岡崎西国観音霊場

岡崎西国観音霊場とは？

　江戸時代後期「化政期(1804年-1830年)」以降、庶民の寺社参拝旅行が盛んに行われるようになったと言われています。ただどうしても遠隔地の霊場などを参拝しようとしても道中も含めるとかなりの長期間となり、中々実行できるものではなかったはずです。そこで、各地に霊場の地域版が作られていく事になる訳です。それが、弘法大師霊場では新四国霊場と呼ばれるものだったり、西国三十三観音霊場を模した三十三観音霊場だったりするわけです。

　三河地方にもこういった写し霊場が誕生し、「三河西国観音」「三河秩父観音」「三河坂東観音」が開創されていきます。これで三河国内で百観音を巡拝できるようになるわけですが、人々は更に近場で霊場を巡拝していきたいという欲望が生まれ、岡崎藩内で巡拝できる「岡崎西国観音」が開創されることになります。時に、「文政五年(1822年)」の事にです。
　岡崎には「岡崎西国観音」とほぼ同時期の天保五年(1834年)に開創した「岡崎三十六地蔵霊場」さらには「岡崎地蔵廻二十八ヶ所霊場」が開創しています。岡崎は地蔵信仰が篤い場所だったようです。

　そんな歴史を持つ「岡崎西国観音霊場」ですが、この霊場紹介の記事を2019年にアップするまで、Google先生で"岡崎観音霊場""岡崎西国観音霊場""岡崎西国三十三観音"と思いつくようなキーワードで検索してもまったくHITせず、表示されるのは「三河観音霊場」ばかりでした。この事からも現在では忘れられてしまった霊場と言っても過言ではないかと思います。
　ぜひ、当サイトを参考にして頂き、「岡崎西国観音霊場」、さらにはほぼ同じ場所を霊場としている「岡崎三十六地蔵」はたまた「岡崎地蔵廻二十八ヶ所霊場」を合わせて巡拝していただけたら幸いです。

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札所一覧

　岡崎西国観音霊場の札所は、明治十六年(1883年)に再編されているようで、文政五年(1822年)の札所一覧と明治十六年(1883年)の札所一覧が存在しています。当サイトでは両方の札所一覧をご紹介いたします。

札所案内地図