岡崎三十六地蔵 岡崎市 岡崎西国観音

慶念山誓願寺(愛知県岡崎市矢作町)浄瑠璃姫伝説 岡崎三十六地蔵二十五番札所

2021年8月10日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名慶念山誓願寺
所在地愛知県岡崎市矢作町馬場四番地
御本尊木造阿弥陀如来立像
宗 派時宗
創 建長徳三年(997)頃
札 所岡崎三十六地蔵 二十五番札所
岡崎西国観音 十八番札所
御朱印
H P

参拝日:2021年1月13日

沿革・由緒

  この地にあった池にて溺死したという「慶念」という者の菩提を弔うために、長徳三年(997年)に池を埋め一宇を建て千體地蔵菩薩像を安置したのが誓願寺の始まりであり、境内にたつ十王堂は元々この一宇であると伝えられています。

 誓願寺は、「浄瑠璃姫伝説」として伝えられている源義経との間の悲しい恋の相手「浄瑠璃姫」の埋葬地としても広くその名を知られ、境内には浄瑠璃姫の墓所とされる宝篋印塔が奉安され、義経が姫に贈ったとされる「薄墨」と呼ばれる笛が伝えられています。

昔、この寺の境内の池で住職・慶念が溺死しました。長徳3年(997)、恵心僧都がその池を埋めて堂を建て、千体地蔵菩薩を造って安置し、慶念の冥福を祈ったことが誓願寺の始まりと言われています。

門前の碑によれば、1183年(寿永3)に矢作の里の兼高長者の娘・浄瑠璃姫が源義経を慕うあまり17歳の若さで菅生川に身を投げ、遺体は誓願寺に埋葬したそうです。長者は十王堂を再建し、義経と浄瑠璃姫の木像、義経が姫に贈った笛「薄墨」と姫の鏡を十王堂に安置し、それらは現在も誓願寺に伝えられています。

浄瑠璃姫の墓や供養塔は、岡崎公園の北口や成就院にもあることから、その悲しい恋物語を人々が大切に思っていたことが伝わってきます。

おかまいり公式サイトより

霊場を行く

 岡崎三十六地蔵二十六番「鏡立山光明寺/紹介記事」を参拝し、現在の国道一号線を横切り旧東海道を西に向かいます。矢作東小学校の正門前を通り過ぎると少し進むと、矢作保育園の看板が見えてきます。この矢作保育園は誓願寺が運営している保育園になります。
 境内が保育園となっているので、保育園が開いている平日に参拝すると、本堂、浄瑠璃姫の墓所などは参拝できないので注意が必要です。

 この記事を書いている時点でスタンプラリーに使うスタンプ台などが設置されているのかは不明ですが、現在でも「おかまいり」の公式サイトが稼働している(H3.4.29現在)ので、まだスタンプラリーは実施されているのかも?。巡ってみたいと思った方は、まだスタンプラリーがやっているかどうかを岡崎市観光協会に問い合わせる事をお勧めします。

時宗のスタンプは赤地に白抜き!

参拝記

 矢作地区は国道一号線と並走する旧東海道がそのまま残っている街並みがあり、その一角に今回参拝する誓願寺の境内があります。現在は誓願寺は矢作保育園を運営しており、平日の誓願寺境内は矢作保育園の敷地となっていて境内に入る事ができなくなるので、前述している「浄瑠璃姫の墓所」や本堂を参拝したい場合は保育園の休園日に合わせて参拝してください。

境内入口

誓願寺の境内入口には石柱門が設けられていますが、現在では保育園の園門と共用されています。岡崎三十六地蔵スタンプラリーで参拝した日は平日でしたので、写真の様に園門は閉じられていました。

十王堂・地蔵堂

 境内入口の脇に、東海道に面するように宝形造の屋根を持つ十王堂とその前に地蔵堂が建っています。元々は、溺死した慶念の菩提を弔うために建てられた十王堂が誓願寺の始まりとされ、さらに浄瑠璃姫を埋葬した時に再建されたと伝えられいます。

 こちらが十王堂に奉安されている十王像と地蔵菩薩像になります。この中の一体が「閻魔大王」になりますが、十王の見分け方が分からないので、どれなのかさっぱりわかりません・・・。

地藏堂

 十王堂の前に据えられている地蔵堂になります。こちらに「おかまいり岡崎三十六地蔵」の二十五番札所のスタンプが設置されているのですが、こちらの地蔵堂には札所本尊の地蔵菩薩が奉安されていないそうです。本堂に安置されているそうで、平日は本堂の前まで行く事ができない為、こちらにスタンプ台が設置されているようです。

2021.08.08再訪

本堂

 入母屋造瓦葺妻入りの向拝が設けられている本堂になります。基礎部分を見ると低床型の本堂になっていますね。こちらの本堂に岡崎三十六地蔵の札所本尊と岡崎西国観音の札所本尊が奉安されているようです。

浄瑠璃姫墓所

 中央の宝篋印塔が浄瑠璃姫の墓石であるそうです。左右に据えられている宝篋印塔は説明は載っていませんでしたが、侍従の物ではないかと思っています。

 一番左に据えられている少し大きめの五輪塔が浄瑠璃姫の父兼高長者の墓になるようです。娘の死を弔うために、誓願寺で遺体を埋葬し十王堂を再建した人物になります。

 そういえば、十王堂の前に「浄瑠璃姫菩提所」と彫られた石柱が据えられていました。

 岡崎三十六地蔵霊場を巡っていると、「浄瑠璃姫伝説」に纏わる寺院をいくつか巡る事になります。是非この機会一度浄瑠璃姫伝説を調べてみてほしいなと思います。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
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所在地を地図で確認

寺院名慶念山誓願寺
所在地愛知県岡崎市矢作町馬場四番地
最寄駅名古屋鉄道名古屋本線「矢作橋駅」徒歩8分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

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