矢作川神社巡り紀行

矢作川神社巡り紀行Part.3

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

前回は、矢作川にかかる小川橋から矢作古川の左岸を進み、矢作古川と支流である安藤川が並行して流れている吉良頭首工まで、七社の神社と境外社1社を紹介してきました。
今回は、吉良頭首工から矢作古川の旧吉良町側にあたる左岸をさらに下り、河口まで一気に進んでいきたいと思います。田園風景から徐々に海の香りがする干拓エリアへと風景も徐々に変わっていきます。

スタート地点:吉良頭首工

矢作古川と並走する安藤川に設置された吉良頭首工なんですが、厳密にいうと、矢作古川側が古川頭首工、安藤川側が吉良頭首工と言うらしいです。これを一体で管理しているので吉良古川頭首工として呼ぶのが正解らしいです。
そんな勝手に省略してしまった吉良頭首工ですが、ここから農業用水や今や一大ブランドとなった一色地区の養鰻専用の用水の取水が行われています。地下水ではなく、矢作川の水を利用して一色のうなぎは養殖されていたんですね。

八幡社(西尾市吉良町岡山)

吉良頭首工で地図を見ていると、左岸側の住所が西尾市吉良町岡山という地区になっています。そこでまずは、岡山地区に鎮座している八幡社に向かう事にします。

頭首工左手の丘陵地帯を回り込むようにして進んでいきます。
この辺りは、忠臣蔵で悪役にされてしまっている吉良上野介が納めていた場所になり、今から目指す八幡社も吉良家の陣屋に元々鎮座していたそうで、いつの時代かは不明ですが現在の鎮座地に遷座しています。

そんな吉良家の陣屋跡も上記の様に整備されていまして、門の後ろの銅像は馬上の吉良上野介の銅像になります。

更に吉良家由来の場所が多く存在する場所でして、

吉良家の菩提寺である華蔵寺

華蔵寺前に置かれた吉良上野介の銅像

吉良家は元々足利家に近い血統を持つ一族で、足利家から分派した吉良家非常に高い家格を持っていたと言われています。

「御所が絶えれば吉良が継ぎ、吉良が絶えれば今川が継ぐ」

こんな事まで言われた一族なんですが、徳川家康の三河統一の際、吉良家は家康と対峙し破れ本城である東条城を追われ吉良家は衰退してしまいます。その後、旗本として取たれらてた吉良家の四代目が吉良上野介になります。そんな吉良家が納めていた東条城跡には八幡社が鎮座しており、今後紹介していく予定です。

そんな吉良家ゆかりの場所を通り抜けて丘陵地帯に入っていくと

八幡山に鎮座する八幡社に到着します。


八幡社(愛知県西尾市吉良町岡山)

春日神社(西尾市吉良町上横須賀)

岡山の八幡社を後にして、そのまま南下し上横須賀地区に鎮座する春日神社を目指して進んでいきます。

ルートは上記mapの通り進んでいきます。
途中、名鉄西尾線をアンダーパスして、上横須賀地区の集落の中に入っていきます。

こんな感じの非常に低いガードが見えてきます。2.2mあるので普通車でしたら問題なく通れますが、ワンボックスとか載っていると当たる事はないんですが、当たりそうだなって錯覚してしまう高さですね。
このガードを超えて直進していくと、


神社名:天王神社
鎮座地:愛知県西尾市吉良町上横須賀池端地内
御祭神:建早須佐之男命


天王神社が見えてきます。
由来などは調べたのですが不明です。
社名から創造するに、御祭神は建早須佐之男命になると思います。
今向かっている春日神社の境外社になるのか、それとも戦後になり新たに歓請された神社なのか・・。天往神社も参拝させて頂き、地図を見てみると、この近くに八王子神社が鎮座しているそうですので、春日神社に向かう前にそちらに向かってみる事にします。

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八王子神社がなくなって売地になっています・・・。

場所を間違えたのか?と思いましたが、どう考えてもこの場所です・・・。
こんな事もあるんだぁ~としみじみと考えてしまいました。放置されて荒廃が進んでいく神社よりは、どこかの神社と合祀して破却した方がいいとは思うんですけどね。

ただ、この神社跡地がある辺りは西尾市吉良町上横須賀八王子といいます。地名にもなっている八王子神社がなくなってしまったという事になります。

八王子神社のありし時の写真をネットで探していると、ブログ記事を発見しましたので、リンクを貼らせていただきますので、確認してみてください。

八王子神社のありし時の姿

八王子神社跡地を後にして、春日神社に向かいます。

春日神社には参拝者用の駐車場が境内の裏手側に用意されています。
上横須賀駅からも非常に近いので、参拝しやすい神社ではないでしょうか。


春日神社(西尾市吉良町上横須賀)

秋葉神社(西尾市吉良町上横須賀)

春日神社の参拝を終え、同じ上横須賀地区に鎮座する秋葉神社を目指します。

春日神社前から県道317号線に沿って矢作川に向かって進んでいくと、矢作川を渡河する横須賀橋の袂に秋葉神社が鎮座しています。


小さい神社ですが、交通の要所に建っているので、非常に存在感のある神社ですね。


秋葉神社(愛知県西尾市吉良町上横須賀)

八幡社(西尾市吉良町下横須賀)

秋葉神社を後にし、矢作川左岸の堤防道路で加工方面に向かっていきます。

この間はあまり難しい事もなく、堤防道路を進んでいき、富川橋を超え、笹子橋手前に八幡神社は鎮座しています。

笹子橋手前で左を見ると、神社の境内が見えてきます。


八幡社(愛知県西尾市吉良町下横須賀)

八幡社(西尾市吉良町八幡川田)

下横須賀の八幡社を後にして、再び堤防道路を南下します。
次に目指す神社なんですが、地名を見るだけで八幡社が鎮座しているのが解りますね。
笹子橋を超えると、矢作川の堤防河川敷はゴルフコースに変身します。


西尾ゴルフクラブ


ゴルフ場を眺めながら堤防道路を進んでいくと、八幡社の境内が見えてきます。

堤防左手の木々が生い茂ってるところに八幡社が鎮座しています。

神社を通り過ぎると、堤防から下に降りられる連絡道路があります。降りた真正面に八幡社が鎮座しています。

堤防を挟んで全く雰囲気の異なる世界が広がっています。


八幡社(愛知県西尾市吉良町八幡川田)

津島神社(西尾市吉良町荻原)

八幡社を後にし、さらに堤防道路を南下していきます。
大宮橋を超えて左手をみると、田んぼの中にポツンと次に目指す津島神社の境内が見えてきます。

ルート的にはこんな感じ

そんなに距離も離れておらず、直ぐに移動できてしまいます。

上の写真を見てもらえばわかりますが、Part.2の頃から並走していた矢作古川と安藤川がここで合流します。ゴルフ場の中で河川の合流する場所ってほかにもあるんですかね。

社殿から玉垣まで平成26年に造営工事で作り直されているので非常に新しい香りのする神社になります。


津島神社(西尾市吉良町荻原)

八幡社(西尾市吉良町大島)

津島神社から再び堤防道路に戻り、河口を目指します。

河口が近くなってきたのか、矢作古川の表情が変わってきて、川砂が堆積している所が散見するようになってきました。

堤防道路を進んでいくと国道247号線と交差します。
この国道の橋は松大橋と呼ぶそうです。松木島地区と大島地区を結ぶから松大橋と名付けられたんでしょうね。

この国道から先は、盛土の堤防+アスファルト舗装から、海岸線の堤防(防波堤)の様なALLコンクリート造りの堤防道路に切り替わります。いよいよ河口が近くなってきた感じですね。


そんなコンクリートの堤防を進んでいくと、名鉄三河線の廃線が見えてきます。
以前は鉄橋が矢作川を横断していたんですが、今は取り払われて、橋があった雰囲気は残っていません。線路跡でここに橋があったんだな。と推測できるのみです。
そんな盛土の線路だった場所も今では太陽光発電所に様変わりしてます。

三河線の廃線跡を取った後、進行方向に向きなおすと、

堤防脇に現在では矢作古川左岸で最も河口に近い神社になる八幡社が見えてきます。

堤防と田んぼに挟まれた参道を進み、参拝してきます。


八幡社(西尾市吉良町大島)

 ゴール地点:矢作古川河口

八幡社で参拝後、GOAL地点に設定した河口を目指しましょう。

途中、秋葉山の常夜燈が設置されていました。
常夜燈の後ろ側に、秋葉神社のお札を納める祠が鎮座しています。
この常夜燈には電気配線されていて、夜になると電灯が灯るようです。今では明かりがともる事のない常夜燈が多い中、こうして現役で明かりを灯している常夜燈がある風景も貴重なんですよね。

対岸の旧一色町川を望みます。
今まで見てきた矢作古川の雰囲気ではなく、入江といわれても納得してしまう感じです。

河口に到着です。
本当は左手の堤防をさらに先に進みたかったのですが、工事中の為通行禁止だった為、ここから海を臨みます。海の先にみえるのは佐久島の島影になります。

佐久島にも神社が二社鎮座しているので、いずれは訪れたい島でもあります。

吉良頭首工から河口まで約12kmのコースになります。徐々に川幅が広くなり、川の下流の雰囲気から河口の雰囲気に変わっていく景色を楽しみながら神社巡りができると思います。

次回は、スタート地点を対岸に移して、矢作川右岸を遡上し、今回のスタート地点でもある吉良頭首工の右岸側までを紹介していきます。旧一色エリアでは、矢作川沿いの神社だけでなく、新田と呼ばれる干拓地区に鎮座する神社も併せて紹介していく予定です。

それでは、Part.4矢作古川河口~吉良頭首工編でまたお会いしましょう。

 

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