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市杵嶋姫社(愛知県安城市別郷町)

2020年8月3日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

神社紹介

神社名市杵嶋姫社
鎮座地愛知県安城市別郷町油石五十三番地
御祭神市杵嶋姫命、加具土命
旧社格神饌幣帛料供進指定村社
創 建不詳
神名帳
境内社稲荷社?
例祭日九月二十六日
御朱印
H P

参拝日:2020年7月12日

御由緒

 詳細はよくわからないのですが、元々は岡崎町(現在の岡崎市の中心部周辺)になる場所に厳島神社より勧請した神社であった様です。そしていつ頃、どういった経緯で現在の場所に遷座したのかは神社名鑑、安城町史を見ても全く分かりません。ただ、明治五年には村社に列している事から、少なくとも江戸時代にはこの地に遷座しているはずです。

「安城町史」に安芸国厳島神社より岡崎町に分祀した社で、岡崎に鎮座する事二百余年、その後当所に鎮座すると。明治五年十月、村社に列す。合祀の秋葉神社は慶長年中(1596年-1614年)遠州秋葉山より分祀して矢作町大字西牧内に鎮座後新田の里の村社を同四十一年三月二十日、本社に合祀した。明治四十三年九月二日、神饌幣帛料供進指定社となる。

愛知県神社庁発刊「愛知県神社名鑑」より

歴史探訪

 この市杵嶋姫神社の境内地は、昭和二十八年にその存在が確認された「別郷廃寺」址に鎮座しているとされています。長らく詳細が不明だったのですが、平成二十五年、市杵嶋姫社近くの民家建て替えの時に発掘調査が行われ、岡崎市北野町にある「北野廃寺」とほぼ同時期に建立された寺院であることがわかってきたようです。

 以前紹介した「寺領廃寺/紹介記事」の記事の中でも書いていますが、矢作川右岸には西三河最大の最古の寺院と言われる「北野廃寺」から「別郷廃寺」、「寺領廃寺」と寺院が建立された様です。寺領廃寺から更に南にはまだ調べていないので詳細は解りませんが「志貴野廃寺」があったそうです。矢作川左岸にはこういった廃寺があったとは聞かない(知らないだけ?)ので、矢作川右岸にこういった寺院群が建立される要因があったんでしょうね。

 別郷廃寺については、次回紹介していきたいと思っています。

参拝記

県道47号岡崎半田線・・・通称安城街道の別郷町交差点から北に進んで最初の十字交差点を左折すると、市杵嶋姫社の前に出る事ができます。県道が整備されたり宅地化が進んで地形が分かりにくくなっていますが、ここ別郷町も碧海台地の東端部分に位置しており、ここ市杵嶋姫社の南から東にかけては沖積層による湿地帯(現在は農地化されています。)が広がっていました。
 鎌倉時代に整備されたという「鎌倉街道」はこの湿地帯を避けるように、別郷町の辺りから京都から進むと進路を南に変えて南に位置するの桑子町に向かっているとする説もあるようです。そういった案が出る程の湿地帯が広がっていた矢作川右岸には鎌倉と京とを結ぶ主要街道だったはずの「鎌倉街道」ですら迂回して整備されていた様ですね。ただ、当時とは矢作川の流れも異なっているでしょうから、なかなら鎌倉街道がどこを通っていたのか定める事は難しいようです。

境内入口

 市杵嶋姫神社の境内正面側には瑞垣が設けられていない、開放的な境内となっています。境内の一角に児童公園が設けられている事も関係しているんでしょうね。

 社号標

 旧社格「村社」が彫られた社号標になります。

鳥居

扁額の無い明神鳥居になります。建立年月は・・・確認し忘れました。

手水舎・水盤

 露天の水盤が置かれています。側面に彫られている「由美豆」とは一体どんな意味なのか・・・。Google先生に聞いても教えてくれません。ただ、Google先生で調べていると、ここ市杵嶋姫社を紹介されている方もみえて、同じ疑問を持っている事は解りました。その方は「ゆびず」→「ゆみず」→「湯水」と読んでいましたね。ここ市杵嶋姫社には昔、こんこんと湧き出る池があったとされ、安城市のモデルケースとしてこの池を復活させる事業があって現在社殿東側に池が造られています。(水は湧き水ではなく明治用水の協力で用水から水が引かれているようです。)

神池

 実際にここに池があったかどうかは不明ですが、どこの地域でも湧き水が湧き出る様あ場所を埋め立てて宅地化している所が多いんじゃないのかなと思う訳ですが、こうして池を復旧させている所はかなり少数派だと思います。

社殿

 入母屋造瓦葺平入の拝殿になります。ここ市杵嶋姫社の社殿も本殿、幣殿(渡殿)、本殿が一体化された社殿となっています。

地図で鎮座地を確認

神社名市杵嶋姫神社
鎮座地愛知県安城市別郷町油石五十三番地
最寄駅名鉄バス岡崎安城線「別郷バス停」徒歩4分

ご自宅にお札は祀られていますか?

実家には神棚はあっても、今お住いの所には神棚がない方も多いかと思います。神棚には、日本の氏神である"天照大御神"とご自身がお住いの氏神様のお札を掲げると御神徳が宿るとされています。
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南向き、もしくは東向きになる様に、そして目線の高さより上になる様に、棚などの上において頂くとよいかと思います。是非、皆様もご自宅に神棚をご用意いただき、御札を納めてほしいなと思います。

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