岡崎三十六地蔵 岡崎市

高岩地蔵(愛知県岡崎市菅生町)岡崎三十六地蔵三十三番札所

2021年7月7日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

寺院情報

寺院名高岩地蔵
所在地愛知県岡崎市菅生町蟹沢四十八番地
御本尊地蔵菩薩坐像
宗 派真宗高田派
創 建不詳
札 所岡崎三十六地蔵 三十三番札所
御朱印
H P

参拝日:2021年1月13日

沿革・由緒

 元々高岩観音が奉安されていた場所は、菅生川(乙川)にせり出していた岩礁地帯だったそうで、この岩のある場所を「高岩」と呼んでいたそうです。(現在では護岸工事によってえすべて掘削されて面影は全く残っていません。)

 実はこの「高岩」という場所は、岡崎市の神社史を見ていく中で非常に重要な場所であると言えるかと思います。

ポイント

 岡崎市最古の神社と伝えられている「菅生神社」の由緒を見ると、日本神話における最大の英雄「ヤマトタケル」が高岩から矢を放ち、その矢が流れ着いた場所にその矢を御神体とする神明社を創建したという伝説が残っていると記されています。そしてその後、永正十四年(1517年)この高岩に現在の岡崎市宮崎町から大雨により流出した「天王社」がこの高岩に漂着、翌年には高岩に社殿を建立し「菅生天王社」が創建されています。(後年、天王社は再び大雨で流出し、少し下流の亀井戸に漂着しています。)この菅生天王社が前述と神明社、そして後年勧請された稲荷社が合祀して「菅生天王社(明治時代に菅生神社に改称)」しています。

 そして詳細は不明ですが、高岩に地蔵尊と弁財天が安置される事になります。もしかしたら菅生天王社が鎮座していた事から境内社の様な形で鎮座していたのかも?

 (旧)岡崎市史第七巻には、天保十五年の霊場開創当時の岡崎三十六地蔵の札所一覧が載っていて、これをみると、三十五番札所萬性寺領高岩地蔵と記されています。江戸時代には高岩は浄土真宗高田派の田生山満性寺の寺領にとなっていた事がここからわかります。

 元は、菅生川(乙川)にあった一群の岩場の中の高い岩の上に高岩弁財天とともにまつられていたと伝えられます。享和3年(1803)に現在地に移転しました。いっしょにまつられていた高岩弁財天は、明治元年(1868)に菅生川堤防建設にともない遅れて移転します。地蔵尊と弁財天がまつられていた高岩は、昭和54年(1979)の乙川堤防改修工事によってほとんど撤去されました。
 現在は、満性寺の東側にある蜜奉寺正面右手から入った場所に、高岩弁財天と並んでおまつりされていて、安産と無病息災のお地蔵さまとして地域の人々に守り続けられています。

おかまいり公式サイト

霊場を行く

 岡崎三十六地蔵三十四番札所である「田上山満性寺」の参拝を終えて、菅生川(乙川)の北岸を東に向かって歩いていくと、真言宗の蜜奉寺が見えてきます。今回参拝する「高岩地蔵堂」はこの蜜奉寺とはほぼ境内を一にしているような位置関係になっていて、蜜奉寺の建物とその隣に立っている消防団の車庫に隠れる様に少し奥まった場所に地蔵堂と弁才天堂が建っています。

 堤防を進んでいくと、高野山大師教会 天如庵支部と彫られた寺号標がみえます。そしてその脇に掲げられている赤い幟には白抜きで弘法大師と書かれている事から、ここが真言宗の協会であったことがわかってきます。

 知多四国や三河新四国を始めとする弘法大師霊場を遍路していると、弘法大師と書かれた幟に反応してしまいます。当然、ここでも納経していく事にします。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

高岩観音はこの大師教会から改称した?「蜜奉寺」の東隣が消防団の車庫となっていて、此の車庫の裏手側に奉安されています。

 この記事を書いている時点でスタンプラリーに使うスタンプ台などが設置されているのかは不明ですが、現在でも「おかまいり」の公式サイトが稼働している(H3.4.29現在)ので、まだスタンプラリーは実施されているのかも?。巡ってみたいと思った方は、まだスタンプラリーがやっているかどうかを岡崎市観光協会に問い合わせる事をお勧めします。

参拝記

 堤防からでは中々気付きにくい御堂となっているので、蜜奉寺または消防団の車庫を目印にして向かってください。

「高岩 弁財天・地蔵尊」と彫られた石標が据えられています。この石標の前には、

 それぞれの本尊の絵が掲げられていました。

最初は先に紹介した真言宗の蜜奉寺の境内に建っているのかなと思っていたのですが、「満性寺領」だった歴史がある事から、今でも管理は満性寺が行っているのかな?ただ見る限りでは中間に消防団の車庫が建っているとはいえ、ほぼ境内を一にしている感じがするんですけど・・・。

切妻妻入りの御堂が地蔵堂、宝形型の屋根が弁財天堂になります。

 おかまいりのスタンプ台は地蔵堂と正対する感じでスタンプ入+支柱の構成で設置されていました。一番最初に参拝しているのか、スタンプ入の上側には朝露でべっちょりぬれています・

御朱印

 自分は頂いていないのですが、おかまいりが始まってから、高岩地蔵では御朱印を用意している様です。常に頂けるわけではなく、なんらかの祭の時限定での対応になるようですので、おまかいりの公式サイトなどをチェックすることをお勧めします。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。
やっぱり、"るるぶ"を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名高岩地蔵
所在地愛知県岡崎市菅生町蟹沢四十八番地
最寄駅名古屋鉄道「東岡崎駅」徒歩8分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

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少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

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