知立市

大悲山小松寺(愛知県知立市西町)

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

ONE POINT

 知立市西町にある曹洞宗の大悲山小松寺の紹介です。ここ小松寺には池鯉鮒宿脇本陣の玄関部分が観音堂として移築転用されていますが現存しています。そして、徳川家康の次男結城秀康とは双子だったと伝えられる氷見貞愛の墓が安置されています。

寺院紹介

寺院概要

寺院名大悲山小松寺
所在地愛知県知立市西町本田七十六番地一
創 建不詳
宗 派曹洞宗
御本尊地蔵菩薩像

霊 場

霊 場

文化財

国 宝
国指定
県指定
市指定
町指定
村指定
井村祖風墓 徹堂墓
池鯉鮒宿脇本陣玄関
地蔵菩薩立像

参拝情報

御朱印不明
URL
駐車場
参拝日2022年3月16日

御由緒

 元々は旧東海道が通っている名古屋鉄道名古屋本線の知立駅のすぐ西側に鎮座していた寺院だが、令和四年現在でも工事が行われている知立駅の高架化とその周辺の区画整理事業により平成十九年(2007年)に逢妻川の左岸に移転しています。

 伝承では、小松重盛は平安時代末期に政権を牛耳った「平清盛」の嫡子である「平重盛」の事をいい、六波羅小松第に居していた事から小松重盛と称された。この重盛は嫡子であり、平清盛の後継を期待されながら病で清盛より先に亡くなってしまう。この時清盛は重盛の菩提を弔う為、諸国に寺院を建立したとされ、今回紹介している大悲山小松寺もこの時に創建された寺院であるとする。

氷見貞愛墓所

 一説には徳川家康の落胤とされる。家康の次男である「結城秀康」は双子として生まれた。当時は双子は犬畜生と同じであると忌み嫌わたという事から、双子の内一人については家康から実子として認めらず、母(於万の方)の実家である知立神社の社家である「氷見氏」に預けられたという。氷見氏に預けられた子は「氷見貞愛」と名付けられ、知立神社の宮司職を譲り受け三十二代神主となるが慶長九年(1604年)十一月十六日に死去。

 結城秀康と同時に生まれたとする氷見貞愛に墓石について、現地でその説明板などは掲げられていませんが、小松寺の境内に据えられているといいます。

 後で紹介しますが、池鯉鮒宿脇本陣玄関部分を転用した観音堂の脇に据えられた墓石や井村祖風・徹堂の墓石の隣の宝篋印塔が氷見貞愛の墓石であると紹介されています。

(碧海郡)知立町大字池鯉鮒に在り。曹洞宗の寺なり。創立年時詳ならず。慶長十年僧策淳を以って中興の祖とす、本刹舊と小松重盛の像を安置せりと云ふ。重盛薨じて父の清盛其の冥福を祈るがため諸国に一寺を建立すと傳ふ此の寺域は其の一なるべきか。

愛知県碧海郡誌より

愛知県下新十名所:三好稲荷を巡る

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御朱印帳の保管に

 数年前より非常に集める方が増えた「御朱印」ですが、皆様は御朱印帳はどうやって保管していますか?神社・仏閣を廻って御朱印を受けているとあっという間に御朱印帳の冊数が増えていきますが、そのまま棚などに置いている方が多いのでは?。せっかくお受けした御朱印ですので、日本では古くから着物を始めとして大切なものを保管する為に使われていた「桐箱」に入れて保管した方がよろしいかと思います。

 ぜひ、皆様も桐箱に御朱印帳を保管されてみたらいかがですか?

参拝記

 国道155号線が国道一号線をオーバーパスしている宮腰交差点を豊田方面に向かい、逢妻川の左岸堤防にそれて配水ポンプ場を超えると今回紹介する小松寺の境内が見えてきます。

 区画整理によって移転を余儀なくされた訳ですが、逆に言えば平成になって曹洞宗の寺院を一から創建する事が出来るという事ですから、現在の曹洞宗の理想の寺院様式なのかなと思ってみたり。

境内入口

 小松寺の境内入口については非常に開放的に設けらられています。また、駐車場もかなりの台数が停められるように用意されているので車で参拝に向われる方も安心して向かう事ができるかと思います。

山門

 入母屋造銅板葺き妻入りの楼門による山門になります。妻入りの大屋根を持つ楼門は初見だったかと。また、一層部分は八脚門となっていて間の部分に仁王像を安置できるようになっています。

 大屋根部分が平入なのか妻入なのかで受ける印象が大きく変わってくるという事が小松寺の山門を見ていて改めて実感しました。特に楼門については寺院によってそこまで造りに違いがない訳ですから、屋根の形状違いによる印象の違いは明確に感じることができるかと思います。

 山門の門扉上には「小松禅寺」と書かれた扁額が掲げられています。山門から真っ直ぐ本堂に向かって石畳の参道が伸びているのが見て取れるかと思います。

境内

 山門を潜ると、正面に本堂、向かって右手に庫裏、向かって左手に僧堂が整然と立ち並んでおり、山門を含めて廻廊によってすべての建物が繋がっています。簡単に言えば口の字に伽藍が建っている感じです。

本堂

 入母屋造銅板葺平入の重層屋根の本堂となります。無垢材の色と白壁の色の極端なこと言えば二色で構成された本堂で、扉、窓がすべて閉じられている・・・(中は漆黒の闇なのかな?)・・・なんとも言えない雰囲気を感じる本堂になります。

池鯉鮒宿脇本陣玄関

 本堂の脇には、現在では観音像の鞘堂として使われている知立神社脇本陣の玄関部分が据えられていました。玄関部分といっても、観音堂として転用されたのは正直屋根部分だけなんだとは思いますが。切妻屋根に唐破風が設けられた屋根形状になっています。脇本陣とはいっても玄関は一間幅だったようですね。

井村祖風・徹堂の墓石

 三基並ぶ墓石の右側二基が井村祖風と徹堂の墓石になります。俳人である井村祖風は松尾芭蕉百回忌に合わせて知立神社などに句碑を奉納しているんだとか。実は、祖風の墓は同じ知立市の「八幡山無量寿寺」にも据えられています。

無量寿寺の祖風の墓石

「かきつばた」で非常に有名な無量寿寺の境内の一角に祖風の墓石と門人によって建てられた句碑が据えれています。当サイトでは三河新四国霊場を遍路している時に参拝しており、寺院紹介記事もアップしています。ただこの記事の中で祖風の墓石と句碑については紹介していなかったので、こちらで紹介させて頂きます。

 向かって左が祖風の墓石、右側の巻物の形状しているのが門人によって建立された句碑になります。

御朱印

 確認していないため御朱印を頂けるかどうかは不明です。

参拝を終えて

 実は、小松寺の境内には盛土の上に据えられた宝篋印塔が一基あり、さらにその周りを柵が囲んでいる非常に意味ありげな墓所?があります。まったく説明がないのでその正体は全く分からないのですが、最初これが氷見貞愛の墓石かな?って思ってしまいました。ネットで調べているとどうもこれは氷見貞愛の墓石じゃない様なのですが、ではこの宝篋印塔は誰の墓石なのか・・・非常に興味そそられるところです。

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やはり、旅先の情報はネット検索もいいですが、るるぶなどの旅行ガイド雑誌が一番ではないかなと思います。ネット情報はどうしてもディープになりがちで、いざ旅行に行こうと思っても、俯瞰的な情報が不足しがちな気がします。 やっぱり、"るるぶ"を見ながら、旅の予定表を作っていくのも、旅行の醍醐味ですよね。

所在地を地図で確認

寺院名大悲山小松寺
所在地愛知県知立市西町本田七十六番地一
最寄駅鉄道:名古屋鉄道 名古屋本線「知立駅」徒歩18分
バス:知立市コミュニティーバス「保険センターバス停」徒歩12分

寺院・霊場巡りの際のバイブルに

 元々、当サイトは神社巡りを通じて、皆様の住んでいる所にある"村の鎮守の神様"と呼ばれる神社を紹介してくサイトを目指していたんです。むしろ寺院については、縁遠いものとおもっていたんですよね。しかし、ちょっとした御縁で弘法大師霊場に出会い、そして愛知県では一番活動が盛んな"知多四国霊場"を巡礼、結願する事になりました。でも、神社の事はある程度知識があっても、寺院については未知の世界だったので、少しでも巡礼の時に役に立てばと思い、こちらの本を読ませて頂いております。

少しでも巡礼の時にお役に立てる事もあるかと思います。是非一度読んでみてくださいませ。

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