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中尾山 千手院(西尾市東幡豆町) (旧)三河新四国 八番札所

2018年9月15日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名 中尾山 千手院
所在地 愛知県西尾市東幡豆町山崎二十四番地一
御本尊 千手観音菩薩
宗 派 真言宗醍醐派
創 建 文安三年(1446年)
札 所 三河海岸大師 番外札所
(旧)三河新四国 八番札所
三河新四国 六十三・六十四番札所
東条吉良観音 五番札所
御朱印
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参拝日:2018年9月11日
再訪2019年5月22日

三河新四国札所一覧

沿革・由緒

幡豆郷主中尾金重が、森村の沖で光り輝く千手観音菩薩を抱く人がこの地に菩薩を守護せよと告げた。これによって朝姫昌子が榊原坊甚光尼と改名して小庵を結び、千手院真言宗精舎を開設。その後廃絶し、昭和二年に西浦覚念法印が中興。三河新四国札所。

「幡豆町誌」より

三河新四国霊場を行く

三河新四国霊場を遍路してきて、「無量寺」の納経を終え、県道321号線を西に向かっていきます。いよいよ東三河である蒲郡市を抜け、西三河である西尾市に突入します。平成の大合併により西尾市に編入されましたが、それ以前は"幡豆郡幡豆町"でした。図書館などに置いてある三河新四国霊場を扱っている本を読んでいるとたまに合併前の住所時の本がありますので、そんな本を見ると時代を感じてしまいます。

三河海岸大師八番札所高松山 養寿院」、(旧)三河新四国七番札所性海山 妙善寺」、三河新四国六十一,六十二番札所西浦山無量寺」からそれぞれの霊場を遍路される方は今回紹介する「中尾山 千手院」を目指すことになります。

千手院」と「妙善寺」がまた新旧の三河新四国霊場で入れ違いになっています。ですので、西三河突入最初の札所が(旧)三河新四国霊場では「妙善寺」、三河新四国霊場では「千手院」になる訳です。

参拝記

西尾市立東幡豆小学校のすぐ北側にあるのが今回参拝する「中尾山千手院」になります。県道247号線と小学校の間に挟まれるような感じで千手院の境内があります。

札所案内看板

千手院の裏手側にあたる国道247号線沿いに"三河新四国63番、64番千手院"と書かれた青色看板が掲げられています。
この看板の所に数台車が止められる駐車場が用意されているので、車で参拝の方はこちらに停めると便利かなと思います。

 

国道から一本入った道を進んでいくと千手院の入口が見えてきます。千手院の境内入口には石柱門などの山門がなく、三河新四国霊場の幟旗が目印になるかと思います。

本堂

入母屋造瓦葺妻入りの向拝の設けられた本堂になります。
庫裏部分の屋根に本堂の大屋根が被さった様な造りになっていますね。

本堂の向拝の柱部分に三河新四国六十三番札所の案内板が掲げられています。

自分が納経に訪れた時、バイクのエンジン音で気付いていただいたみたいで、庫裏さんが「どうぞどうぞ」をそれぞれの蝋燭台に火と灯して頂き、ゆっくりと納経することができました。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

納経帳に朱印を押して頂いた時に、御接待を頂きました。ありがとうございます。御接待で頂いた物は、ありがたく我が息子がおいしく頂きました・・。

千手院にある六十四番札所はここ本堂ではなく、奥にある御堂の様です。

六十四番札所 不動堂

奥に向かっていくと、巨木の奥にひっそりと佇んでいるのが御堂があります。
不動堂と名付けられているその名の通り「浪切不道明王」が祀られています。

浪切不道明王とは?


空海が、遣唐使として唐に渡る船に乗って、東シナ海を航海中、嵐に見舞われ、船が沈没しそうになりました。その時、空海は自身で彫った不動明王像を掲げ、不動真言を唱えられました。すると、船を飲み込むような大浪が真っ二つに割れ、嵐をくぐり抜けてぶじ唐に辿り着くことができました。それ以来、この不動明王は、浪切不動明王と呼ばれ、弘法大師の護り仏として深く信仰されるようになりました。

浪切不道明王」は高野山の南院に祀られているそうです。知多新四国を巡っている時にも感じていたのですが、新四国霊場を巡っていると「浪切不道明王」が祀られている寺院が多いですね。また、言い伝えから「浪切不道明王」は海上交通の安全に功徳があると言われています。
ここ千手院も海からほど近い場所に建っていて、海上交通の安全への祈願を込めて祀られているんでしょうね。

切妻瓦葺平入の御堂になります。向拝というより庇って感じですね。
建物の周囲は水風除で波板のトタンが張られています。

質素な外観とは打って変わり、祀られている浪切不道明王から弘法大師像まで、彩色されています。

これは非常にインパクトがありますよ。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

御朱印

参拝を終えて

三河新四国霊場を巡っていると、東三河と西三河とで出会う霊場がここまで変わってくるのか!ってしみじみと感じます。特に西尾市に入ると蒲郡市で見かけた霊場をまったく見なくなりました。逆に、西三河、特に幡豆郡を領域とする霊場が登場してきます。それが「東条吉良観音」「西条吉良観音」「吉良西国観音」になります。吉良と呼ばれる場所は、鎌倉時代から吉良荘と言って足利家の勢力圏内という事もあり、三河国の中心地といってもいい場所でした。そんなこともあり、吉良を中心とする霊場も作られていったのかと思います。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
やっぱり、"るるぶ"を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名 中尾山 千手院
所在地 愛知県西尾市東幡豆町山崎二十四番地一
最寄駅 名古屋鉄道 蒲郡線「東幡豆駅」徒歩6分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

次の目的地は?

三河海岸大師三河新四国霊場を遍路されている方は三河海岸大師九番札所三河新四国六十五、六十六番札所性海山 妙善寺」を目指します。

(旧)三河新四国を遍路されている方は九番札所「粟嶋山太山寺

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