大府市 知多半島全部盛り紀行

子安神社(愛知県大府市共和町)

2020年10月30日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

 知多半島全部盛り紀行もいよいよ名古屋市を後にして大府市に突入しました。名古屋市と大府市の市境近くに鎮座する子安神社に参拝していきます。ここ子安神社は知多四国霊場八八番札所「円通寺」が別当寺を勤めていた事から奥の院と呼ばれていた事もあるようです。

神社紹介

神社名子安神社
鎮座地愛知県大府市共和町子安九十番地
御祭神木花咲耶姫命
旧社格村社
創 建不詳
神名帳
境内社津島社、皇大神宮、山之神社、秋葉神社、金山彦社、金乃比羅宮、弁才天
例祭日十月第二日曜日
御朱印
H P

参拝日:2020年10月7日

御由緒

 子安神社は、知多四国霊場八十八番札所「瑞木山円通寺/紹介記事」が別当を勤めていた神社となります。その為、子安神社の記録も円通寺所蔵の「子安神社勧化帳」に下記の通り記されています。

 「・・(前略)・・当地の円通寺境外扣山之内に神社在り子安大明神を勧請す。行基菩薩開闢巳前より安置する処にして往古より当郷の産神なり。・・(後略)・・文政二年七月」

 また、文禄二年(1593年)三月十八日に円通寺の住職「栄哲」が記した「観音縁起」では、「天平元年にこの地に行基菩薩が訪れ、瑞木山円通寺を開基した。この円通寺の西、一牛鳴の地の先に坂本という地があり、この地に子安大明神と称する神社が鎮座していたが、社が建立されて月日が経っており行基菩薩はこの子安大明神の精舎を創建し、神像として『准胝観音』を刻み本殿内に安置した。これを奥之院と呼び、円通、坂本、子安三処は神仏応縁、仏法繁栄として香煙の絶えることなく、坂本は日本三坂本の一つなりと言われた。」とあります。この事から、子安神社の創建は天平元年以前であると見る事ができます。

 観音縁起に出てくる「日本三坂本」の他の坂本はどこになるのでしょうかね・・・。「おっけーぐるぐる(OK Googleの息子の呼び方)」に尋ねてみても、プロ野球読売ジャイアンツの坂本勇人選手と坂本龍馬が出てきて、それらしい地名は全く出てこないです。

 また、子安神社の境内からは古墳時代の遺跡も見つかっているみたいで、前述の通り円通寺の資料の通り天平元年以前から祀られている神社だとしたら、その創建は古墳時代にさかのぼる可能性もありますね。古墳時代の集落の安産を祈願した磐座などが元々この境内地にあったかも?

 子安神社、祭神が「木花咲耶姫命」という事から、伊勢神宮皇大神宮(内宮)の境内社「子安神社」からの勧請され創建された神社なのかな?尾張国の三河湾側は伊勢神宮の影響力が非常に強かった場所とも言われているので、非常に可能性が高い様に思えます。

 円通寺縁起によれば人皇聖天武天天正元年(729年)の時、子安大明神ありとしるされている所からも古社なりと。尾張志に「子安ノ社 神明ノ社 山神ノ社二所四社ともに木之上山にあり」とある。明治五年、村社に列格した。

愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」より

参拝記

 大高から大府に抜ける県道23号線沿いのまさに名古屋市と大府市の市境近くに鎮座しているのが今回参拝する「子安神社」になります。上記ストリートビューは大府市から名古屋市方面(北向き)を望んでいます。県道すぐ左側に小高い丘がありますがこの丘が子安神社の境内地になります。大府市側から北に進んでいくと、この丘に向かって道が伸びているのがストリートビューでも確認できるかと思いますが、この脇道の先に実際に車やバイクで走っていると鳥居が見え隠れするので神社が鎮座している事がわかるのですが、これが名古屋市側から南に向かって走っていくと全く目印になる物がない為、見落として通り過ぎてしまう事にならないように注意してください(筆者は普通に通り過ぎました。)

境内入口

 ストリートビューで紹介した県道23号に沿うように伸びる子安神社に向かう脇道の突き当りに子安神社が鎮座しています。県道23号線は明治以降に作られた道路になるので、子安神社の参道を横切る様に道路が新設されたのかもしれませんね。

社号標

 旧社号である「村社」が彫られている社号標になります。新しい社号標が据えられている為、少し参道の脇に追いやられている感がしますね。

鳥居

 神明鳥居になります。建立年月を調べ忘れてしまったのですが、全体の質感から社号標と同時期に建立されたのかなと思います。

社殿

 入母屋造銅葺平入RC造の拝殿とその後方に神門が設けられた瑞垣に囲まれた本殿になります。自分が住む岡崎を中心とする西三河南部ではこういった造りの拝殿を見るとほぼ間違いなく、本殿ー幣殿ー本殿(覆殿)が一体となった社殿になっているので、ここ子安神社の様な造りは非常に新鮮です。

 拝殿の後方(本殿側)に向拝の様な庇が設けられています。この社殿配置は先ほども言いましたが三河地方では中々見かけない感じですね。知多半島を巡って行く中でこの社殿配置と似た感じの神社に行き会う事ができるでしょうか。

地図で鎮座地を確認

神社名子安神社
鎮座地愛知県大府市共和町子安九十番地
最寄駅大府市循環バス西コース 「壱ツ田」バス停徒歩3分

ご自宅にお札は祀られていますか?

実家には神棚はあっても、今お住いの所には神棚がない方も多いかと思います。神棚には、日本の氏神である"天照大御神"とご自身がお住いの氏神様のお札を掲げると御神徳が宿るとされています。
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南向き、もしくは東向きになる様に、そして目線の高さより上になる様に、棚などの上において頂くとよいかと思います。是非、皆様もご自宅に神棚をご用意いただき、御札を納めてほしいなと思います。

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