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孝養山明忠院(愛知県名古屋市緑区)四国直伝弘法四番札所

2020年10月13日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

 名古屋市緑区大高町にある四国直伝弘法四番札所「孝養山明忠院」になります。鷲津砦跡のすぐ北側に位置する場所に境内があり、大正時代にこの明忠院の境内に設けられた保育園が愛知県で最初の保育園という事で、愛知県保育園発祥の地としても有名な寺院です。

寺院情報

寺院名孝養山明忠院
所在地愛知県名古屋市緑区大高町鷲津五番地
御本尊釈迦如来金銅座像
宗 派曹洞宗
創 建天正元年(1573年)
札 所四国直伝弘法 四番札所
知多本四国移 八六番札所
尾張四国霊場 七九番札所
御朱印
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参拝日:2020年8月26日

沿革・由緒

 天正元年(1573年)、「山口海老之丞」なる物がが父母の追善孝養のために大高村の中之郷(現在の緑区中屋敷あたり)に「明忠庵」と称して創建したといい、真言宗の寺院でかなり広い境内を持ち、六坊の密院を有していたといいます。

 「山口海老之丞」なる人物について、はっきりとした事がわからないのですが、織田信長の一生を描いている「信長公記」によると、鳴海城を包囲している「丹下砦/紹介記事」に置かれた「水野帯刀」、「山口海老之丞」、「柘植玄蕃允」という守将の中にその名を見る事ができます。寺院を建立する事ができるだけの力を持った武将で信長からの信頼が厚く主要砦に置かれるだけの武将が同姓同名で二名も同時期にいるとは思えないので、ほぼ同一人物とみていいのではないかと思います。
 ちなみに、山口海老之丞は別の資料によると、山口家の本家筋となる市場城主「山口安盛」の孫である「山口盛隆」と同一人物であるとしています。ただ、山口海老之丞=山口盛隆であるとすると、盛隆は織田信長の美濃攻めの中、永禄八年(1565年)に起こった「堂洞合戦」にて戦死し、山口家は跡継ぎがいない為断絶、市場城は廃城になっており、明忠庵が建立された天正元年(1573年)には山口海老之丞は亡くなってしまっている事になります。
 この事から、山口海老之丞=山口盛隆でなない、又は明忠庵が建立されたのが天正元年ではなく永禄八年以前だったというどちらかになるのかと思います。

 その後、兵火などにより伽藍などが灰燼に帰してしまい廃寺同然となってしまうが、元和五年(1619年)に海老之丞の子孫ら山口一族が再興、大高の「大高山春江院」の善庵和尚を中興開山として曹洞宗に改宗しています。享保十七年(1732)に現在地に移転しています。

 また、大正十年(1921年)に愛知県下で最初の保育施設を境内に設けた事でもしられ、愛知県の保育園発祥の地となっています。

 明忠院の裏参道の入口脇に「青峰山観音」が奉安されている観音堂があります。この「青峰山観音」は高見、込高、中之郷(現鷲津)の3カ所に在り、海上安全に御利益のある志摩の青峰山正福寺(真言宗)の十一面観世音菩薩像を勧請して湊船着き場に配られて来たといい、現在でも奉安されているといいます。
 ・名古屋市緑区大高町高見  薬師寺 GoogleMap
 ・名古屋市緑区大高町虎新田 観音堂 GoogleMap

参拝記

 明忠院の北側になる裏参道の入口になります。参道脇には観音堂、地蔵堂、毘沙門堂があります。こちらの観音堂が由緒で紹介した大高町に三カ所あるという「青峰山観音」になります。
 ただ、自分がこの青峰山観音を知ったのは、参拝した後に明忠院の由緒などを調べていた時でして、参拝した時はこの観音の存在をしらず、ストリートビューで確認したくらいでして、今後機会があれば巡ってみたいと思います。

山門

 朱に塗られた薬医門の山門になります。こちらの山門がある参道が表参道になるようなのですが、この山門の目の前は明忠院が経営している保育園があって、こちら側には駐車場がないようですので、車で参拝される場合は裏参道から境内に入っていく形になるようです。

この山門を潜ると目の前には納骨堂があってその脇に

 由緒の所でも紹介していますが、「愛知の保育此処に始まる」と記された保育園発祥の地の石碑が据えられています。

手水舎

 木造瓦葺二本柱タイプの手水舎になります。柱に支え柱と筋交いが設置されて倒壊防止かな?と思ったら、この支え柱と筋交いを利用して奥に棚が作られていますね。これは面白い造りです。

本堂

 寄棟造瓦葺平入の向拝の設けられた本堂になります。中央に本尊の釈迦如来金銅座像が、その向かって左側には毘沙門天王がそれぞれ奉安されているようです。本堂の向かってすぐ左側には弘法堂が本堂と壁をいつにして建っています。

弘法堂

 弘法堂の中央には四国直伝弘法四番札所の札所本尊となる弘法大師像の他にも何体かの弘法大師像が奉安されていました。さらにその向かって左側には西国三十三観音の写観音像が奉安されています。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

御朱印

 本堂に上がる為の階段の隅に朱印の入った入れ物が置いてありました。四国直伝弘法四番札所の印が入っていたので、ここ明忠院では納経帳にセルフ朱印となるようです。

参拝を終えて

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所在地を地図で確認

寺院名孝養山明忠院
所在地愛知県名古屋市緑区大高町鷲津五番地
最寄駅JR東海 東海道本線「大高駅」徒歩3分
前札所霊場名次札所
三番:頭護山如意寺四国直伝弘法五番:日陽山東昌寺
八五番:多門山松仙寺知多本四国移八七番:天道山高照寺
七八番:大雄山祇園寺尾張四国霊場八十番:大高山春江院

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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