補陀山圓通寺(名古屋市熱田区神宮) 日本最古唯一の秋葉出現道場

 名古屋市熱田区にある曹洞宗の寺院です。秋葉山神殿に「秋葉山三尺坊」の御神体を奉安する秋葉信仰の寺院でもあります。室町時代に当寺で秋葉三尺坊が僧に化けて修行をし秘法を習得した事に歓喜のあまり姿を現したといい、秋葉権現唯一出現霊場とも称しています。

寺院情報

寺院名補陀山圓通寺
所在地名古屋市熱田区神宮二丁目三番十五号
御本尊釈迦如来
宗 派曹洞宗
創 建弘仁年中(810-824年)
札 所愛知新四国霊場 一番札所
尾張新四国霊場 二十六番札所 
御朱印
H P〇(web

参拝日:2020年2月5日

由緒・沿革

 弘仁年中(810-824年)に「空海」が熱田神宮に参篭し錫留した時に、自ら「聖十一面観世音観音」を刻み、一宇を建立したのが圓通寺の創建となっています。

 空海による創建以前からこの地には一宇(護摩堂か?)があった様で、白山を開山した「泰澄大師」が錫留し、この時に「清十一面聖観世音菩薩」を奉納したとも伝えられ、寺宝として現在まで伝えられています。泰澄大師は白鳳時代(645-710年)の間に活動された僧侶であり、空海より凡そ100年前ごろに熱田神宮に錫留されていた事になります。

 圓通寺の御堂は老松の下に建てられた様で「松下の観音」と呼ばれていたようです。
 時代は下り、南北朝時代の北朝明徳二年/南朝元中八年(1391年)、田島尾張守仲宗による開基、誓海義本を開山とし、曹洞宗に改宗し中興開山をしています。(中興開山の年数については所説あるようです。)この時、山号を松露山、寺号を圓通寺と称しています。山号は年代不明ながらその後現在の補陀山に改められています。

 名古屋名所図会にも圓通寺の境内の図が載っていました。
 秋葉堂の前には鳥居が据えられていた事がわかりますね。この図を見る限り、秋葉大権現は寺院の仏様というより、神社の神様の要素が強かった様に思えます。また名所図会を読むと、鎮守社として弁才天と並び秋葉社と記載されていました。

 円通寺には塔頭が二所「瑞用軒」「陽谷軒」が存在していました。現在では廃寺となっている様ですが。
 また、末寺は明治末期には十八カ寺あったようです。
白鳥山法持寺/紹介記事」、「大喜山法正寺」、「亀宝山福重寺」、「金重山宗福寺」、「北高山成福寺」、「久喜山秀泉寺」(白鳥町)、「松聲山松屋院」(中瀬町)、「眉間山白毫寺」、「竜雲山法泉寺」、「稲荷山長楽寺」、「法蔵寺」、「芳樹山成道寺」、「醤王寺」、「天聖寺」、「亀井山龍泉寺」、「長福寺」(愛知郡呼続町)、「常安寺」(西春日井郡豊山村)、「林泉寺」(愛知郡金城村)

名古屋二十一大師を行くー寄り道遍ー

 名古屋二十一大師十四番札所「雲龍山喜見寺/紹介記事」とは江戸時代の地図を見ていると境内を接するように建っていた「補陀山圓通寺」を参拝していきます。本来の寺号は「補陀山」の様なのですが、境内やHPなどを見ていると「秋葉山」という山号を用いています。山号って何種類も持てるものなんですかね?
 弘法大師が創建したとも言われる寺院である為なのか、「尾張新四国霊場」と愛知郡と春日井郡を霊場とする「愛知郡春日井郡新四国霊場」の札所に選ばれています。

参拝記

 これでもかと「秋葉三尺坊大権現」をアピールしてくる幟が目を引きます。この道を道なりに北上してくと、神宮前駅、金山駅と主要駅近くを通り、大須、栄といった主要繁華街を通り抜け名古屋城の東側を抜けていく「大津通」という名古屋市内でも有数な主要幹線になります。もしかしたら、気付いていないだけで円通寺の前を走り抜けている方も多いかと思います。

山門

 袖壁が設けられた薬医門の山門になります。最近建てられた山門のようですね。

本堂

 山門から真っ直ぐ伸びた参道の先には、重層造りとなっている入母屋造瓦葺平入の鉄筋コンクリート造りの本堂が建っています。
 本尊の釈迦如来像と共に、泰澄大師、弘法大師が刻んだとされる聖十一面観世音観音像が安置されているそうです。新四国霊場の札所本尊である大師像もこちらに奉安されていると思うのですが・・・・。

「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」「南無大師遍照金剛」・・・

秋葉山神殿

入母屋造瓦葺妻入りの向拝の設けられた秋葉山神殿になります。太平洋戦争の空襲により焼失してしまったそうですが、昭和三十二年に再建されています。全体の雰囲気は、諸室する前の神殿の感じを色濃く受け継いだ様式になっています。

 円通寺は「日本で唯一の秋葉出現霊場」と称しています。

 室町時代、円通寺の中興開山をおこなった「誓海義本」の高徳を慕い、多くの修行僧が円通寺に集い、修行を行ったとされます。この多くの僧達の中に僧形に化けた「秋葉三尺坊」がいたといいます。そして修行を終え、ついに印可証明を受け仏祖正伝の法脈を授けられた「秋葉三尺坊」は歓喜のあまり、狗賓の正身(天狗僧形の姿)を現わし、「鎮防火燭」の秘呪と護符を捧げ、永く圓通寺の鎮守を誓ったと言われています。

奥之院

 秋葉山神殿の右側には、円通寺奥の院が設けられています。
 奥の院には「毘沙門天」が祀られているようです。
 その奥の院の手前側に鎮座しているのが鎮守社となる「弁才天堂」になります。円通寺の中で唯一太平洋戦争の戦災を免れた建物なんだとか。

毘沙門天像

 山門から本堂に向かう参道の脇に据えられている一体の毘沙門天王像。
 こちら、コンクリート仏師として著名な「浅野祥雲」氏が作成し奉納した毘沙門天王像になるそうです。当サイトでも以前紹介した南知多町にある「大慈山中之院/紹介記事」に眠る軍人像群を作成した事でも有名な方です。愛知県を中心として東海地方には浅野祥雲氏が残したコンクリート石像が数多く残っており、浅野作品を取り上げているサイトも数多く存在しています。

地図で所在地を確認

寺院名補陀山(秋葉山)円通寺
所在地名古屋市熱田区神宮二丁目三番十五号
最寄駅名古屋鉄道「神宮前駅」徒歩5分
名古屋市営地下鉄名城線「伝馬町駅」1番出口徒歩2分

次の目的地は?

名古屋二一大師を行く

熱田区を抜け、南区にある一五番札所「海底山地蔵院/紹介記事」を目指します。

名古屋二一大師を行く-寄道遍-

蓬莱伝説にその名が出てくる「宝亀山蔵福寺/紹介記事」を参拝します。 地図上では「多賀殿」と表記される事が多い様です。

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