名所旧跡など

愛知県下新十名所と名古屋新十名所巡り ー京町薬祖神・闇之森・榎ノ権現・久屋金刀比羅社ー

2022年12月18日

令和四年新企画のお知らせ

新企画「愛知県下新十名所」

 新愛知新聞社が昭和二年(1927年)に「愛知県の新十名所を読者投票で決定する。」というイベントを実施します。愛知県下を狂気の投票合戦へと誘ったこのイベントへの投票総数は驚異の1400万票以上。また、100票以上の投票を集めた名所候補は67カ所にも上ります。2022年、当サイトではこの67ヵ所の名所を巡り紹介していこうと思います。

2022年4月13日はどこ行こう

 令和四年(2022年)の連載企画として紹介して生きている「愛知県下新十名所巡り」も早いもので第7弾となります。今回は名古屋市中区丸の内三丁目という名古屋市の中心地にある「京町薬祖神」を中心に巡っていく事にします。何度も愛知県下新十名所の紹介記事の中で紹介していると思いますが、愛知県下といいつつ名古屋市内の名所については殆どノミネートされていません。これは愛知県下新十名所選定以前の大正十四年に「名古屋新十名所」が選定された事が影響しているのは間違いないかと思います。

名古屋新十名所

名古屋新十名所については、当サイトで初登場となったのは名古屋市南区にある「天林山笠覆寺(通称:笠寺観音)/紹介記事」の本堂前に据えられた「名古屋新十名所」と彫られた石柱を紹介した時になります。

 名古屋新十名所の詳しい説明は笠寺観音の記事または(たぶん)後日書くであろう記事を参照して頂くとして、石柱の側面に十ヶ所の名所が彫られているのでこちらを軽く紹介しておきます。

 熱田神宮・名古屋城・笠寺観音寺・闇ノ森・榎ノ権現・櫻田勝景・圓頓寺・久屋金刀比羅・山田元将之社・天理教々務支庁の十カ所が彫られいます。

 まあ・・・葉書による投票戦の結果選ばれた十名所なので、純粋な観光十名所とは趣は異なっている感じがします。

 地図を見てみると、京町薬祖神を目的地としつつ、名古屋新十名所の何ヶ所かを同時に巡る事が出来そうな気がしてきたので、今回は、名古屋市中区丸の内を目指してバイクを走らせていく事にします。

今回の行き先は?

 毎度のことながら、岡崎市南部から名古屋市に向かう場合のメインルートであろう国道23号線を使って名古屋市南部から丸の内方面に向かっていく事になります。今回も色々巡っていこうかと思っているのですが、まずは何といっても愛知県下新十名所にノミネートされた候補地を忘れる訳にはいきません。

愛知県下新十名所

  • 48位 京町薬祖神 名古屋市 得票数:863票

 名古屋市中区丸の内三丁目の京町通り沿いに「少彦名神社」が鎮座しています。この少彦名神社こそが投票戦において863票を獲得して48位にランクインした「京町薬祖神」になります。

 江戸時代末期より京町には薬種商が集まる様になり、名古屋周辺への薬の供給地として薬種街が形成されていったそうです。そんななか大正四年、薬種商の繁栄を祈願する為に少彦名命と大国主命を御祭神とする少彦名神社が創建された。現在でも「薬と健康の神様」という事で祭礼は盛大に行われているようです。

昭和二年時点の名古屋市下の候補地は42位の八事音聞山・48位の京町薬祖神・52位の呼続湯浴地蔵・57位の八事山の4ヵ所しかノミネートされていません。愛知県新十名所を選定するのに、名古屋城・熱田神宮などの名前が挙がってこない事が不思議なんですけどね・・・。

 今回の愛知県下新十名所巡りは一ヶ所だけなんですが、冒頭で紹介している名古屋新十名所の選定地を何ヶ所か巡っていきます。この名古屋新十名所で一番大物であり今回の行程に一番近い場所にあるのが「名古屋城」になるのですが、ここに立ち寄ってしまうと一気に時間が無くなってしまうので、ここは別の機会に訪問しようと思います。・・・まあ、当サイトで紹介しなくても名古屋城を紹介しているサイトは多数あるので今更当サイトで名古屋城を紹介してもなぁ~っていう打算的な気持ちも無きにしも非ず・・・。

名古屋新十名所

今回訪問した名古屋新十名所は以下の通り

  • 第二位 正木町闇の森 得票数 135,982票
  • 第五位 久屋町金刀比羅神社 得票数 103,562票
  • 第八位 押切町榎権現 得票数 66,793票

 自分は名古屋市に住んだことがないのでよく分からないのですが、名古屋に住む方には上記三ヶ所は非常に知られた場所なんでしょうか?少なくとも自分は上記三ヶ所は全く聞いた事もなかったため、どこのあるかすら分からなかったくらいだったりします。

 第二位にランクインしている正木町闇の森とは、名古屋市中区正木に鎮座する闇之森八幡社になるようです。ちなみに闇之森とかいて「くらがりのもり」と読みます。この神社の境内は大木が鬱蒼と茂り、月の光も射さぬ場所→闇之森と呼ばれるようになったと伝えられています。
 第五位にランクインしている久屋町金刀比羅神社は名古屋市東区泉に鎮座する金刀比羅神社になります。現在は久屋公園の東側NTTビルの近くに鎮座する街中の神社といって雰囲気になっていますが、これは戦後の名古屋復興事業によって境内をかなり削られさらに現在の地に遷座した結果になるようです。(旧境内地だった久屋大通公園一角に遷座前の石などがあるそうです。)戦前は結構大きい境内を持つ神社だったようで、名古屋城下だったこともありかなり賑わっていた神社だったのでしょうね。
第八位にランクインしている押切町榎権現は、名古屋市西区押切町に鎮座する白山神社になるようです。白山神社は戦国時代には織田信長が桶狭間の戦いに向かう際に戦勝祈願をしたことで知られ、江戸時代になると脇街道と呼ばれる美濃路が境内の前を通り、白山神社の境内に御神木となる榎の大木があったことから「榎権現」とも称される様になったんだとか。

日本で唯一の鉄道同士のダイヤモンドクロッシング

 ダイヤモンドクロッシングって何だ?と思われる方のが大多数の様な気がします(上の写真を挙げている時点で答えが解ってしまうかと思います。)が、名古屋市には日本で唯一の鉄道同士によるダイヤモンドクロッシングがある事でその界隈では非常に知られています。

ダイヤモンドクロッシングとは?

ダイヤモンドクロッシングとは、2つの路線が平面上で十字またはX字に交差する構造の事を指します。線路が交差した場所がひし形(ダイヤモンド型)になる事からダイヤモンドクロッシングと呼ばれる訳です。

 路面電車が十字に交差する場所は想像できるかと思いますが、鉄道同士の十字交差はなかなか想像できないですよね。そんな場所が名古屋に在る訳です。

 全国的に珍しいダイヤモンドクロッシングは、名古屋鉄道でもその存在を知っている人は少ないかも?とも言われている「築港線」の線路上にあります。通勤時間帯しか定期運航されている鉄道はなく、この辺りに通勤する人以外はまず使わないであろう路線が「築港線」なんですが、そんなレア的な存在の築港線に更に全国的にレアな十字交差のダイヤモンドクロッシングとなると、もうそれは知っている人を探すのが難問になるのは想像に難くないかと思います。今回はそんなレアなダイヤモンドクロッシングを見に行ってみようと思いうます。

かつて名古屋城の御堀を走っていた時代の起点駅「堀川駅跡」

 もうひとつ全国的にレアな存在の鉄道施設(跡)に立ち寄る事にします。それが、現在では途中から地下鉄となり栄に乗り入れている名鉄瀬戸線ですがかつては名古屋城の御堀の中を走っていました。以降はすっかり撤去されて望むべくはないのですが、起点(終点)となっていた堀川駅跡を見ていこうと思います。

 瀬戸線は瀬戸物を運ぶ貨物輸送を主目的として敷設された路線だったそうで、堀川の水運の荷揚げ場所近くに作られ、鉄道⇔船の貨物ターミナルとしての側面があった駅が堀川駅になるようです。ただ、自動車技術が発展してトラックによる貨物輸送が伸びてくると貨物需要がなくなってしまい、更に栄駅に乗り入れる事になった事から昭和51年に廃駅となっています。

今回の全行程

 今回は今まで以上に多彩な場所を巡る事が出来たのではないかと思います。神社や仏閣だけではなく、鉄道遺産?や切支丹まで名古屋にこんな所あったんだと新発見させてくれた旅になりました。以降17回くらいに渡って各訪問地の紹介記事をアップしていきますので、是非こちらもご覧ください。

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