側に与する家臣も現れるなど、徳川家康は一揆勢に対し序盤から苦戦を強いられることになります。緒川城主である水野信元は甥である徳川家康を救援するために出馬し、 これに従った「高木清秀」は一揆勢を相手に奮戦、浅手を負ったと言います。翌年、一揆を鎮圧した家康は、高木清秀が水野信元の家臣であるにもかかわらず、高木氏の故地とする三河大岡郷を与え、その働きを賞したといいます。

 清秀がこの地に屋敷を構えたのは、本能寺の変において織田信長が討ち死にし、その後、徳川家康に直訴して天正十年(1582年)に家康の家臣となって以降の事だと思われます。清秀はその後も家康の戦に参戦武功をあげ、大岡郷周辺に一千石の領地を拝領していました。

 天正十二年(1584年)小牧長久手の戦いの際し高木清秀は高木郷の鎮守社である「日長神社/紹介記事」に武運を祈願したと伝えられています。そして、戦いの後、陣羽織と刀剣を奉納したと言い現在でも日長神社の社宝となっているそうです。

 天正十八年(1590年)、徳川家康が関東移封となると、清秀も関東に移り相模・武蔵・上総三国内で五千石の加増されます。この時、高木城は廃城となったようです。

 上記のような事から、高木城というよりは、高木館としての性格が非常に強いのではないかと思われます。1950年頃まではこの辺りに土塁跡が残っていたとも伝えられていますが、現在では宅地化が行われ遺構は残っていないとされています。

歴史探訪

 徳川十六将と呼ばれる武将の一人「高木清秀」が居していた館跡になります。元々は水野家に仕え、水野信元が謀反の疑いで処刑されると水野領を引き継いだ「佐久間信盛」の家臣となり、信盛が十九条の折檻状にて追放されると次は信長の直臣となったと伝えらえ、信長が本能寺の変にて討ち死にすると徳川家康に仕えたという中々異色な経歴の武将であるとも言えます。

 高木氏は清和源氏の血筋であるといい、清和源氏頼親の七世の孫信光が三河国碧海郡高木郷を本貫とし、高木性を称した伝えれています。清秀の父「宣光」は三河国碧海郡牧内に居していたとされていますが、信光から宣光までの間については系図紛失の為不明であるとされています。信光の子孫はやがて三河・尾張に分かれて居住したと伝えられ、寛政重脩諸家譜にも何系統かの高木性の系図が記載されています。

 前述していますが、館跡の遺構については残っておらず、現地に石碑と説明板が据えられているのみとなっています。しかし、この館に居していた「高木清秀」は慶長十五年(1610年)七月十三日に死去すると、岡崎市大和町にある「桑子山妙源寺」に埋葬されています。現在でも五輪塔の墓碑があります。

訪問記

 日長神社西側を通る市道を北に道なりに進むと、丁度碧海台地と沖積層の端境を進んでいく事になります。少し走ると、道路の東側に高木城とその説明板が設置されている場所が見えてきます。数年前までは道路の西側にあったようですが、民地だったのか道路の傾斜部分に移動されています。

 ガードレールを一部を切り取る形で高木城跡の碑と案内板が据えられています。東向きに据えられている為、石碑の後に広がるのは碧海台地東側の沖積層の低地となり遠く矢作川の堤防も望むことができます。

 この地を本貫とした信光が高木を称するようになったことから、高木氏発祥の地とも称している様で・・・

 現地案内板には、高木城址ではなく、高木氏発祥の地として看板が設置されています。清秀の子「政次」以降は丹南藩一万石の大名として国替えもなく明治維新を迎えている様です。譜代大名は国替えが多かったと言われていますが、一度も国替えが無かった譜代大名はどれくらいいるんですかね。

 清秀もこの眺めを見ていたんですかねえ。丁度、看板と木々に隠れていますが、岡崎城も遠くに臨める場所になります。

地図で所在地を確認

城郭名高木城跡
所在地愛知県安城市高木町下屋敷地内
最寄駅名鉄バス岡崎安城線「大岡バス停」徒歩6分

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