安城市

藤井戸(愛知県安城市藤井) 三河四名井

2020年6月5日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

史跡名藤井戸跡
所在地愛知県安城市藤井町字東山地内
備 考安城市指定史跡

訪問日:2020年5月25日

史跡概要

「三河四名井」と呼ばれるの井戸の一つになります。「安城市の桜井、古井、藤井、そして西尾市の浅井」という四つの地名の由来を伝えています。現在でも、「桜井戸跡」、「古井戸跡」、「藤井戸跡」は史跡として残っていますが、西尾市にある浅井戸跡は残っていない様です。

 鹿乗川のすぐ南側の藤井町東山に位置する藤井戸の現状は、茶畑の片隅に井戸の跡地として保存されている。昭和の初め頃までは湧水地だったが、埋め立てられ原型を変えた。今でも井戸さらいをすれば湧水があるという。

 伝説によれば、倭媛命が天照大神を奉じて、当地を訪ねられた時、この井から清水を汲んで献上したという。また、この井の水面に藤の花影が写り、井戸の水が紫色に見えたといい、村人は藤の名水とたたえ「藤井」とよんだと伝えている。

歴史探訪

 「三河四名井」という名数で呼ばれている井戸跡の一つ「藤井戸跡」を訪問してみます。「桜井神社」の祭神にもなっている「倭媛命」所縁の史跡の一つになっています。実は三河四名井に藤井戸と共に名を連ねている「古井戸」も倭媛命所縁の井戸跡の様です。倭媛命は伊勢神宮の鎮座地を決めたとされる皇族になります。倭媛命が三河国に入国したのかは定かではありませんが、矢作川の流域は古くは伊勢神宮の神領になっていた歴史をもっているので、何らかの関りはあるのかもしれませんね。

旧碧海郡桜井町の色々な史跡を巡っていく中、一覧みたいな記事を書こうかなと思って勝手に「桜井町誌」を作成してみました。「綾姫伝説」についてもまとめていく予定ですので、是非ご覧ください。

訪問記

 安城市から西尾市に抜けていく県道294号線沿いに「藤井跡」があります。鹿乗川を渡河する橋のすぐ南側に位置しているので、鹿乗川を目印に向かうとわかりやすいかと思います。

 正直な所、有名な史跡ではないので、もしかしたら普通にこの藤井戸の石碑前の県道を普通に走っていても気付いていない方も多いのでは?と思います。まあ、逆に気付いても車を停める場所が近くに無いので、中々藤井戸跡を訪れる事がないかなと思ったりもします。

 そんな自分も、ここ藤井戸跡は始めて寄らせてもらったのですが、石柱があるだけだと思っていたのですが、その奥に井戸跡が残っているとは全く想像していませんでした。

近年整備された井戸跡になります。この石組は古来からの物なのかは不明です。

 奥を覗くと、シダが茂っていて、井戸穴が開いている事が何となくわかります。由緒でも書いていますが、井戸をしっかりと整備すれば水がでるそうです。

 井戸脇には、藤井戸の説明が彫られた石板が置かれています。

地図で所在地を確認

史跡名藤井戸跡
所在地愛知県安城市藤井町東山地内
最寄駅あんくるバス2号桜井線「藤井東バス停」徒歩2分

-安城市
-,