古墳巡り 安城市

姫小川古墳(愛知県安城市姫小川町) 国指定史跡

2020年5月15日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

古墳名姫小川古墳
所在地愛知県安城市姫小川町姫四十番地
形状前方後円墳
規模全長66m
指定・種別昭和2年 国の指定史跡

訪問日 2019年9月24日

訪問記

 前回紹介した「姫塚古墳/紹介記事」から南に100mほどの距離に築かれている古墳が今回紹介する「姫小川古墳」になります。古墳の墳丘上には村社である「浅間神社/紹介記事」が鎮座しています。

 沖積地である田園地域から姫小川の集落に抜ける市道沿いに今回訪れる「姫小川古墳」になります。昭和二年に、浅間神社の境内全域を指定するような形で姫小川古墳全域を国の史跡に指定されています。

 「史蹟姫小川古墳」と彫られた石碑が建っています。側面に「史蹟名勝天然記念物保存法に依り昭和二年十月内務大臣指定」と彫られています。

 桜井町の色々な史跡を巡っていく中、一覧みたいな記事を書こうかなと思って勝手に「桜井町誌」を作成してみました。正直な所、まだ巡っていない場所のが多く、何時完成するのかはまったくもって未定ですが、一度みてやってくださいませ。

姫小川古墳の沿革

 「姫小川古墳」は「獅子塚古墳/紹介記事」、「姫塚古墳/紹介記事」などと共に、桜井古墳群の南部支郡を形成している古墳であり、二子古墳と共に古墳時代前期に築かれたとされ、桜井古墳群を代表する古墳になります。
 全長66mの前方後円墳であり、後円部に「浅間神社」が鎮座しています。前方部分が東南東にむいていて、浅間神社は南向きに鎮座しているので、前方部分は現在では神社関連としては使われていない形になっています。

 桜井古墳群を形成する「二子古墳/紹介記事」とはほぼ同時期に築かれた古墳ではないかとみられており、二子古墳と同様にこれまで埴輪などは置かれていなかったとされていましたが、平成二十八年度の調査で、姫小川古墳のくびれ部から埴輪の小片が出土したそうで、これまで考えられていた古墳像が変わるかもしれない発見なんだとか。

 姫塚古墳に設置していある説明板と比べると一世代古いタイプになりますが、姫小川古墳の図が書かれていて、古墳と神社との関係が分かる様になっています。
 明治維新前の神仏習合期には墳丘上には浅間神社の本地仏である薬師如来が奉安されていたようですが、現在でもこの薬師如来は古墳上からは移されていますが、浅間神社のすぐ隣に薬師堂が設けられそこに奉安されています。

 また後日紹介しますが、この姫小川古墳に鎮座する「浅間神社」の由緒には、姫小川古墳は孝徳天皇の皇女「綾姫」の陵墓であるとしています。姫小川という地名の姫は綾姫の事なんだとかで、皇女の方がこの地を訪れたかどうかは不明ですが、地名にその歴史が刻まれている事から、都から身分の高い姫様がこの地を訪れ住んでいたと考える事ができるのかなと思われます。

 「綾姫伝説」につきましては、綾姫の陵墓とされ、墳丘上に綾姫の供養塔と考えられている「姫塚墓」と彫られている宝篋印塔が据えられている「姫塚古墳」の記事の中で紹介していますので、ぜひこちらをご覧ください。

訪問記

 後円部分に鎮座する「浅間神社」に向かって真っすぐ石段が伸びているのがわかりますね。後円部の高さは11mもあり、往時の古墳の高さを現代に伝えている様です。

 この角度から見ると、写真の右手に前方部分が伸びていて、後円部より一段低くなった前方部分が形成されているのを見る事が出来ます。

 前方部分から後円部に鎮座する「浅間神社」の社を望みます。前方部と後円部とではかなり高さが異なっていて、一段高くなっている前方部からでも後円部は4~5m程高くなっている事がわかります。

 姫小川古墳の麓には、浅間神社の祭神である「木花咲耶姫命」の本地仏とされてきた「薬師如来像」が奉安されています。元々は浅間神社の社殿にて共に祀られてきたようですが、江戸時代になり姫小川古墳の前方部分に薬師堂を建立し遷座していたようです。しかし、風雪に耐えてきた薬師堂もかなり老朽化した為、現在の場所に薬師堂を再建し遷座奉安しているそうです。

桜井古墳群の古墳一覧

1:塚越古墳(前方後円墳または前方後方墳)、2:東川古墳、3:三ッ塚1号墳、4:三ッ塚2号墳、5:三ッ塚3号墳、6:愛染古墳、7:印内北分1号墳、8:印内北分2号墳、9:二子古墳(前方後方墳)、10:比蘇山古墳(前方後円墳または前方後方墳)、11:山伏塚古墳(前方後円墳)、12:碧海山古墳、13:堀内古墳(前方後円墳)、14:もも塚古墳、15:獅子塚古墳(前方後円墳か)、16:姫塚古墳、17:崖古墳、18:姫小川古墳(前方後円墳、国の史跡)、19:王塚古墳、20:加美古墳、21:八ツ塚古墳。

地図で所在地を確認

古墳名姫小川古墳
所在地愛知県安城市姫小川町姫四十番地
最寄駅名古屋鉄道西尾線「桜井駅」徒歩12分

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姫小川古墳に鎮座
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