岡崎三十六地蔵 岡崎市 岡崎西国観音

東林山大泉寺(愛知県岡崎市中町)於大の方創建の寺院

2021年9月2日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名東林山大泉寺
所在地岡崎市中町東丸根38
御本尊木造薬師如来坐像
宗 派曹洞宗
創 建天文十二年(1543年)
札 所岡崎三十六地蔵 一番札所
岡崎西国観音 九番札所
御朱印〇/要予約
H Phttps://daisenji.localinfo.jp/

参拝日:2020年11月25日

沿革・由緒

 東林山大泉寺は徳川家康の生母「於大の方(伝通院)」が開基、俊恵蔵主を開山として天文十二年(1543年)に創建された寺院。創建当初の寺名は桃林山大仙寺と称した。

 寺伝によると、天文十一年(1542年)、於大の方の御懐妊がわかると、俊恵蔵主を岡崎城に呼び寄せ、持仏堂薬師如来に日々安産祈祷を行い、同年十二月二十六日に竹千代が無事生誕した。これにより、岡崎城の東北に位置する現在の境内地に薬師如来像を奉安する堂宇を建立、十三仏一軸、紋付打敷幕桃灯等を寄進し、寺号を大仙寺と称した。

 弘治二年(1556年)六月二十一日に今川義元、同年六月二十四日に松平元信(後の徳川家康)より寄進状及び制札の下附があった。同時期に義元と元信の両名より書状が送られたのは、形式上とはいえ西三河(岡崎城周辺)の領主は松平元信であることを示していると思われます。

 慶長六年(1602年)二月十日、伊奈備前守忠次より黒印地五石を賜り、この時の書状に「大泉寺」と記された事から寺名を大泉寺としたと言われています。

 宝永五年(1708年)正月、境内に鎮守社として白山社を勧請。
 享保二年(1717年)旧本堂を葺き替え、門内石階段を造営。

 境内には、「於大の方(伝通院)」の遺髪を埋めたという墳墓が現在まで残っています。

霊場を行く

 おかまいりの霊場巡りからは少し外れましたが、徳川家康の嫡子「松平信康」の首塚があり、信康を祀っている「若宮八幡宮/紹介記事」を参拝してきました。こちらの若宮八幡宮はその前を「菅生八幡宮」と称していた様で、江戸時代の岡崎十二社にその名を連ねていた神社になります。

 この若宮八幡宮から国道一号線を渡り北に向かって進んでいくと、岡崎三十六地蔵1番札所となっている「東林山大泉寺」の境内が見えてきます。

 この記事を書いている時点でスタンプラリーに使うスタンプ台などが設置されているのかは不明ですが、現在でも「おかまいり」の公式サイトが稼働している(H3.4.29現在)ので、まだスタンプラリーは実施されているのかも?。巡ってみたいと思った方は、まだスタンプラリーがやっているかどうかを岡崎市観光協会に問い合わせる事をお勧めします。

曹洞宗は黒地に白抜き!

参拝記

 大泉寺の門前は、門前向かって右側に鎮守の白山神社の鳥居と社殿が鎮座しており、その石造階段の雰囲気と合わさって非常に印象深い造形となっています。

境内入口

 写真左側の石段が大泉寺の境内に通じる石段、その隣に岡崎三十六地蔵1番札所となる「地蔵堂」、その隣に「秋葉山常夜燈」、その隣に元々は大泉寺の鎮守社「白山神社」が鎮座しています。

 白山神社は、明治なり神仏分離令により大泉寺も鎮守からこの辺りの産土神となり、無格社として独立した神社となっています。白山神社については次回紹介致します。

地藏堂

 岡崎三十六地蔵霊場、第一番札所の札所本尊「延命地蔵菩薩立像」になります。

 おかまいりのスタンプ入れは支柱の上に置かれたコンパクトタイプになっています。

山門跡

 石段を登っていくと、途中に基礎石が置かれていました。元々はこの場所に薬医門の山門があった痕跡になります。昭和二十年七月の岡崎空襲により山門・本堂を焼失してしまったそうです。

本堂

 切妻造瓦葺向拝が設けられた・・・造り的には仮本堂の様な感じ?・・・の本堂になります。江戸時代には神君家康公の母「伝通院」が家康の安産祈願をした薬師如来像を奉り建立した寺院ということで幕府からの庇護も相当なものだったと想像できますが、そういった寺院は明治維新後、庇護を失ってそれまでの繁栄は過去のものとなってしまい運営に苦労した寺院が多かったと聞きます。庇護が強すぎて庶民参拝禁止されたいた寺院などは檀家が皆無の為、特に辛かったそうですね。

伝通院墓所と西国観音霊場

 写真は門前に戻りますが、境内に通じる石段の脇に順西国三十三観音霊場の石碑が据えられていました。最初は西国観音堂があるのかな?って思っていたのですが・・・

 こんな感じで、三十三観音の写し観音像が札所順に据えられたミニ観音霊場が設けられていました。四国八十八ヶ所霊場のミニ御遍路は見かける事が多いですが、西国観音のミニ霊場は思い起こしても出会った記憶がないですねえ・・・。観音像が並んで鎮座されている観音堂はそれこそ数えきれないほどであってきましたが。

 この西国観音霊場の先には

 伝通院の遺髪を埋めたとする墓所があります。造りから想像するに元々は五輪塔じゃなかったのかなと思います。もしそうだったら五輪塔で非常に印象的な丸形の石材が抜けてしまっている事になりますね。

参拝を終えて

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
やっぱり、"るるぶ"を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名東林山大泉寺
所在地岡崎市中町東丸根38
最寄駅名鉄バス「げんき館前バス停」徒歩6分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

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